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【平目】初釣り虎の巻(利喜丸/茨城県鹿島港)

隔週刊つり情報編集部

冬の茨城で一番人気といえばやっぱりヒラメ。

1月2日、初出船の模様を取材するため茨城県鹿島港の利喜丸を訪れた。
 
4時半になると初釣りを楽しみにしている常連さんたち、親子や兄弟で訪れた釣り客が集まり、新年を祝う松飾りと大漁旗が掲げられたヒラメ船は2隻出船と新年から盛況だ。
 
取材は大川紘嗣若船長が舵を握る船とし、5時過ぎに私を含めて18名の乗船客で出船。
 
港口まで出ると航海の安全と大漁を祈願して船を時計回りに3度旋回させる。

恒例の儀式のあと、穏やかな海を30分ほど走り到着したのは鹿島沖の水深25m前後。
 
仲乗りの大川直人さんから15cm前後のマイワシが配られる間、このポイントを選んだ理由について船長にうかがうと、「うちでは初出船で、数多くヒラメを釣った上位5名にお年玉プレゼントを差し上げています。お客さん全員に釣ってもらいたいから、0.5~1kgが主体ですが数が狙える場所から始めます」とのこと。

期待と不安の初出船。船中一番に釣るのは?

「それでは始めましょう。水深は25m。砂利底を流していくので根掛かりしにくいです。タナはオモリトントンで狙ってみてください。オモリは80号です。どうぞ!」
 
午前6時過ぎ、船長のアナウンスで2022年の釣りがスタート。

風を舷側に受けての横流しで探っていく。
 
だれよりも早く釣りたい人、いっぱい釣りたい人、大型を釣りたい人、1枚でいいからのんびり釣りたい人など、初釣りを楽しむ人たちの思いは十人十色。

そして、初釣りの1投目にはそんな釣り人の願いが込められているに違いない。
 
そんなことを考えていると、右トモ3番の佐々木信さんがリールを巻き始める。

直人さんが差し出すタモに収まったのは0.8kg級のヒラメ。
 
新年の初物を船中一番に釣り上げて初笑いした佐々木さんに話をうかがうと、「年末に釣り納めをする予定だったのですがシケで出られず、早く釣りがしたくて初出船の今日、息子と一緒に来ました。出船できてよかったし、初物を釣ることができてとてもうれしいです」
 
初ヒラメおめでとうございます! 

きっと思い出に残る正月になったことでしょう。

この勢いに乗り、次の流しでは左右のトモ側を中心に0.4~0.8kg級がポツポツと上がり、とりあえず1枚釣り上げてひと安心している様子。
 
日が昇ってからは、流し変えのたびに船中のあちこちでアタリがあるものの食い込みが悪く、かみ跡が付いたイワシが上がってくることが多い。
 
アタリがきてからじっくり食い込むまで5分くらい待っていた右胴の間の方が0.5kg級を取り込んだ。

「このサイズだとエサを食い込みませんね、なんとか顔が見られてホッとしています」

船の写真

早朝の鹿島港は初釣りを楽しみにする人たちでにぎわう

魚の写真

肉厚の寒ビラメが浮上

後半は大ビラメに期待のイワシ着き狙い

8時ごろ岸寄りへ移動し、鹿島沖の水深25m前後のポイントに到着。

「根周りを流していきます。根掛かりに気を付けて底から1mで狙ってみてください」とのアナウンスで再開。
 
最初の流しではヒラメが集まっている場所に差しかかったようで左トモ、右トモ、右トモ2番と立て続けに1kg級のヒラメ3枚が上がる。
 
3人に共通していたのは夜光カラーのオモリを使っていたこと。

なかでも右トモ2番の方は、この日のために各自夜光カラーのオモリを数種類用意して、「色いろなオモリを試しながら釣っていたのですが、ゼブラグローカラーが効いたようです」とニンマリ。
 
続いて、右ミヨシの阿部さんが0.6と0.8kg級を立て続けにキャッチ。

「ヒラメにエサを見つけてもらえるように、配られたエサの中から大きなイワシを選びました。ヒラメの目の前にエサが届くようにタナも底から50cmにしたんです」と狙いが見事的中したようだ。
 
ちなみに阿部さんはケイムラカラーを塗ったオモリを使っていて、船内にはほかにも赤や白のオモリを使っている方もいる。

オモリの色もアピールに影響していると言われるが、まさにそんな一幕だった。

10時過ぎ、全員が型を見たところでイワシに着いたヒラメを狙いに港近くの浅場へ移動。

「イワシに着いたヒラメは釣れると型がいいからね。反応あるよ、どうぞ!」との合図で投入。 
 
ここで私も一発大物狙いで竿を出す。

群れの中を泳ぐ大ビラメを夢見て、オモリを底から2m離して待つ。

イワシの反応が魚探にビッシリ映っているのでバリバリ釣れるのかと思っていたが、アタリは遠い。
 
ややあって右トモ4番の佐々木翔二さんが1.5kg級を釣り上げると、この1枚が福を呼んだのか、右ミヨシ2番の重山良和さんが当日最大となる2.5kg級を釣り上げた。
 
その後、私にはアタリがないまま11時半の沖揚がり、釣果は0.4~2.5kgを一人2~6枚。
 
大川利夫船長が操船するもう一隻のヒラメ船は、良型の顔こそ見られなかったが数に恵まれトップ8枚であった。

釣行の写真

左右の舷を入れ変えながら横流しで広く探っていく

釣行の写真

ヒラメが掛かったら慎重に巻き上げる

釣り人の写真

初釣りで竿頭となった佐々木翔二さん

当日のヒラメ仕掛け

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『平目・初釣り虎の巻』こまめにタナを取り直し、ポイントに合わせて釣る

佐々木翔二さんに釣り方のコツを聞くと、タナの取り直しはどんなポイントを探るときでも5分に1回の頻度で行っているとのこと。

こうすることでタナがズレてしまうのを防ぐことができ、同時に誘いにもなるという。
 
タナに関しては砂利底、根周り、イワシ着きとポイントごとに変えている。

当日は、

・砂利底・・・底上80cm
 
普段は底上50cmにして船の揺れでオモリが底をトントンたたくようにしているが、アタリが遠かったため船中1枚目を釣り上げた父・信さんのアドバイスをヒントに1分1回のペースで底をコツンとたたくよう少しタナを上げ、2枚のヒラメを釣り上げた。

・根周り・・・底上1.5m
 
根掛かりを避けるために少し高めのタナにする。タナを取り直すときは底ダチを取ってからゆっくり1.5m巻き上げる。これは誘いも兼ねていて、当日は見事にハマり3枚のヒラメを上げた。

・イワシ着き・・・底ベッタリ
 
砂泥底で根掛かりしないため、オモリが底を引きずるイメージで、カケ上がりでイワシを待ち構えているヒラメを狙って1.5kgをキャッチ。

釣行の写真

小さなアタリを逃さないため必ず手持ちで釣る佐々木さん

オモリの写真

根掛かりしにくい丸型のオモリを使っている

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