東京湾に春の到来を告げるメバル釣りがベストシーズンを迎えた。
メバルは竿をギューンと曲げる引き込みが魅力で、今年も2月の解禁からパワー全開。
カサゴとダブル主役で「春告魚」の名に恥じない活躍ぶりを見せている。
2月26日に出かけたのは東京湾奥東大井の「いわた」。
同船では25cmオーバーの良型を交えてトップ40尾以上の良日も見られる。
シーズン初期は大型が期待できるのは根魚釣りの常識。
今日もデカいのが上がるだろうと期待に胸が膨らむ。
午前7時過ぎに桟橋に到着すると、すでにお客さんが全員そろっていて驚いた。
最近は密を避けて1隻18名までの予約制を取っているため、全員そろえば準備ができ次第出船するとのこと(通常は7時までに集合、7時半出船)。
船に乗り込むとすでに仕掛けがセットされた竿が船ベリに林立しており、皆さんの準備は万端の様子。
乗船者18名で定刻より少し早めの出船となった。
当日の釣行はベテラン船長が担当
当日はベテランの古高亘船長が担当。
メバル&カサゴが得意な船長だけに頼もしい限りである。
ちなみに東京湾のメバルは生きたモエビエサを使うことから〝エビメバル〟と呼ばれるのが一般的であった。
しかし近年は釣れてうれしいゲストとして人気のカサゴが多く交じるようになり、メバル&カサゴ乗合として出船する船宿が増えている。
同船も看板はメバルとカサゴのダブル主役。
ただし釣り方や仕掛け、エサは従来どおりエビメバル仕様である。
また同船はアジ&カサゴやアジ&キス、タチウオ&アジなど各種リレー釣りのリクエストも常時受け付けていて、色いろな魚を堪能したいグルメ派にも人気を集めている。
食うも食わぬも潮次第
東京湾のほぼ全域に生息するメバル、カサゴだが、同船が狙う釣り場は神奈川県側の川崎や横浜、本牧方面が中心。
護岸際や建造物の周辺、岩礁帯や根周りなどが好ポイント。
お気づきの方もいると思うがライトアジで狙うポイントに近い感じである。
シーズン初期は主に水深20~30m前後を狙うが、水温が上がるとともに10mを切る浅いポイントでも釣れ始め、お手軽度は日ごとに増していく。
古高船長が最初に選んだ釣り場は川崎沖の建造物周り。
良型の実績があるポイントだ。
釣り場は川崎~本牧沖、水深20~30m前後の護岸際や建造物周りを狙う
出典:
メバルもカサゴも煮つけサイズがすぐ顔を出したが、なかなか後が続かない。
ちょうど潮止まりと重なったこともありアタリが遠いようだ。
何カ所かポイントをずらして粘ってみたが、数尾追加したのみで船長は移動を決断。
しかし次に向かった横浜沖も2~3尾釣れただけで状況は変わらず。
ここもスパッとあきらめ、今度は本牧方面へ。
メバル釣りはアタリがなければ次つぎとポイントを移動するラン&ガンで攻める船長が多い。
古高船長もどんどん新しい場所を探っていく。
ポイントの引き出しをたくさん持つベテラン船長は、こんなときに頼りになる。
10時近くになり、そろそろ潮が効いて食い出すはず・・・と思っていたら、まさにそのとおりになった。
護岸際に沿って流し始めると船内あちこちで竿が曲がり、メバルやカサゴが次つぎと上がる。
アジやウミタナゴなども交じってにぎやかである。
前半戦の食い渋りから一転、魚の活性が上がったようだ。
カサゴは大中小と交じるがメバルは20~25cm前後の中型が主体。
このクラスなら引き味も十分堪能できるし、もちろん食べてもおいしいのは言うまでもない。
夕食は王道の刺身や煮つけでアフターフィッシングも万全だ。
心地いい引きに笑みがこぼれる
出典:
カサゴは大中小が交じる
出典:
早合わせは禁物
皆さんの竿先を見ていると、アタリが多くなったのが分かる。
しかし、そのわりには釣れる魚が少ない感じ。
どうやら強いアタリに驚いてビックリ合わせしてしまう方が多く、ハリ掛かりする確率が低いようだ。
メバルはビシッと強い合わせは必要ない、というよりしないほうがいい。
たとえハリ掛かりしたとしても周りの魚を散らしてしまうことになるからだ。
メバルは警戒心が強く臆病だから、仕掛けを速く大きく動かすのはNG!
竿先が引き込まれてから、ゆっくり竿を持ち上げれば向こう合わせでハリ掛かりする。
引き込んでからゆっくり巻き上げる向こう合わせが基本
出典:
誘いも速く動かすのは逆効果で、エサの生きモエビにおまかせ。
そのためにもていねいなエサ付けが大事。
海中でピンピン跳ねるモエビが一番の誘いになり、メバルもカサゴも飛び付くのだ。
本牧沖はどこでもメバルとカサゴが顔を見せるが、同じポイントを狙い続けると場荒れするので、船長は食い気のある場所を転々と探っていく。
この日は最後まで本牧沖を狙うと思ったが、意外にも午後になって移動した。
到着したポイントは通常はあまり狙わない場所らしく、それだけに再開すると船中でヒットが続く。
トリプルやダブルもありかなり活性は高いようだが、残念なことにサイズが今一つ小さい感じ。
これには船長も苦笑いで、再び本牧沖へ逆戻り。
その後は本牧沖、横浜沖、川崎沖と戻りながら釣っていき、14時半に沖揚がりとなった。
船中釣果は15~27cm級をトップが26尾。
スソの方は3尾であったが平均10~15尾ほど。
これから水温が上がるにつれ活性も高まり、さらなる釣果アップものぞめるだろう。
当日の釣果は一人15尾前後
出典:
釣り仲間とリフレッシュ
出典:
食い気のある群れに当たるとトリプルも
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知っ得!モエビエサの付け方
モエビは尾羽根を少しカットして切り口からハリを刺し、1節目のところから背中側にハリ先を出す。
内側だと丸まってダンゴムシ状態になるのでNG!
尾羽根を切りすぎてハリを深く刺すとすぐ弱るので注意しよう。
初心者は、希望すれば船長が釣り方やエサの付け方を出船前にレクチャーしてくれる。
エビが動かなくなったら交換しよう
出典:
Tackle Guide
竿は全長2.4~2.7m前後のメバル専用、もしくは2m前後のライトゲームロッドがおすすめ。
同船の船宿仕掛けは全長2.4mと1.8mの2タイプあるので、竿の長さに合わせてチョイスできる。
東京湾のエビメバル&カサゴ仕掛け例
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隔週刊つり情報(2022年4月1日号)※無断複製・転載禁止