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ラストチャンスをモノにする!キハダ必釣Q&A/激闘!

隔週刊つり情報編集部

相模湾でキハダラッシュ!

20~40kgは当たり前、50~60kg以上のモンスター級が多くのキハダ・カツオ船で上がっている。

過去にこれほど大型のキハダが釣れ盛った年は例がなく、いわゆる流し込みで入れ食いになる日も増えている。

そこで今回の特集ではモンスター級を視野に入れ、8月1日号「キハダ専用ロッドプレゼント」のアンケートで読者の皆さまから寄せられたキハダのコマセ釣りにまつわる知りたいことや、「なぜ?」と思う疑問に答える「キハダ必釣Q&A」をお届けします!

どんな仕掛けで釣ればいい?

相模湾のキハダ仕掛けの基準はハリス20~30号だが、当地のキハダ・カツオ船では、キハダがヒットするとほかの人は全員仕掛けを上げてファイトを見守るのがルールで、ほとんどの乗合船ではファイトタイムは20~30分以内が目安となり、その時間を超えたときはハリス切れ覚悟でドラグをぎっちり締め込んで巻き上げる(船によっては船長がたぐってサポートしてくれる)。

釣れているキハダのサイズが20~40kg級の範囲なら、ほとんどの場合はハリス20号で制限時間内に上げられる。

しかし、今年は想定外に大型が多いため、例外的に30分以上かけて取り込むケースもあるようだ。

多くの船で上がっている50~60kg級を視野に入れて終盤戦に挑むならハリスは26~30号。

本誌にたびたび協力してもらっているキハダハンターの鶴巻修司さんは、28号で57kgと52kgを一日で2本釣り上げており、いずれもファイトタイムは30分弱。

ある程度キハダ釣りの経験があればハリス26~28号で勝負できるはずだ。

キハダとのファイトに自信がない初心者であればハリス30号がおすすめ。

太仕掛けを信じて、強めのドラグ調節(6~7kg前後)でガンガン引き上げ、ファイトタイムの制限時間内に釣り上げたい。

仕掛けは長めの6m。

それ以上長い仕掛けを使う人もいるが、サメの襲撃がつきまとう流し込みでは、長い仕掛けをたぐり込むうちに、船下に潜むサメに横取りされるリスクが高まるのでおすすめしない。

ハリも太いハリスに合わせて大きめを使う。

相模湾で実績の高いハリを例にすると、環付きタイプはインターフック「ジャイアンとキハダマグロ」18号、がまかつ「オキアミマグロ」20号、タタキバリはオーナーばり「閂キハダX」16~18号などが該当する。

(左)キハダが大型化するシーズン終盤はハリス24~30号の太仕掛けで勝負!(右)竿は全長1.7~2m前後のキハダ専用竿や泳がせ用ワンピースロッド、リールはキハダとのファイトで体力の限界を感じたときに頼りになるパワフルな大型電動がおすすめ

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★1度の釣行で準備する仕掛けの数の目安は、ハリス24号もしくは26号を予備も含めて5組、ハリス30号1~2組、長さはいずれも6m。

テンビンは構造がシンプルでトラブルが少ない固定式の片テンビン、ハリの結び方などは仕掛け図に明記したバックナンバーを参照していただきたい。

また、シーズン後半に増えるトラブルの一つが道糸の高切れ。

今使っているリールでオマツリしたことがある人は道糸の傷を再点検。

傷やケバ立ちを見つけたら、10mの色変わりでカットして先端処理をしておこう。

釣り方に迷ったらどうする?

キハダの釣り方は大きく分けて、「追っかけ」と「流し込み」、2つのパターンがある。

釣り方に迷う人のほとんどが、この2つのパターンがあることを知っていても、タナの取り方など具体的な釣り方についてはあいまいな場合が多い。

それぞれの釣り方をおさらいしよう。

シーズン終盤は流し込みで深いタナを狙う。タナ取りの基本はコマセ釣りのワラサやマダイ釣りとほぼ同じだ

追っかけ

追っかけは群れの進行方向に先回りして投入する。

指示ダナはおおむね海面から30m以内。

群れの移動が速い1流し1投のケースでは、合図と同時に投入し、手早くオキアミコマセを指示ダナに集中して厚くまき、こちらに突進してくる魚群の眼前に仕掛けを止めて迎え撃つ。

コマセをまいてから20~30秒が勝負で、移動中にエサ付けなどを済ませて投入に備えることが大事だ。

流し込み

流し込みは、パヤオ(浮魚礁)周りや瀬の縁辺などキハダのより所となる場所に狙いを定め、海面から40~70mと深めのタナを狙って船を流していき沈んだキハダをコマセで浮かせて食わせる。
 
常にタナにコマセを効かせるイメージで手返しを行うことが大切で、タナに合わせて待つのは2~3分が目安だ。

「追っかけ」と「流し込み」、いずれのパターンでキハダを狙っているのかを判断する目安としては、1流し1投で船が頻繁に移動するときは追っかけ、30分以上の大流しなら流し込みと思ってほぼ間違いない。

とはいえ、状況によっては、一日の中で追っかけと流し込み2つのパターンで狙う場合もあるから、判断に迷ったら船長に聞くのが一番だ。

流し込みの釣り方イメージ

流し込みは、キハダが 船下にとどまるときと船の周りを泳ぐ場合がある

9月下旬現在、相模湾のキハダ・カツオ船は、早朝はカツオを狙って群れを追いかける場合があるものの、キハダに照準を合わせたほとんどの船は流し込みで狙っている。

前述したように、流し込みはコマセを目当てに船に寄ってくるキハダを狙うのだが、大きく分けて「群れが船下にとどまるとき」と、「船の周りをグルグル泳ぐ」場合の2通りのケースがある。

群れが船下にとどまるケース

【写真①】魚探に映ったキハダの反応指示ダナ50m、60~80m付近にキ ハダの反応が出た

群れが船の下方に定着すると、上下に泳ぎ、オキアミを捕食する姿が魚群探知機に映し出される(写真①)。

この場合、頻繁に変わる指示ダナについて、キハダが10~20m下方でコマセで浮く食事を奪おうと泳ぐ。

船下に群れが留まる場合、キハダの行動に合わせて指示ダナを頻繁に変えることが優先。

アタリがない場合、しばらく待った後、タナから5mだけ巻き上げて穏やかに誘うと効果があることもある。ただし、指示ダナよりも下に仕掛けを落とすことは絶対に許されない。

指示ダナよりも下を探りたいなら、ハリスを8mほど長くすることを考慮しよう。

群れが船の周りを泳ぐケース

【写真②】ソナーに映ったキハダの反応船から20~30mの周囲にキハダの反応が出た

写真②のソナーの画面に、指示ダナとほぼ同じ宙層で様子をうかがうように船の周りをグルグル泳ぐキハダの反応が出ている。

流し込みで指示ダナが一定のときがこのケースで、その場合はタナを合わせた後や、「反応が出てるよ!」、「入ってきたよ!」などとアナウンスが出たとき、仕掛けを動かさずに待つほうがアタる確率が高いようだ。

流し込みで大事なのは、タナを取るときはリールのカウンターに頼らず、道糸の色変わりとマーカーで水深を確認して正確にタナに合わせること。

これはキハダに限らずコマセ釣りの基本だが、流し込みでタナがバラバラだと船の下方にとどまる魚が浮いてこないうえ、船の周りを泳いでいる群れが船下に入ってこない。

乗合船では船中一丸となって指示ダナを守ることもキハダ獲得に欠かせない条件なのだ。

なお、キハダ・カツオ船で使えるオキアミコマセの量は規則で一人3kgまで。

コマセカゴに入れるオキアミの量を半分くらいにするなどして、途中でコマセがなくならないようにセーブしよう。

バラさないための対策は?

ハリがカンヌキに掛かればキャッチ率が高まる

ハリス30号を使ってもキハダの硬い歯に当たればひとたまりもなく切れる。

バラさないためには、まずはキハダのカンヌキ(口角)にハリを掛けることが条件だ。

カンヌキに掛ける一番の方法は、竿を手に持って待ち構え、何かしらの変化があれば合わせるスタイル。

アタリにしっかり合わせを決めれば高確率でカンヌキに掛かり、ゆえにキャッチ率が高まる。

キハダのアタリの出方は、コツンとかググッと明確なアタリもあれば、モゾモゾしたり、フワッと竿先が軽くなるようなこともある。

竿先には出ない微かな変化を見逃さないためには、竿を手に持ち、指先に伝わる感触と視覚の両方でアタリを感じ取ることが重要なのだ。

置き竿での瞬殺を軽減

置き竿でバラすときの一例とバラさないための対策

しかし、重たい大型電動リールの付いたキハダタックルを、一日手に持ってアタリを待ち構えるのは体力的に厳しいという声も多く、できれば置き竿でキハダを釣りたいという人もいる。

そこでご覧いだきたいのが下図に示した置き竿でバラすときの一例と、置き竿でバラさないための対策。

置き竿にウネリや波は大敵だ。

波で持ち上がった船が下がり、仕掛けがたるんだときにキハダが食いついても竿先にほとんどアタリは出ない。

食った魚が動いてアタリが出た時点で、飲まれたハリが喉奥に掛かり、魚が疾走した途端に硬い歯にハリスが当たって切れる。

これが俗にいう「瞬殺」の一例。

その置き竿で瞬殺を軽減する対策は二つ。

一つは、船の上下動をかわして仕掛けを落ち着かせるために、長めでしなやかな置き竿対応のキハダ専用竿を使うこと。

二つ目は、ハリを飲まれてもカンヌキに掛かる確率が高いムツバリ系のキハダ専用バリ、がまかつ「オキアミマグロ」などを用い、置き竿でも合わせが効くようにあらかじめドラグ調節を5kg前後ときつめにしておく。

ハリ掛かりした後はドラグを少し緩めて走るだけ走らせ、魚が止まったら再びドラグをきつめに締め、大型電動リールのパワーにものをいわせ、キハダに主導権を与えず一気に巻き上げる。

付けエサの大粒って何cm?

(左)写真上のオキアミが5~6cmの大粒、下は4cm前後のレギュラーサイズ(ほぼ原寸)(右)タタキバリのキハダ専用バリ、オーナーばり「閂キハダX」16号に、大粒、レギュラーサイズのオキアミをそれぞれ1匹掛けにした状態。大粒はハリの大きさとバランスが取れているが、レギューサイズでは厳しい(ほぼ原寸)

キハダ釣りで使用するエサはオキアミで、その際はコマセも一緒に使う。

理想とされているエサは、身の崩れにくさと丈夫さを兼ね備えたキハダ専用の軸太バリに刺せる大粒のオキアミ(3Lサイズ相当)だ。

だが、その大粒なオキアミ(3Lサイズ相当)が具体的には何センチメートルほどなのかは、目測で5センチメートルくらいではないかと仮説が立つものの、詳しい実測データはない。

したがって、相模湾のキハダ・カツオ船の愛好者に人気のオキアミ「マル金オキアミ・ラージサイズ」を、頭から尾までの幅を基準にして計測したところ、大部分が5~6センチメートルほどで、残り2~3割ほどが4センチメートル前後であった。

(左)付けエサ用のオキアミをステンレス製の容器に移し、氷を敷いた小型のクーラーボックスや発泡箱で保冷するとキンキンに冷える(右)写真上が「マル金オキアミ・ラージサイズ」、下が「奇跡の海老・3L」。奇跡の海老の原料はシロエビだが、大粒ぞろいで相模湾で実績が高い付けエサの一つだ

付けエサ用の大粒オキアミのサイズ表記は2L~3Lサイズ、もしくはラージサイズなどで、基準はメーカーによって様ざまなようだが、ほとんどの商品の大粒オキアミの見た目はマル金とさほど変わらないので、大粒の目安は5~6cmと言えそうだ。

ちなみに、釣房商店では付けエサ用に加工した原料のオキアミの中から、手作業で大粒のものを選別しているとのこと。

エサ専門店が苦労して集めてくれた貴重な大粒オキアミをクーラーボックスで保冷して鮮度を保ち、海中で崩れないようにていねいにハリに付けよう。

なお、付けエサは一人1箱あればおおむね足りるが、乗船後にコマセ用のオキアミを解凍し、その中から大粒を集めれば20匹くらいは拾えるはず。

またグループで釣行する場合は、二人分として3箱購入し、一人あたり1.5箱に分けて使うと安心だ。

マグロリングは本当に効く?

マグロリングは漁具の一つ。

マグロを取り込むとき、道糸にリングを通して投入すると、左写真のようにマグロの頭にリングがはまり、エラぶたが押さえられて魚が弱るという仕組み。

シーズン後半になると増えるサメ対策のアイテムとして、相模湾のキハダ・カツオ船では6年ほど前からマグロリングが使われるようになった。

(左)30kg級のキハダに直径18cmのマグロリングをはめた状態(右)写真左上から、大洋ベンダーズ「スーパー鮪キャッチャー」、サニー商事「マグロッ!リング」、写真下の二つはキハダハンダーが自作したリング

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水深100m以浅で待ち構えるサメの襲撃をかわすには、いかにサメゾーンを素早く巻き上げられるかにかかっているのだが、残り20~30m付近でキハダが船に気づくと抵抗して上がらなくなることがある。

ここが最も危険、もたもたしているとサメに横取りされる。

サメの気配があるときは、残り100m付近でリングを投入(100m以内で魚が止まれば即投入)。

リングが魚の頭にハマると驚くほど巻き上げが楽になり、その後はほとんど抵抗しないでキハダが上がってくる。

キャッチ率を高めるうえでマグロリングは有効だ。

マグロリングは各自が持参するのが基本で、サメの気配の有無にかかわらず使う人もいる。

また船によっては船長が貸してくれることもあり、今年上がった60kg以上のモンスター級はマグロリングを使ったケースもあったようだ。

しかし、リングがハリに引っ掛かるとハリが外れるリスクがあるうえ、魚を弱らせて巻き上げるのはフェアではないという理由からマグロリングを使わない人もいる。

マグロリングは市販品も豊富で、サニー商事「マグロッ! リング」は18、22、25cmの3サイズ。

大洋ベンダーズ「スーパー鮪キャッチャー」は15、18、22cmの3サイズ。

リングのサイズは50kgオーバーを視野に入れるなら22cmだが、予想より魚が小さいとリングがエラぶたを越えて胴体にハマり効果が得られない。

釣れたキハダの持ち帰り方は?

最後の質問は読者の皆さまから寄せられた中で一番多かった「キハダの持ち帰り方」について。

釣る前から持ち帰ることを心配しているあたり、さすが釣り師、実は私もそうでした!

キハダの保管場所と氷について

カツオやキメジは各自が用意したクーラーボックスと氷で保管するのが基本だが、キハダが入る100L以上の大型クーラーを全員が船に積み込むことはスペース的に難しいため、ほとんどの船がキハダ用の保冷箱や大型クーラーボックスなどを用意している。

氷については、キハダ用の氷を積んでいる船が大半だが、保管場所のみで氷は各自で用意する場合もあるので釣行時に確認しよう。

(左)写真はキハダ保管の一例。魚を釣り座の下の保冷スペースに入れ、キハダ用に積んであるペット氷と海水を入れて保管する(平塚港の庄三郎丸にて)(右)30kg級のキハダも節に取ればそれほどかさばらない

キハダの持ち帰り方

キハダが釣れたら、40~60Lのクーラーボックスで対応できる、帰港後に解体して持ち帰る方法がおすすめ。

30kg級のキハダは頭と尾を落とせばダイワ、シマノの横長タイプの60Lのクーラーボックスに収まる。

また、4つの節に取れば40Lのクーラーボックスでも大丈夫、50Lなら頭と中骨(尾は落とす)もスッポリ収まる。

自分で解体するのが難しい人は、キハダの解体を無料、もしくは有料で頼める船宿もあるのでお願いしよう。

なお、解体を受けていない船宿もあるので釣行前に確認していただきたい。

キハダを丸ごと持ち帰りたい場合は、イグローなど100L以上の大型クーラーボックス、もしくは「マグロバッグ」などと呼ばれるソフトタイプの保冷バッグを利用する。

ほとんどのマグロバッグは防水インナーバッグが付属しているので、キハダと氷を入れて保冷する。

インナーバッグに防水機能がない場合は、ペット氷、もしくは氷をジップ付きのビニール袋などに入れること。

自分でキハダをさばけない人は解体をお願いできる船宿へ!

取材した平塚港の庄三郎丸はキハダ1本1500円(ビニール袋付き) で4本の節に解体してくれる

(左)ビニール袋に4つの節を入れた状態(右)50Lのクーラーボックスなら、節取りしたキハダの身を入れても余裕があり、頭と中骨も収まる。氷を加えて保冷して持ち帰ろう

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【隔週刊つり情報(2019年10月15日号)※無断複製・転載禁止】

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