スミイカテンヤの作り方①
「ピンク糸」、「補修糸」と並び釣具店で手に入る釣具の補修作業に使われる糸に「握り糸」(商品名)がある。 ナイロン製の撚り糸で、前回取り上げた補修糸よりも太い番手がそろっておりカ…
隔週刊つり情報編集部PR
「握り糸」を使うスミイカテンヤの作り方の工程は、オモリの取り付けから掛けバリの取り付けと進む。
竹の台に握り糸を使って巻き止める方法は共通するが、2本の掛けバリの開き具合に気を配ることが大切になる。
掛けバリに角度を付けるには、竹の台の側面を削るが、竹を素材としているからこそ微妙な調節が可能になる。
スミイカテンヤは、自作すればオモリの号数や形、あるいは着色を自由に選択できる。
その選択だけでも色いろとこだわることができるが、スミイカの掛かり具合を左右する掛けバリの取り付けは、どんなパターンを作るにせよ、おろそかにはできない大切な作業になる。
掛けバリを3本とするパターンもあるが、基本は2本で、その開き具合にこだわるファンが多い。
開き具合の目安は、掛けバリの間に人差し指を入れたときに、掛けバリの曲がりと台までの中間ほどで指が挟まる程度。
角度にすると台から引いた垂線から10~15度ほどの微妙な開きになる。
開きすぎていると掛かりが悪くなるとするベテランは多いが、まったく開かせないと掛けバリ間が狭すぎて具合が悪い。
掛けバリを思う角度に取り付けるには、あらかじめ竹の台に掛けバリを沿わせる左右の側面を、わずかに削って角度を付けておく。
竹の台を正面から見て上底より下底が狭い等脚台形に削るのだが、いっぺんに角度を決めようとせず、角度を確認しながら少しずつ削るのがコツだ。
この作業は小刀を使うとやりやすい。
刃を一度に深く入れず、刃を立てながら表面を少しずつこそげ取るように削る。
素材の台が竹であるからこそ、こうした微妙な角度を付ける作業ができるわけだ。
掛けバリの角度が決まったら、瞬間接着剤で仮止めをし、握り糸(極細)を使って台にしっかりと巻き止める。
巻き止める手順は、前回取り上げたオモリの取り付けと同じで、巻き始めに余り糸を10cmほど取っておき、最後に本線を引き込むループとして使う(工程⑫~⑬)。
本線と余り糸をカットし端を焼き固めたら、握り糸全体に液状の瞬間接着剤を染み込ませて固めれば、掛けバリの取り付けは完了。
ここでテンヤを平らな所に置いたとき、オモリと台の角度が掛けバリ側が付くか付かないか程度になっていればいい。
台はオモリのステンレス棒に巻き止めてあるため、後からでも角度の微調節が効く。
竹の台にオモリと掛けバリを取り付けたら、後はシャコを刺す串を取り付けるだけだが、オモリや台に着色する作業は、串を取り付ける前のほうがやりやすい。
着色作業は、塗料に全体をいっぺんに漬ける「ドブ漬け」といわれる方法と、刷毛で数回に分けて重ね塗りをする方法があり、後者のほうが時間はかかるがきれいに仕上がる。
次回は着色と串の取り付け作業を取り上げたい。
①掛けバリを取り付ける側の台の断面は長方形になっている。
②取り付けた掛けバリが少し開くように削る。
③掛けバリを輪ゴムなどで固定して、均等に少しだけ開いているかを確認する。
④1本の掛けバリを台の削った側面に当てる。
⑤掛けバリと台の間に液状の瞬間接着剤をほんの少量染み込ませて仮止めする。
⑥掛けバリが台の側面の幅の中央にくるように止める。
⑦もう1本の掛けバリを同じように仮止めする。
⑧2本の掛けバリを仮止めした状態。
⑨握り糸(極細)を台の裏の端から5mmくらいのところに添える。余り糸は10cm以上取っておく。
⑩余り糸をしっかり押さえながら台と掛けバリを巻き止める。
⑪余り糸も一緒にしっかりと密に巻いていく。
⑫掛けバリ部分まで巻き止め、さらに5~6回台を巻いたら、余り糸を折り曲げて巻きループを作る。
⑬さらに5回ほど巻き止め、本線をカットしてループに通し余り糸を引いてループを絞る。
⑭ループを引き抜いたら、5mmほど残してカットし、残りをあぶって固める。
⑮最後に瞬間接着剤を握り糸に染み込ませて固める。
⑯これで竹の台へのオモリと掛けバリの取り付けが完成。
【隔週刊つり情報(2020年1月15日号)※無断複製・転載禁止】
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