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読めばライトアジの基本から応用までを全てマスターできる!高槻彗のレクチャー特集!【前編】(蒲利丸/東京湾奥金沢漁港)

隔週刊つり情報編集部

本題に入る前に、ライトアジの概況を説明しておこう。

東京湾を代表する釣り物であるライトアジは、千葉県側の長浦から東京、神奈川県の金沢八景エリアまで各港から出船しているほか、内房金谷でもライトアジで出船する船宿がある。

乗合船は釣り場までの距離により午前午後の半日船、一日船、一日船よりやや釣り時間の短いショート船があるほか、人数が集まれば仕立船で受け付けてくれる船宿も多い。

釣れ具合に関しては釣り場やその日の状況により変わってくるが、大中小交じりでお土産以上は十分期待できるくらいは安定している。

各船宿ともレンタルタックルを完備しているので、船釣り初心者でも気軽に釣行できるのもおすすめポイントだ。

なお現在はほとんどの船宿が予約制としており、迎えるGWは混雑も予想されるから、釣行予定日を決めたら巻末の船宿データベースを参考に早めに予約しておきたい。

【Lecture1・基本情報と道具立て】最初に知っておきたいライトアジの基礎

今回のカレッジに参加していただいたのは船釣り経験数回の親子からライトアジにハマっている中級者まで経歴は様ざまだったため、釣り場までの航程が近い金沢漁港からの出船とした。

まず高槻さんは出船前に基本中の基本から解説。

これまで釣り教室で講師を務める際に最初に伝えていることが「ターゲットを知る」こと。

今回のターゲットであるアジを例にすれば、日中は底付近を群れで回遊している、目がいい、雑食性である、吸い込むような捕食をする、口の周りが軟らかい、などなど。

そんなことからタナは底付近である、意外にエサを選んで食べている、エサを口にしても違和感があれば吐き出してしまう、口周りにハリ掛かりするとバレやすい=上アゴの硬い部分へハリを掛けたい、などとイメージする。

まずは自分が釣ろうとする魚の習性を大まかにでも把握しておくことで実釣のイメージにつなげてもらう狙いだ。

続いては仕掛けの説明。

ライトアジの仕掛けは片テンビンを使ったハリス1.5~2号の2~3本バリ。

マニアな人は自作しており、高槻さんもハリス1号2本バリとハリス1.5号3本バリの2種類を用意しており、枝スは添え糸を使った編み込みで出すこだわりよう。

確かに仕掛けによって釣果に差が出ることはあるが、初心者やたまにしか釣行しない人は船宿で販売している市販仕掛けでも十分。

とくに慣れない人は扱いやすい2本バリがおすすめ。

ただし市販仕掛けを使う場合はパッケージ(仕掛け巻き)から取り出したら必ず軽く伸ばしてから使うこと。

ハリスにクセが付いていると仕掛けの動きが悪くなったり、絡みの原因になったりする。

ハリスを伸ばしておくだけでアタリが出やすくなることがあると高槻さんはアドバイスする。

ちなみにクッションゴムはバラシ防止の意味合いで付ける人もいるが、高槻さんは基本使わないという。

理由はアタリを出やすくするためと、ハリ掛かりさせやすくするため。

クッションがあるとその分アタリの伝達などが遅れてしまう。

タックルは一般的ないわゆるゲームロッドで大丈夫。

ただしコマセの振り出しやすさなど操作性の面からいうと軟らかめの6:4調子より、硬めの7:3調子のほうがとくに初心者には使いやすい。

リールは手巻きの小型両軸でよく、道糸にはPE1~1.5号、太くても2号までを巻いておく。

タックル、仕掛けの準備ができたら次に大切なのは釣り座のセッティング。

やはり慣れない人はこのバランスが悪いため、取り込みでもたつき仕掛けを絡ませたりせっかく掛けた魚をバラしてしまう。

東京湾のライトアジの場合は基本的に船を風上側に向けるので、まず竿はミヨシ(船首)側に置く。

続いてコマセの入ったバケツはほぼ自分の正面。

その隣に取り込んだ魚を入れるバケツを置く。

タオル、ハサミ、フィッシュグリップやプライヤーも必需品で、これはすぐに手の届く自分の正面、船ベリの下に置いておく。

仕掛けを取り込む風下側にはなるべく余分な荷物を置いておかないようにしよう。

取り込んだ仕掛けが引っ掛かって絡んだりする原因になる。

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釣行の写真

金沢漁港にはライトアジを受け付けてくれる仕立専門の船宿がたくさんある。

釣行の写真

出船前から熱のこもったレクチャーが行われた。

仕掛けとグッズ

釣行の写真

(左上)高槻さんの自作仕掛け。基本はハリス1.5号の3本バリで、食い渋り用にハリス1号の2本バリも用意している。(左下)枝スがピンと張るよう添え糸を使って編み込んでいる。(右上)ライトアジで使うテンビンは腕長25~30cm前後が適している。高槻さんは右のストレートタイプを愛用。(右下)ハサミ、タオル、魚つかみやプライヤーは必需品。

【Lecture2・釣り方編・・・エサ付け】エサ付けに気を遣うとアタリは出やすくなる

ライトアジで使われる付けエサはアカタンもしくはアオイソメ。

船で両方用意してくれることもあれば、どちらか一方だけのこともある。

使い分けの目安としては、食いのよい高活性時はアカタン、食いが渋くなってきたらアオイソメ。

アカタンはハリに付けやすく、エサ持ちがいいのがメリット。

イソメは食い渋りに効くこ立った(ハリ先が上を向いた)状態になる=上アゴに掛かりやすくなる。

アオイソメの場合も同様で、アカタンと同じくらいにカットしたイソメの端をチョン掛けにする。

一般にアオイソメのエサ付けは通し刺しとされ、エサ持ちがよくなるといとがあるのは利点だが、ハリに付けにくく手返しが悪くなるのが難点。

いずれのエサを使うにしても、ポイントは付け方にある。

アカタンの場合は、少しセンターをずらしてフトコロの中心にくるように刺す。

こうすると海中で潮流を受けたハリは腰を重心にして沈み、アカタンは浮力体として浮き上がるためハリがうメリットはあるが、海中でハリが下を向いたりハリスに絡みやすくなるため、ハリ掛かりが悪くなったりする。

高槻さんのエサの付け方は、常にハリ先が上を向いた状態になるため、アジがエサを吸い込みやすく、かつ上アゴにハリ掛かりしやすくなる。

エサ付けのコツ

釣行の写真

(左)アカタン、アオイソメともチョン掛けにしたらフトコロ先端にくるようにする。(右)アオイソメは事前にカットしておくとエサ付けもスムース。

【Lecture3・釣り方編・・・投入からタナ取り】 シャクり上げた竿先を下げずにアタリを待つ

ここからは投入の手順と基本的な釣り方。

まずコマセカゴにイワシのミンチを8分目ほど詰めたらハリスを船外へ出す。

続いて竿を持ち、リールのクラッチを切ってスプールを強く押さえる。

そして反対側の手でテンビンをつかんだら、軽く前方へ振り込むように投入する。

真下ヘボチャンと落とすとハリスがテンビンに絡みやすくなるので注意。

仕掛けの落下中はリールのスプールを軽く押さえ(サミング)勢いよく道糸が出ていかないようにする。

余分な糸フケが出づらく、周囲とオマツリするトラブルも減らせる。

道糸の出が止まって、穂先がポンッと跳ね上がったら着底のサイン。

糸フケを巻き取り底ダチを確認したら、道糸のマーカーを頼りにまずは1m巻き上げ、ここで1回コマセを振る。

コマセを振り出すときの注意点は、竿先を斜め下に構えた状態から水平まで持ち上げること。

水平から上へシャクリ上げると、竿先が戻るときに海中の仕掛けがボヨンとバウンドしてしまう。

底上1mで2回ほどコマセを振り出したら、竿先を下げた状態でもう1m弱巻き上げ、ここで1回コマセを振り出しアタリを待つ。

アタリを待つときの注意点は、シャクり上げた竿先が下がらないようにすること。

水平から上へシャクり上げたときと同様、竿先を下げると海中で仕掛けがバウンド、ハリスにもたわみができるので、コマセと仕掛けの同調が遅れる。

すると、アタリの出方も極端に遅くなると高槻さん。

コマセを振り出したあとに竿先を下げなければハリスは張った状態のままなので、コマセとも同調しやすく、アタリもすぐに出るという。
 
10~30秒ほど待ってアタリがなければ一度底まで下ろし、同じようにコマセを振り出してタナを取る。

これを2~3セット繰り返すとコマセがなくなっているはずなので、回収してコマセを詰め直す。

これが基本的な釣り方の一連になる。

投入の手順

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【隔週刊つり情報(2022年5月1日号)※無断複製・転載禁止】

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