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[仕掛け作りがサクサク進む!結びの秘訣(第117回)]小型テンビンの作り方①

隔週刊つり情報編集部

補修糸は巻き止めてから液状の瞬間接着剤を浸み込ませて固めると、かなり強度が得られるのでシロギスやカレイ用の小型テンビンを自作するときにも利用できる。

ここでは、ステンレス棒を使ってL型の小型テンビンを作る方法を取り上げよう。

素材は釣具店ですべて手に入り、作り方もこれまで取り上げた補修糸の使い方を応用するので、意外と簡単に自作できる。

テンビンの写真

補修糸を使ったシロギス、カレイ用L型テンビン。素材はすべて釣具店で手に入る

L型テンビンを自作しよう

シロギスやカレイに使う小型の片テンビンは、形や素材の違う様ざまなタイプが市販されている。

その中で昔からの定番でありながら、人気が高いのがシンプルなL型テンビンだ。
 
同じL型テンビンでも、軸と腕の角度、腕の長さ、オモリの取り付け方式、使われている素材などの違いにより種類は多い。

自分の好みのタイプを決めているファンも多いだろう。
 
市販品に満足しない人の中には自作、あるいは改良している人もいる。

金属製の釣具なので、サルカンの接続部分などにはそれなりの強度が必要になり、自作は難しそうに思えるかもしれないが、小型のテンビンならば、案外簡単に作ることができる。

自作すれば腕の長さや角度、サルカンのサイズや種類は思いのままにできる。
 
今回は補修糸を使ったL型小型テンビンの作り方を紹介しよう。

作り方のポイント

強度を得るために強化チューブを被せて巻き止め、ステン棒の折り曲げ部分は短い棒を添わせて補強する

素材は0.8㎜径のステンレス棒、8号前後のサルカン2つ、6号前後のフック付きサルカン1つ、1/0~2号のサルカン、内径1㎜の強化チューブ、3.5号のソフトビーズ、液状の瞬間接着剤、これに補修糸なので、すべて釣具店で手に入る。
 
ステン棒を折り曲げやすくするために、秘密兵器として芯を抜いたボールペンのボディを用意したい。

ボールペンは先端が金属製の安価なものでいい。
 
軸と腕の先端のサルカンを取り付ける部分、オモリを接続するフック付きサルカンの取り付け部分は、強度のある作りが必要になる。

そこで、ステン棒の折り曲げ部分に強化チューブを被せ、その上から補修糸を巻き、最後に瞬間接着剤で固める方法をとる。
 
また、オモリ用のフック付きサルカンを入れる折り曲げ部分は、本体のステン棒と同じ角度に曲げた短いステン棒を添わせて巻き止める。

この部分に最も負荷がかかるためだ。

折り曲げ部分の前後にはソフトビーズを入れフック付きサルカンのストッパーとする。
 
ステン棒を目的の位置で思う角度に曲げるには、芯を抜いたボールペンのボディを利用すると作業しやすい。

腕と軸の先端にはサルカンを入れるが、ステン棒を曲げるときに大きめのサルカン(ここでは1/0サイズ)を入れて曲げると、少しふくらみを帯びた曲がりにできる。
 
補修糸で巻き止める方法は、ガイドの取り付けなどと同じになり、最後に余り糸でループを作り、本線を巻き止め部分に引き込む方法になる。
 
次回は、さらに簡単に作れるスリーブを用いた小型テンビンの作り方を取り上げたい。

材料の写真

ステンレス棒、サルカン、ソフトビーズ、補修糸、芯を抜いたボールペンのボディ、液状の瞬間接着剤が材料と道具

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ワイヤーの写真

(左)ワイヤーカッターが付いたスリーブ圧着用のハンドプレッサーがあると作業が楽になる(右)芯を抜いたボールペンのボディを使うとステン棒は曲げやすい

部品の写真

オモリを接続するフック付きサルカン部分

補修糸を使った小型テンビンの作り方

①0.8㎜径のステン棒の先端1㎝ほどを、芯を抜いたボールペンに差し込み曲げる

②鋭角に曲げたら1/0サイズのサルカンを通す

③サルカンを入れたままプレッサーまたはペンチでUの字に曲げる

④1/0サイズのサルカンを外し、7~8号のサルカンを通す

⑤折り曲げた部分に内径1㎜の強化チューブ1㎝を被せる

⑥補修糸(細)を40㎝ほど切り出し、端糸を5㎝ほど取り先端に向かって3㎜ほど巻き止める

⑦先端まで巻いたら密にきつく逆方向に巻き進める

⑧強化チューブ全体に巻き、ステン棒に4~5回巻いたら端糸をループにして一緒に4回ほど巻く

⑨ループに本線を入れ、ループを引いて本線を巻き止めた部分に引き込む

⑩余りをカットし軽くあぶって端を焼き固める

⑪ステン棒に1㎝弱の強化チューブ、3.5号のソフトビーズ、6号前後のフック付きサルカンを通す

⑫ステン棒にボールペンを差し込み、先端から5㎝ほどの所で120度ほどの角度に折り曲げる

⑬3㎝ほどに切り出したステン棒を中央で同じ角度に折り曲げる

⑭曲げた角を合わせて2本のステン棒を添わせる

⑮フック付きサルカン、ソフトビーズ、強化チューブの順で2本のステン棒に通し、反対側からソフトビーズを通す

⑯強化チューブを先端と同じ手順で補修糸で巻き止める

⑰腕側のステン棒にも強化チューブを通し、補修糸で巻き止める

⑱オモリを付けるフック部分はこの形になる

⑲腕を13㎝ほどにカットし、先端と同じように1㎝ほど折り曲げ、サルカンを通して巻き止める

⑳補修糸を巻いた部分に、液状の瞬間接着剤を染み込ませて固めれば完成

隔週刊つり情報(2020年3月1日号)※無断複製・転載禁止

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