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ヤリイカの達人はなぜたくさん釣れるのか?

隔週刊つり情報編集部

やってきましたこの季節、今年も春のヤリイカは各地で快調。

目標ツ抜けと言いながら、頭の中ではいつでも多点掛け。

これぞ捕らぬタヌキの皮算用。でも、それでこそ釣り人です。

さあ、達人の多点掛けの技を盗みましょう!

達人・久保田誠一さん

年間を通して勝山港・萬栄丸に通う常連。

隔週刊つり情報では2018年に「休日にヤリイカを100杯以上釣る方法」で登場、取材時に16投で100杯超えを記録した。

クボタプロセス経営、千葉県在住の50歳

核心から入ろう。
 
ヤリイカをたくさん釣るには、ツノ数の多い仕掛けを使いこなすことが条件。

そのためには場数を踏んで慣れる必要があるが、同時に、扱いやすい仕掛けを作ること、自分なりの動作を確立させることが大切だ。

久保田さんのヤリイカタックル&仕掛け

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13本ヅノは四隅の席・胴の間は10本ヅノまで

達人・久保田誠一さんが「釣れる理由」のひとつが仕掛けの工夫。
 
ヤリイカの当たり年であった3年前は19本ヅノまで増やした久保田さんだが、現在は13本ヅノ仕掛けを使用している。

席による目安としては、13本ヅノ仕掛けは、船の四隅に入るときのみ使用。

●胴の間ではツノ数10本まで
 
これは久保田さんと萬栄丸にかぎらず、オマツリ軽減を考慮する際の目安ともいえる。
 
久保田さんは3年前の当たり年には19本ヅノ仕掛けで100杯台を連発、現在は13本ヅノで60~70杯台。
 
そう考えると、胴の間で釣る場合は10本ヅノで40~50杯を目標としてみるのもいい。

いかにヨレない仕掛けを使うか

久保田さんのヤリイカ仕掛けの最大の特徴は「回転ビーズ接続」。
 
ツノ数の多い仕掛けでのトラブルの大半が手前マツリ。

この手前マツリの原因のほとんどが、幹糸のヨレだ。
 
回転ビーズを使うと幹糸・ハリスのヨレが劇的に軽減されるため、確実に投入器にしまいさえすれば、手前マツリを防ぐことができる。

これはイカが乗れば乗るほど顕著だ(※船によっては回転ビーズ接続の仕掛けを禁止している場合があるので注意が必要)。
 
加えて、幹糸は8号と太め。

しかも回転ビーズ式はヨレないため、使い回しできる。

「ハリスは毎回交換しますが、幹糸は切れるまで何回でも使います。乗りには影響がありませんと、久保田さん。
 
ハリス(枝ス)は、ヤリイカ仕掛けとしては長めの20㎝。

ツノの稼働幅が大きくなる分、誘い、バラシ防止双方の効果が期待できる。

こちらはヨレたら躊躇せず交換していく。

なお、3年前はツノ数本分ごとに幹糸をサルカンで接続していたが、現在は使っていない。

理由は投入器への収まりが悪いためだ。

いざ回転ビーズ式の幹糸を作ってみると、10本ヅノ仕様でも全長13m以上の糸を扱うことになり、ビーズを止めるために8の字結びでコブを作るのに大変難儀する。

その際の作り方のアイデアが下図。

ヨレをこまめに取るのがコツで、試してみたところ私(沖藤)もこの方法で楽に作れるようになった。

ぜひ、お試しを。

釣り人の写真

(上)絡んだ仕掛けもハリスとツノを外して幹糸は再利用する(下)土日の釣行で5組ほど持参。だいたい一日1~2組

久保田さんの回転ビーズを使う幹糸作成法

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オモリが着いたら速やかに離して誘う

タックル図にある中オモリはツノの踊りをよくすることと、沈降速度を早めるのが狙い(ツノ数の多い仕掛けは沈むのに時間がかかる)で、決して仕掛けをタルマセるためではない。
 
投入後は電動リールの糸送り機能ONの状態で竿先を海面に向け、アナウンスされた水深に近づいたら糸送りをOFF、スプールに軽く親指を当ててさわりの有無を探りつつ着底させる。
 
オモリが着底したら、糸フケを取りつつ竿先を下げ、しっかりとシャクり、乗りを見る。

マルイカ釣りのようにオモリを底に着けて待つことも、ゼロテン状態にもしない。

釣行の写真

(左上)竿を水平まで強くシャクって誘う(左下)そのまま大きく誘い上げて、ストンと下ろしながらハンドルを巻く。これがイカが乗るまでの誘いの基本(右)海底まで20mのところからは糸送り機能をOFF。さわりの有無に集中

久保田さんの釣り方基本形

基本的な誘い方は上図のとおり。

図中①の竿を水平に起こす動作は力強く、合わせと誘いを兼ねる。
 
図中②は乗っているか確かめながら仕掛けを持ち上げ・・・
 
図中③で落としながらリールのハンドルを巻く。
 
これを底から10mほど繰り返し、再び海底に落とす。

2セットほどで10m巻き上げて「巻き落とし」を行うのだが、仕掛けの場所を大きく変えたいときには30mほど巻いてから落とし直す。

1杯乗せたら追い乗り狙いソフトでもしっかり動かす

前記の基本的な釣り方でヤリイカが掛かったら、ここからが本番、追い乗り狙いのスタートだ。
 
この際、最初に乗ったイカがバレやしないか心配になるかもしれないが、1杯目は仕掛けの近くにイカがいる合図みたいなもの。

久保田さんはバレても仕方ないと割り切っている。
 
具体的な追い乗り狙いの誘い方は基本釣法の動作を小さく、ていねいにしたものだが、久保田さんの動作を実際に見ると「すごく積極的に動かしている」と思う。
 
上に誘う際は竿をグイッとしっかりと曲げつつユッサ、ユッサと揺するように動かしながら、毎回、または時折、リールのハンドルを巻く。
 
言葉にすると「ソフトでもしっかり」動かす感じ。

なんだか食パンのキャッチコピーみたいだが、ようは強く、小さく、ていねいなのだ。
 
海底から10mほどの高さまで誘ったら、リールのクラッチのON/OFFだけではなく、ドラグを緩めて竿先を上げて道糸を出し、竿を下げて落とし込む。
 
1杯目が底で掛かれば上へ10m、5mで掛かれば上に5mのち落とし込み、といった感じで、片道、往復、1往復半、2往復と、粘って追い乗りさせる。
 
どれだけ粘ったか「粘り度」として久保田さんに無理やり聞いてみたところ、答えは概ね片道=粘り度3、1往復=粘り度5、1往復半=粘り度8、2往復以上で粘り度10と思われた。
 
どれだけ粘るかの目安は、

★1流し1投入→粘り度8前後

★1流し2投入可能→粘り度3~5

★1流し2投入以上→粘り度8前後

1流し1回なら、時間いっぱい追い乗りを狙う。

2回入れられそうなら、必要以上に待たない。

それ以上の場合は潮もほどよく反応もいいはずなので、どんどん粘って多点掛けを狙っていく。

久保田さんの追い乗り狙いの誘い方

【バレるイカはバレる?】

①いい位置に掛かっているように見えるが②仕掛けが揺れた拍子に触腕掛かりになり③墨とともに勢いよく噴射して逃亡

取り込みは下写真のように、ツノを右手に持ったら左手でイカをつかんで外してから幹糸を引き上げ、右手のツノを投入器にしまってから、次のツノ(またはイカの付いたツノ)をつかむ。
 
つまり、必ず投入器にツノをしまいながらイカを取り込む。
 
久保田さんの取り込みはとにかくトラブルがなく確実性が高い。

だからこそ、追い乗りで多点掛けも狙えるし、全投入をこなせる。
 
ゆえに、達人はヤリイカをたくさん釣ることができる。
 
かくして話は冒頭の「核心」に帰結する、というわけだ。

【取り込みは速度より確実性】

巻き上げは毎秒1mが目安で、ナギであればドラグはしっかりと締め込んでおき、波が高く船が上下動する日は船が持ち上がった際にドラグが滑る程度に設定する。

取り込みの写真

①左手で幹糸をたぐり上げ右手でツノをつかむ②左手でイカを外し・・・③左手でマットにイカを置いて・・・④左手で幹糸をつかんで持ち上げつつ、右手のツノを投入器にしまう

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隔週刊つり情報(2021年4月1日号)※無断複製・転載禁止

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