釣況が安定してきたとはいえ、腕で差が付くカワハギ釣り。
ここでは、沖釣りカレッジを通じて鈴木孝さんと佐々木健仁さんに学んだ「釣れるツボ」を、いくつか紹介してみよう。
【Lecture04・キャストして広範囲を探る】ヨコの釣りはツブ根の定点攻めがキーポイント
タテの釣りでアタリが少ない時間帯に有効となるのが、キャストして仕掛けを手前に引いてくるヨコ(横)の釣り。
ベイトリールで的確にキャストできる釣り人向けだが、平場中心の根掛かりが少ない釣り場であれば広範囲を探ることができ、釣り座が不利でもカワハギをポツポツと拾える。
佐々木さんが得意とする釣りでもあり、その要点をうかがってみると、ロッドは硬めの竿を推奨。
反発力があるので遠投しやすく、ラインスラッグが出てボケやすい目感度アタリを手感度でカバーできる。
仕掛けは幹糸に中オモリを付けた3本バリ。
潮の抵抗に負けないように中オモリは1.5~2号と重めにして、揺さぶりの誘いが確実にかけられるようにする。
また、 横にサビいてエサを吸わせていく釣り方の性質上、ハリはスピード7~7.5号などの吸わせ系を使用。
枝スの長さは下の2本は7cm、一番上だけは10cmとしてエサの動き具合に変化を付けている。
できるかぎりロングキャストして着底させたら、小づき、跳ね上げてのカーブフォール、ズル引きなどをミックスして手前に探ってくる。
その最中、オモリがツブ根にカツンと当たったり、砂地のカケ上がりなど海底の凹凸で急に引き抵抗が増す場所があったら、「カワハギが集まりやすい好ポイントの可能性が高いので、そこで仕掛けを止め、定点でしつこく揺さぶって誘います」と佐々木さん。
中オモリを利用して仕掛けを張っては緩め、時どきゼロテンションで一呼吸止め。
この繰り返しでフワフワとエサを動かし続け、アタリを出していく。
この操作の中でもう一つ注意したいのが竿の角度だ。
ラインが斜めに入るこの釣り方はどうしてもアタリの出方が鈍くなるので、「道糸と竿の角度をできるだけ直角にして、竿に伝わる手感度と目感度を最大限に高めてください」とのこと。
また、ヨコの釣りはロングキャストするほど長い距離をトレースできるので有利になる。
上にキャストが得意な佐々木さんのお手本を紹介したが、強引に飛ばそうとするとあらぬ方向へ飛んでいくので危険。
「キャストは経験を重ねればうまくなります」とのことだから、焦らず少しずつ飛距離を伸ばしていこう。
「ヨコの釣り」の誘い方一例
鈴木さん、佐々木さんともヨコの釣りの巧者。マスターすれば釣果がのびる
出典:
アンダーハンドキャスト(フリッピング)のイメージ
①クラッチを切ってスプールを押さえ、オモリをスイングさせる②竿の弾力と手首のスナップを利かせて、オモリを鋭く前方へ押し出す③穂先が目線の高さまで跳ね上がったところでリリース
出典:
竿と道糸を直角にしてアタリを取りやすくする
出典:
【Lecture05・困ったときのチェックポイント】アタリはあれど掛からないときの対策あれこれ
アタリはあるもののハリ掛かりしない。
お二人に聞いた、困ったときの対処法を並べて締めくくろう。
●ハリ先が甘くなっていないかを確認。
次に吸わせ系、ハゲバリ系のハリを織り交ぜたり、ハリスの長さを替えて掛かり具合をチェックする。
●誘いの速さが、カワハギの捕食スピードと合っていないことがある。
仕掛けを上げ下げするスピードをちょっと速めたり、逆にデッドスローに落として様子を探る。
●中オモリのタルマセ釣りの場合はオモリの重さを替えて、仕掛けが沈む速度を速めたり、遅くしたりする。
●合わせが決まらないときは、1秒待って合わせ、2秒待って合わせとタイミングをずらしてみる。
最後のパターンの典型的な例が、取材した館山湾のカワハギ。
エサを口にしてもしっかり吸い込むまでタイムラグがあり、明確なアタリを感じたつもりで合わせてもスッポ抜けることが多い。
こんなふうに捕食スピードが遅い魚を食わせるには、アタリがきても2秒くらい焦らず待って合わせたほうがハリ掛かりする確率が高い。
逆に捕食スピードが早い場合は、アタリ即合わせでバンバン掛かることもあるからおもしろい。
釣り場によってせっかちだったりのんびり系だったり、カワハギの性格も色いろ。
場数を踏めばそんなユニークな違いも分かってきて、さらにこの釣りが楽しくなっていく。
爪にハリ先を軽くあて、少しでも滑るようならすぐ交換
出典:
ハリのサイズ、ハリスの長さを替えてみるのも一手
出典:
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隔週刊つり情報(2022年1月1日号)※無断複製・転載禁止