キハダ・カツオのシーズンが終了し、熱く燃えていた大物&青物ファンの魂もまずはひと息。
いえいえとんでもございません。
これから早春にかけての相模湾では冬の青物王ブリが本格シーズンを迎えるのだ。
関東沿岸のブリといえば、巻頭特集で紹介した東伊豆初島周りでイカをエサに夜釣りで狙うイカブリが古くから知られているが、ここ数年、相模湾では日中釣りでサバやカマスをエサにした泳がせ釣りが人気上昇中だ。
11月中旬、今シーズンも大磯沖に張り出す瀬ノ海でキハダ・カツオと入れ替わるように釣れ始めた。
11月23日、今期の釣況をリサーチすべく、この釣りのパイオニアともいえる大磯港の恒丸を訪れた。
受付にはキハダ船で乗り合わせたことがあるお顔もチラホラ。
大型青物魂にシーズンオフはないようだ。
出船前に飯田仁船長や常連さんに釣況を伺うと、
「始めたばかりのときの食いっぷりはスゴかったよ!」
「エサの数だけアタリがくるって感じ。4尾のエサで4本釣った人もいたよ!」
「今のところ12kgが最大だけど、もっとデカいのが目の前でバレちゃってさぁ、あれは惜しかったな」
などなど開幕時はかなりのヨリ(好模様)だったようだ。
さすがに現在はいくぶん落ち着いてきたものの、それでもワラサ交じりで連日船中7~8本の釣果が上がっているとのことだ。
右舷に6名、左舷に5名が入り6時半に出船。まずは航程15分ほどの大磯プリンスホテル前でエサにするサバ釣りから開始となる。
ブリの主なポイントは瀬ノ海(大磯~二宮沖の水深100m前後)。
出典:
エサ釣りが肝心
エサ釣りは幹糸5~6号、枝ス3~4号、6~7本バリのサビキ仕掛けを使用。アミコマセを使うので仕掛けの上部にプラカゴ(FLサイズまで)をセットし、オモリは100号が基準だ。
竿とリールはこれに合わせたものを別に用意してもいいし、泳がせ用のタックルで狙ってもいい。
またサビキで食いが悪いときはビシ仕掛けにチェンジすることもあるので、片テンビンとウイリーの吹き流し仕掛けなども用意しておいたほうがいい。
サバが釣れたらすぐに海水を張ったバケツに入れ、船のイケスまで運び移す。
エサとして1人10~15尾くらい確保したところでブリ狙いに走るのだが、今期はこのエサ釣りに苦労する日が多く、当日もまさにそんな状況。
サバ釣りだからといってナメてかかってはいけない。
群れの移動も速いので、合図と同時に素早く投入し、しっかりとコマセを振り出してその中に仕掛けを入れることがポイントだ。
エサの量としては十分ではないが、時計も9時を回ってしまったのでブリ狙いに転進となった。
ブリ・ワラサの仕掛けは1本バリの胴つきスタイル。
ハリの部分は1本バリ、親孫式は各人の好みだが、掛かりのよさの点では親孫式のほうがいいと船長は言う。
エサの付け方は、1本バリの場合は口から上アゴに抜く口掛けが一般的だが、目打ち(目通し)掛けの人もチラホラ。
エサが弱りにくく、ハリ掛かりもよいので、泳がせ釣りをするなら覚えておきたい付け方である。
親孫式の場合、ハリの間隔を10~15cmと短めにし、孫バリを背ビレの前方に刺すのがコツ。
ブリはくわえたエサを頭から飲み込んでいくので、尾の近くより頭に近いほうに孫バリを打つとハリ掛かりの確率が高くなる。
指示ダナは底から5mだが、これは捨て糸を付けない仕掛けの場合。捨て糸を付ける場合は、その分タナを低くする。
(左)泳がせ仕掛けはハリス12~16号1.5m、使用オモリは150号。(右)ハリは親孫式、もしくは1本バリ。恒丸ではハリ掛かりがいい親孫式を推奨。
出典:
(左)1本バリ仕掛けは口掛けでOK。(右)目打ち掛け(目通し)でエサ付けした状態。
出典:
Tackle Guide
ハリスの長さは1.5mが基準だが、エサのサバが泳ぎ回ってオマツリすることもある。
その際は1mと短くしよう。
なお今後カマスが釣れ始めるとエサにすることもあるので、状況でカマス仕掛けも用意しよう。
1流し目で連続ヒット
少し沖に走った90mダチでスタートとなる。
着底して間もなく、右トモの2人にアタリがきたようだが合わせが効かずスッポ抜け。
やや遅れて左ミヨシ側の樋口さんの竿が突っ込む。
これは見事にフッキングしたようで竿が絞り込まれる。
ゴンゴンゴンッ。
巻き上げ中に大きく頭を振るような抵抗を続ける。
これは本命で間違いなさそうだ。
電動パワーでグイグイ巻き上げ、無事ネットイン。
ブリと呼ぶにはまだ若い5kg級だが、まずは型を見られてひと安心。
流し変えての100mダチ。
ここでも樋口さんの竿が絞り込まれ2.6kgをキャッチ。
右舷でも2人の竿に続けてアタリがきたが、1人はハリス切れ、もう1人はサメが上がってきた。
流し変えるたびにだれかしらの竿にアタリがくるが、合わせが早いのか、はたまたブリのやる気がないのか、スッポ抜けのバラシが続く。
「昨夜のシケで様子が変わっちゃったみたいだね。反応が入ってきてもアタリが少ないね」と船長。
しかし、青物の時合は突然やってくるもの。
「いい反応入ってきたよ!」のアナウンスの直後に4人にアタリ到来。
スッポ抜け、ハリス切れとバラシが続くが、右胴の間の甲斐さんは慎重に巻き上げる。
3人とオマツリしており取り込みに冷や冷やしたが、無事に5kgをゲット。
しかし後が続かず沖揚がりとなった。
当日の釣果は5kg2本と2.6kgが1本。
青物に日ムラはつきもの。
残念ながらこの日はブリサイズを拝むことができなかったが、その後は再び同船で8kg以上のブリが上がっており、今シーズンの魚影の濃さは間違いなさそうだ。
寒さが本格化するとともにブリもさらに肥え太り、極上の寒ブリとなる。
刺身、しゃぶしゃぶ、ブリダイコン、カマ焼きとアフターの楽しみも尽きない。
1本釣れれば家族が幸せになれる寒ブリ。
10kgオーバーを目指して挑戦してみてはいかがかな。
ハリス切れなどでバラシが頻発したものの、一斉に数名の竿が曲がる一幕もあった。
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左ミヨシ2番の樋口さんが5kgを含む2本でトップ。
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知っ得!アタリがきても慌てるな!
当日、私が確認したバラシはハリス切れ4回、スッポ抜け9回。
ハリス切れの場合はサメの確率が高いが、スッポ抜けはほぼ本命。
スッポ抜けの原因はエサに対して捕食者が小さい場合もあるが、この日は合わせのタイミングが早過ぎると思えるバラシも見受けられた。
ブリのアタリはグ、グ、グイーンッと竿が入るもののエサをくわえているだけの場合があり、最初の引き込みで合わせるとスッポ抜けることが多い。
グイーンッと竿が入ったあと、いったんフワッと竿が戻るが、放っておくと再びグイーンと竿が入る。
これを2~3度繰り返し、一際大きく引き込まれたら合わせ時だ。
(左)アタリがきても早合わせは禁物。一際強く引き込んだところで、竿を起こして合わせる。(右)ブリのタナは底から5m前後。海底は少なからず起伏があるので、2~3分に一度くらいのペースでタナを取り直す。
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休日は満船必至、予約はお早めに!
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