アマダイ~ナギと風景も愉しむ癒やしの時間を~
隔週刊つり情報の船宿データベースを改めてよく見ると、釣り物欄にアマダイを入れる船宿の多さに驚く。
といっても、下のマップに示したのは古くからアマダイ狙いが盛んだったエリア。
10年前に比べれば多少はアマダイ狙いの船が増えているが、ここ最近急増したわけではない。
冬のアマダイ出船港MAP
リレーの釣り物にする船宿も多い
マップには釣り場ではなく出船港をまとめてみたが、おおよそ港から至近の場所にポイントがある。
水深は浅くて50~60m、深くて110~120mといったところ。
北から順に見ていくと、初めて釣り物欄にアマダイの文字が入るのは外房小湊。
勝浦以北ではアマダイが釣れたという話は聞いたことがないので、関東では小湊辺りが北限になるのだろうか。
小沢丸がコマセダイとのリレー釣りで乗合出船、仕立専門の伊豆丸もアマダイ狙いを受け付けてくれる。
隣の南房太海~江見もアマダイ狙いが盛んなエリアだが、フラッシャーサビキのムツやイサキなどの五目釣りとリレーで狙うスタイルが多い。
ちなみに南房の最南端、布良~洲ノ崎周辺でもあまりアマダイが釣れたという話は聞かない。
アマダイの生息に適した釣り場が少ないのか、はたまた単に狙っていないだけなのか・・・。
続いて内房では富浦の日の出ボートがアマダイ五目、富津の川崎丸がスポットのライトアマダイで出船。
富浦沖という有望ポイントを抱える内房だが、意外にアマダイを釣り物に掲げる船は少ない。
東京湾奥からもアマダイ狙いは可能で、南六郷のミナミ釣船がリクエスト乗合で各種釣り物とリレーで狙ってくれる。
金沢八景の弁天屋では、潮回りでマダイ(一つテンヤ・タイラバ)の出船がない日にアマダイ乗合を出している。
三浦半島東部地区では久比里が昔から秋~冬の看板釣り物としているほか、金田湾の仕立船もメニューの一つとして受け付けてくれる。
釣り物豊富な剣崎ではメインのターゲットにはならないが、仕立専門宿で受け付けてくれるほか、今シーズンは棒面丸と大松丸がマダイとのリレー釣りで乗合出船している。
アマダイ狙いの数がグンと増えるのが三浦半島西部地区から。
宮川港の二宮丸が平日にリクエスト乗合で出船、仕立専門では諸磯の光二丸と小網代の太平丸が受け付けているほか、小網代の丸十丸とやまはち丸が乗合出船。
長井各港および佐島、久留和の仕立船ではすべてアマダイ狙いを受け付けており、乗合船は葉山で五エム丸、愛正丸が専門船、秀吉丸が各種リレー釣りで乗合出船している。
乗合、仕立ともに最も多くの宿がアマダイを看板に掲げるのが相模湾。
小坪、腰越、湘南片瀬、茅ケ崎、平塚、大磯、小田原早川、真鶴まで、ほぼ全軒アマダイを釣り物に取り入れている。
なお、相模湾ではほかのエリアと違ってリレーの釣り物にするところは少なく、専門船が多い。
静岡県海域になるとアマダイ狙いはグンと少なくなり、東伊豆宇佐美の山川丸と直正丸が受け付けているくらい。
南伊豆や西伊豆もアマダイが釣れたという話はほとんど聞いたことがないので、南房の布良~洲ノ崎周辺と同様に生息に適した釣り場が少ないか、狙っていないのだろう。
駿河湾のアマダイは「興津(おきつ)ダイ」としても知られるように魚影は濃いと思われるが、隔週刊つり情報船宿データベース加入の船宿で遊漁船の釣り物として受け付けているのは沼津静浦港の真成丸だけになる。
気になる釣況のほうは出船形態や釣り場が異なるため一概にはいえないが、おおよそ好日はトップでツ抜け、通常は5~7尾前後、食い渋りで3尾ほど。
サイズは20~25cm前後の小型から30~40cm級の良型まで交じりになるが、各船宿のホームページやSNSでの発信を見ていると、今シーズンはどの釣り場でも例年よりも50cm以上のジャンボサイズが多く上がっているように見受けられる。
大物に夢を馳せてじっくりアマダイと対峙するもよし、好みの釣り物を見つけてリレーで楽しむもよし。
冬の一日を気張らずのんびり遊んでみたい。
![釣行の写真]()
釣り場が比較的近いのもいいところ。アマダイにはナギの海がよく似合う。
出典:
![釣行の写真]()
独特の釣り味も楽しい。
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![釣行の写真]()
数がのびるときは小型も多く交じる。
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![餌の写真]()
シンプルな仕掛けも人気の要因の一つ。
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![釣行の写真]()
ゲストが多彩なのもアマダイ釣りの面白いところ。
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まずは使用オモリの確認を
アマダイの仕掛けは片テンビンの2本バリと、どの釣り場でも基本型は一緒。
ただし船ごとにオモリ号数が違うから、まずはそれを確認してタックルの準備をするようにしたい。
ライトタックル船は40号、通常は60号の船が多く、重くても80号まで。
竿はそれぞれのオモリに対応した製品を選ぶのがベストだが、オモリ60号を背負える全長2m前後の7:3~8:2調子なら、オモリが40号になっても80号になってもある程度カバーできる。
リールは小型の電動が便利。
手持ちで誘うことも多いから、なるべく持ち重りしないダイワ200~300番、シマノ200~600番あたりがおすすめ。
巻いておく道糸はPE3号前後。
ライトタックルの場合はPE2号以下、1.5号以下と指定する船もある。
いずれの場合も糸巻き量を確認しておきたい。
深場を狙うこともあるから100mではおぼつかない。
高切れに備えて最低でも200mは巻いておこう。
片テンビンは腕長30cm前後のストレートタイプがハリス絡みしにくい。
仕掛けはハリス3号全長2mが標準。
枝スは中間付近にクレン親子サルカンや回転ビーズを介して20~30cm出しておく。
寸法は潮の流れによって2.2~2.5mほどと長めがよかったり、1.5m前後の短めがよかったりするので状況に応じて対応したい。
ハリはチヌや丸カイズ、マダイバリなどを使うが、エサずれしにくいケン付きタイプが多用される。
そのほか市販仕掛けにはほとんど含まれているが、B~2Bほどのガン玉も速潮時に先バリの浮き上がりを抑えるための必須アイテムだ。
![釣行の写真]()
7:3~8:2調子のゲームロッドで十分対応できる。
出典:
![釣り具の写真]()
リールは小型電動でOK。 道糸は十分に巻いておこう。
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![釣り具の写真]()
(左上)付けエサはオキアミの1匹付けが基本。(左下)オモリは40号から80号まで、船や状況に応じて使い分ける。(右)仕掛けは全長2mを標準に長めの仕掛けや短めの仕掛けも各種ある。
出典:
誘いは「動」と「静」を使い分ける
アマダイの釣り方は簡単。
付けエサのオキアミは1匹掛けが基本で、投入時に外れないよう静かに仕掛けを下ろしていく。
着底したら、まずは道糸が真っすぐ立つまで底ダチをしっかり取る。
続いてオモリを70~100cmほど巻き上げ、タナを取る。
ハリス2mの場合、上バリが底からやや浮いた位置がタナの基準になる。
潮の流れが速く、道糸が斜めになるようなときは仕掛けが浮きすぎないよう30~50cmと低めにタナを取る。
タナを取ってしばらくアタリを待ったら、先バリを底から離すイメージでゆっくり竿一杯聞き上げていく。
このときにクククッとアタリが出る場合もある。
何事もなければ、今度はゆっくり竿を下ろしていき、付けエサを元の位置へ戻してアタリを待つ。
再び数秒待ったら誘い上げ、この繰り返しが基本になる。
そして合間に適度なタナの取り直し。
海底は起伏があるから、オモリがトンッと底を打ったら巻き上げる。
水深が深くなっている場合もあるから、オモリが底に着いた感触がなくてもしばらくしたら底を取り直してみる。
この基本の釣り方のほか、誘いのパターンとしては、タナを取ったら動かさずに置き竿でじっと待つのもあり。
反対に、オモリで底をトントンたたきながら誘いをかけ続けるというのも方法。
アマダイはなかなかつかみどころがない魚で、その日の活性によっても動かしたほうがいいのか動かさないほうがいいのか変わってくる。
釣っている周りの人を見るなど、「動」と「静」を臨機応変に使い分けることが釣果をのばすコツにもなる。
アマダイのアタリは誘いの最中や聞き上げたときにグググッと竿先が強めに押さえ込まれたりする。
トラギスなど外道の場合はあやふやなことも多いが、とにかくアタリかなと思ったら竿を立てて合わせを入れ、ハリ掛かりを確認してみる。
手応えが残っていれば、そのまま糸を緩めないように巻き上げ開始。
本命であれば残り30~40mを切ったあたりで1回、ゴゴゴンッと力強く引き込むはず。
テンビンが海面下に見えたら巻き上げストップ、小型であればそのまま抜き上げ、大型の場合はタモのアシストを頼もう。
![釣行の写真]()
まずはしっかり底ダチを取るところからスタート。
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![釣行の写真]()
動かして結果が出ないときは静かに待ってみるのもあり。
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