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福田豊起のアカムツ釣り教室【後編】

隔週刊つり情報編集部

今回のカレッジは、アカムツ釣りのエキスパート福田豊起さんが参加者に伝えた、一筋縄では釣れない「犬吠埼沖のアカムツ攻略」をお届けします。

【前編】はもうチェックしましたか?

犬吠埼沖のアカムツ攻略③

釣り場の傾向と対策・速潮、サバの猛攻、サメの横取りなどの対処法

速潮対策

先述したとおり、犬吠埼沖のアカムツの釣り方は、オモリを底に着けてゼロテンでアタリを待つのが基本。

しかし、当地のポイントは潮が速い場合が多く、釣っている間に200~250号のオモリが吹き上げられることもザラにあり、その場合は底に仕掛けをキープするために糸を送り出して再着底させる。

「道糸が払い出す側は比較的糸を出してもトラブルになりにくいのですが、船下に道糸が切れ込む側はコツがいります。糸を出しすぎると反対舷の人とオマツリしやすくなるうえ、船底にこすれる危険があるので、糸が斜めになりすぎたら20~30mくらい巻き上げて再着底させ、できるだけ道糸を立てるようにしてください」
 
速潮に二枚潮が加わり潮がよじれる日は、道糸が払い出す側もオマツリが増えるため、糸を送り出すとき方向や角度を見て、ほかの人の糸と自分の糸が交差しない範囲にとどめることが重要とのこと。
 
それでもオマツリが頻発する場合は、道糸を徐々に送り出し、糸の角度が急になったら、道糸が切れ込む側と同じように巻き落としを行い、できるだけ道糸を立てるようにしている。

速潮への対処法

サバ対策

犬吠埼沖はサバが多く、中層だけでなく底付近で頻繁に掛かるときもある。

しかし、アカムツとサバは同じ場所にいると言われており、アカムツとサバが一荷で釣れることも珍しくない。

サバが食っているときこそチャンスと信じて釣り続けることが大切とのこと。
 
福田さんのサバ対策は、ステップ1=エサがホタルイカとサバの切り身の抱き合わせの場合は、2本のハリのうち、上バリのサバを外してホタルイカのみにする。

ステップ2=2本バリともサバエサを外す。

ステップ3=アクセサリー類をすべて外す。

ステップ4=上バリを切り、下バリのみの1本バリにする。
 
サバ対策はエサを目立たせなくすることが肝心で、中でも1本バリ仕掛けが有効とのこと。

釣行の写真

道糸が払い出す側では、竿と糸の角度を90度くらいに保つと釣りやすい

横取りサメ対策

「底付近でエサに食いつくツノザメの仲間も厄介ですが、巻き上げ途中のアカムツを横取りするサメはさらに厄介者。せっかくのアカムツを取られるだけでなく仕掛けやオモリをロストすることもあります」
 
一度、味をしめて船に着いたサメは巻き上げ途中の横取りを繰り返す。

その場合、イチかバチかで高速で巻き上げサメをかわすのが唯一の対処法とのこと。
 
口切れしやすいアカムツゆえ、バラシのリスクがあるのは承知のうえ。

しかし、先述したとおり、アタリを感じてしっかり合わせれば、硬い上アゴにハリ掛かりして高速で巻き上げてもキャッチ率が高まる。
 
福田さんは、通常仕掛けを作るときはサバが多いときでも目立ちにくい回転ビーズを使っているが、サメが多いときは仕掛けの消耗が激しくなるため、部分補修がしやすい親子サルカン仕様の仕掛けに変更している。



「犬吠埼沖では速潮対策が重要です。しかし、道糸が立つほど潮が緩いこともあるので一筋縄では釣れません。ともすれば一度いい思いをした仕掛けや釣り方に頼りがちですが、何事も決めつけず、試行錯誤する心がけが本命獲得の近道です」と福田さんはアドバイスする。
 
当地のアカムツは5~6月がクライマックス。

皆さんにもぜひチャレンジしていただきたい。

釣行の写真

船下に道糸が切れ込む側では、竿を下に向け船底に糸がこすれるのを防ぐ

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隔週刊つり情報(2021年6月1日号)※無断複製・転載禁止

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