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松本圭一直伝!攻めのコマセダイ教室【前編】

隔週刊つり情報編集部

今回のカレッジ参加者は全員コマセダイ経験者。

ステップアップを目指し、マダイのヒット率を高める松本さんの「攻めの釣り」を学ぶ!

攻めの戦術その①ビシを素早くタナまで上げて魚の警戒心を解く

まず最初に松本さんが強調するのは「船下にマダイが入りやすい場」を作ること。

産卵期のマダイは警戒心が強く、ことさらビシ(コマセカゴ)の存在を嫌う。

その対策としてカレッジ参加者にこうアドバイスした。

「コマセを振り出す位置までビシを下ろしたらすぐ切り返して、手早くコマセを振ってタナまで上げてください。チームワークでマダイを寄せましょう」

通常はハリスが潮になじむのを数秒待ってからコマセを振る。

けれども短時間であれ、頭上近くにぶら下がるビシを警戒して、マダイが船下に入ってこないことがあるらしい。

スムースにマダイを寄せるためには、速やかにビシをマダイの視界から遠ざけること。

そして当たり前ながら指示ダナにきっちりそろえること。

これを乗船者全員が心がければマダイも安心して船下へ入ってきてコマセを食べ、付けエサにヒットする確率も高まるという考え方だ。

ちなみに魚磯丸の松﨑船長も、マダイが神経質になる乗っ込みシーズンはこの手法をすすめている。

ハリスが潮になじんでないのにビシを素早く切り返すと、テンビンに絡みやすくなるんじゃないか? と思ったけれど、アームがストレート型で引っ掛かりの少ないL型テンビンなら意外に平気。

松本さんも腕長50cmほどのL型テンビンを愛用している。

攻めの戦術その②重い仕掛けでマダイの頭上に付けエサを高速落下

次に松本さんの仕掛けの構成を見てみよう。

原形は4号サイズのサルカンをハリスの中央に介した2段テーパーなのだが、加えて2カ所にガン玉とカミツブシが打ってある。

まず2Bのガン玉をサルカンの直上、つまりハリス全体の中央に打つ。

底潮が速かったり、付けエサをより速く沈めたいときは3B、あるいは2Bを2個付けすることもあるそうだ。

さらに下ハリスの真ん中付近にサイズ1号のカミツブシ。

上下に移動できるよう軽く止め、下ハリス全体をナチュラルにフカセたいときは上に(サルカン側へ)ずらし、付けエサを下方へ沈めたいときはハリに近いほうへ移動。

付けエサが漂うレンジを上下にずらしてアタリの有無を見る、実に細やかな調整法だ。

松本さんによると、そのメリットは3つある。

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☆重い仕掛けの有効性とは?

1・仕掛けが立つのでハリの位置を把握しやすい。

2・付けエサがスピーディーに沈むから、コマセに寄ってきた食い気のあるマダイを直撃できる。

3・ノーマルな仕掛けよりも速く沈むので、結果的に手返しもペースアップし、ヒット率も高まる。

このガン玉を打った仕掛けを、松本さんは「重い仕掛け」と呼ぶ。

対するノーマルタイプは「軽い仕掛け」だ。

「エサ取りが多くて手返しを早めたいときでも、軽い仕掛けはタナを取って潮になじむ時間を長めに取らなければなりません。でも、重い仕掛けはその半分で済むだろう・・・と想定して釣っているんです。例えば手返しのサイクルが、軽い仕掛けで3~4分とすれば、重い仕掛けは2分に短縮できる。タナに付けエサを入れる回数が1.5~2倍に増えれば、エサ取りの中に交じるマダイとの遭遇率もアップする。そういう考え方ですね」

うーん、まさしく攻めの釣り!

参考までに松本さんが使用するテーパー仕掛けのハリスの比率は5:5。

今回のカレッジは全長12mを基準とし、上ハリス(元ス)は4号6m、下ハリスは3.5号6m。

前記のとおりハリをフカセるか沈めるかは下ハリスのカミツブシの位置で調整し、本人いわく「3段テーパーっぽい仕掛けです」とのことだった。

釣り具の写真

(左)サルカンの上(元ス側)にガン玉2Bを打つ。状況次第でもう1個追加することもある。(右)下ハリスの真ん中に1号サイズのカミツブシ。上下に動かせるように軽く止めている。

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攻めの戦術その③コマセのそばに重い仕掛けを素早く落とす

重い仕掛けは、松本さんの一連の釣り方にも深くかかわっている。

カレッジ当日は「タナ下10mからコマセを振ってタナまで素早く上げる」という指示。参加者の皆さんはセオリーどおりロッドを大きく振り上げてコマセを幅広く振り出していたのだが、松本さんは全く違った。

タナ下10mから1m刻みでチャッチャとコマセを3回振り出し(つまり幅3m分)、あとは一気に指示ダナまで巻き上げてロッドキーパーへガチャリ・・・。

「コマセを広くまくよりも、狭い範囲で固めてまく。そしてその近くへ、素早く自分の付けエサを入れる。そのほうがヒット率は上がると思います」

ここで活躍するのが重い仕掛けだ。

固めたコマセのそばにスーッと素早く沈んで寄り添い、コマセで浮いてきた食い気まんまんのマダイを一撃!というイメージになる。

だからといってコマセのドバまきはせず、FLサイズのコマセカゴに半分程度の量だ。

松本さんいわく「お腹の大きい産卵期のマダイは飽食させちゃいけません。短時間で満腹になって食いが落ちますから」とのこと。

ちなみに松本さんのコマセカゴはステン缶だが、放出口の調整はしていない。

というのも計3回のコマセ振りで全部出し切ってしまうからだ。

タナ取り後、20~30秒待ってアタリがなければ誘いに移る。

上図右側はその一例で置き竿のまま3~4m巻き、上方から1m刻みでタナまで落とし込む。

リールのクラッチをオン&オフ、またはリールの前から道糸を引き出してもOK。

反応が浮いてこなければ竿を手にして、竿先をゆっくり下げて落とし込んでもいい。

重い仕掛けのコマセ→タナ取り→誘い動作

釣行の写真

松本さんはこの構え方でコマセを振り出す。シャクったらフォースマスター600のタッチドライブで1m巻き上げ。これを3回繰り返す。

【後編】はこちら!(※5月3日11:30に公開します)

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【隔週刊つり情報(2021年5月15日号)※無断複製・転載禁止】

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