
落とし込みは効能あり!?激渋マダイを陥落せよ
いよいよ3月。 関東、東海、日本海などでコマセダイを楽しむマダイフリークの皆さんも、そわそわし始めるころだ。 とりわけ異常な豪雪が続いた日本海側は雪どけが待ち遠しく、お腹を空…
隔週刊つり情報編集部前回ののマダイ特集で「読者の方がたにもご協力をあおぎながら、効果の是非を探ってみたい」と提言させていただいた、略称・6B落とし込み釣法の続編である。
反響をいただくにはまだ時間がかかるだろうし、まずは自らが率先して検証を重ねなければと、今回は駿河湾の沼津内浦湾で実釣してみた。
その前に、改めてこの釣り方の要点とイメージを記しておこう。
ただしあくまでも実験段階、確立されたメソッドではないので皆様からの異論反論、アドバイスなどをいただければうれしいかぎりだ。
コマセダイ仕掛けの長ハリスに、6Bのガン玉(号数換算すると0.6号相当)を打つだけ。
ガン玉を打つ位置はハリから30cm上に固定して、検証を繰り返している。
ガン玉の位置を上下にずらすことでエサバリの動きや浮遊感は変わるはずだが、そこまで手を出すと頭が混乱すること必至。
それは後々の研究課題として封印し、ひとまず「30cm上」を基準にデータを取っていくことにした。
余談ながら6Bのガン玉を使い始めたきっかけは「たまたま釣りバッグの中に転がっていた」から。
特別な理由はない。
昨年12月、相模湾江ノ島沖のマダイ釣りで当初セットしていたテーパー仕掛けがオマツリでグチャグチャに・・・。
ウエイトスイベルを介して作り直すのも面倒なので「ハリスを立てるのが目的なら、重めのガン玉でいいんじゃない?」と、バッグの隅で眠っている6Bのガン玉を使ってみたら2.7kgが釣れてしまった。
ガン玉一つでマダイを食わせることができるとしたら、テーパー仕掛けの「謎」と言ってもいいスイベルの重さや、モトスとハリスの比率などで悩む必要がなくなるかも・・・ということで試釣を開始したのである。
なぜに6Bサイズなのか?理由はそこにたまたまあったから・・・である。
ゴクスペ(Gokuspe) Gokuevolution Samothrace コマセ真鯛 270cm
指示ダナの3~5m上方からひたすら落とし込みを繰り返して、マダイを誘う。
キーポイントになるのはその速度。
今のところ、リールから道糸を引き出しながら1秒間隔で30~50cmずつ落とし込んでいる。
この落下速度は、けっこうハイペース。
通常の仕掛けであればハリスがたるむばかりで、エサバリはその場においてけぼりになってしまうだろう。
一方、6Bのガン玉を打った仕掛けは早いテンポに合わせてスッ、スッ、スッと沈んでいく。
さらにエサバリはガン玉を支点にして、スッと舞い上がってはフワリと漂う動きを繰り返していくはずだ。
このスピーディーな落下速度と一風変わったエサの動きが、マダイのアタリを誘発するのではないか?・・・そんな風に想像しながら様子を探っている。
サクサクと素早く落とし込めるから、例えば5分ペースで手返しする間に落とし込みを3~4回繰り返すことができるのもメリット。
攻めて食わせる感覚がグンとアップして、気分も高揚する。
デメリットとして考えられるのは、ロングハリスのフカセ効果が失われることだろう。
しかし、それ以上に長所と感じているのは「エサバリの位置」を的確に把握できること。
6Bのガン玉に引かれてほぼ垂直にハリスが立つので、落とし込みの最中、どのタナで食ってきたかが明確に分かる。
うまくすれば周囲の人より高めのタナを狙い撃ちし連発!なんてこともあるかもしれない。
通常の仕掛けは底潮の緩急でハリスがたなびく角度が変わり、エサバリの位置が不明瞭になりがち。
そのモヤモヤ感がガン玉一つでクリアになるなら、私はそちらを選ばせていただく。
(左)ドラグを緩め、リールの前から道糸を引き出して落とし込む。ナギなら置き竿で行えばいい。(右)波などで仕掛けの上下動が気になるときは、竿を手にして安定させ、道糸を引き出していく。
とまぁ曖昧な表現をちりばめつつも「6B落とし込み釣法」を推すわけは、初回に続いて実釣した三浦半島葉山沖と久里浜沖でも釣れたからである。
いずれも中~小型が1枚ずつながら、半数の人がオデコをくらう食い渋りの状況下でのありがたい釣果だった。
しかし単なる偶然&勘違いという恐れも十二分にある。
4回目を数える今回の沼津釣行は戦々恐々、そろそろズッコケてもおかしくはない。
2月末に乗船したのは静浦港の真成丸。
そんな心境のこちらとしては高橋判船長に自信を持って説明できず、ほか11名の同船者にも語らずじまいで、一人静かに試釣を開始した。
釣り場は内浦湾北西部の千本浜沖。
時期的には乗っ込みシーズンの1~2歩手前なので、冬期ポイントの水深85~105mの深場攻めとなる。
タナは海面から70~90mの範囲。
ハリスは「全長10mをベースにその前後でご自由に」とのことだから、付けエサを底上5m付近に漂わせるイメージだ。
「いい反応、浮いてきたよ!」
早朝、高橋船長からいきなりの熱いアナウンス。
魚探を覗くと、たしかにマダイの単体反応らしきが上ずってきている。
しかしなぜだかアタリは遠く、30分もすると底に張り付く渋い反応に変わってしまった。
時どきロッドを引き絞るのはアジやマサバ。
とくにアジはサイズがよく、近年関東ではあまりお目にかかれない40~45cmの大型ばかりだ。
ただし肝心のマダイはその合間にポツンと食ってくる程度。
30~40分に1枚のペースで右舷ミヨシ、左舷胴の間、右舷トモと単発で食ってきてサイズは0.5~0.8kgキロが中心。
右舷トモで上がった1.5kgがいつも以上に大きく見える状況で、ギリギリ取材成立という感じ。
マダイを手にした人に釣り方を確認してみると、ほぼ全員が「置き竿で待っているときに食った」とのことで、誘っても反応しないらしい。
「朝一の反応は大ダイっぽかったよね。あれが食わなかったのが痛いよねぇ」
船長のぼやき声が聞こえてきたころには残り2時間を切っていた。
そこそこ撮影も終えたので、以降は左舷ミヨシ3番の釣り座にかじりついて6B落とし込み釣法に本腰を入れる。
今回もハリから30cm上に6Bのガン玉を打ち、試釣をスタート。
タナ下5mからコマセを2回振り出し、まずは指示ダナに合わせてハリスが張るまで1分待つ。
続いて電動で5m巻き上げ、ドラグを緩めて指示ダナまでサクサクサクサクとハイペースで落とし込む。
この操作を4往復も繰り返すと約5分が経過、迷わず高速で巻き上げて手返し。
サクサクサクサク、ギューン、サクサク・・・。
きっと両隣の方は「うわっ、その落とし込み方は速すぎでしょ」と怪訝に思っているに違いないが、ひたすら同じテンポをキープ。
1時間後、ツンとアタってギューンときたのは40cmのサバであったが、それから数投目、上から2m落とし込んだところでコツンときてグンと突っ込んだ。
重量感はさほどない。
けれども頭をコクコク振るマダイっぽい引き。
アジやサバに化けないよう祈りながら慎重に巻き上げ、ハリスをたぐると少しずつ青白い影が見えてきた。
「・・・タイ、ですね」
仲乗りさんがスパッとタモ取りした瞬間サクラ色にきらめいたマダイは、0.7kg。
決して大きくはないものの、三度目ならぬ四度目の正直の壁を打ち破るうれしい1枚だった。
当日の釣果は0~1枚の船中6枚、半数の方がオデコに泣く厳しい一日。
唯一、奇妙なくらいニコニコしていたのは私だけだった。
でも、わずか1枚では「この釣り方が云々」なんて自慢話を吹けるわけもなく、マスクで見えないのにしっかり口をつぐんで、そそくさと下船した。
左舷トモで上がった1.5kgのマダイは膨らみつつある卵を抱えていたから、3月半ば以降は乗っ込み第一陣の動向に注視していただきたい。
今回の食い渋りは嵐の前の静けさといったところで、例年よくあるパターン。
待望のXデーは必ずやってくるはずだ。
気になるのはサクラ咲く乗っ込み本番に、6B落とし込み釣法が効くのかどうか。
折を見てどこかで試釣し、結果をご報告するつもりである。
落とし込みで食った1枚。といっても0.7kgだけど。
沖揚がり間際、右舷ミヨシ2番で1kg超えが浮上。
真正丸の船着き場は、静浦港内の北側岸壁。
船中6枚中4枚は0.5~0.8kg。反応あれど大ダイは口を使わなかった。
右舷大ドモで上がった1.5kgが当日最大。
【隔週刊つり情報(2021年4月1日号)※無断複製・転載禁止】
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