私にとってアカムツは難易度の高い釣り物の一つであるが、一度釣って味わってからやみつきになってしまった。
孫たちを連れて里帰りしてくる娘夫婦にアカムツの炙り刺しを食べさせようと5月4日、相模湾真鶴港の富丸の午後船へお邪魔した。
ゴールデンウイークなので渋滞の時間を見越して早めに出発し、11時に真鶴港に到着。
午前船のお客さんと入れ替わりで左舷トモに入った。
12時15分、3名の釣り客を乗せて出船。
航程20分でポイントに到着。
「水深260m。タナは底から6~7m。海底は起伏が激しいので、根掛かりに注意しながら釣るように」と船長からのアナウンスでスタート。
仕掛けは船長おすすめのテンビン仕掛け。
指示ダナが底から6~7m上と高く、その層で誘って食わせる釣り方に合っているとのこと。
2本のハリに持参したホタルイカを1杯ずつ付けて仕掛けを投入。
着底したら数回底ダチを確認し、道糸が立ったところで6m巻き上げてタナを取る。
少し待ってから竿先を高く持ち上げて5秒止め、エサを自然に漂わせるイメージでゆっくり元の位置まで竿を下げる。
この誘いを3回繰り返してアタリがなければ底ダチを取り直して、再び6m巻き上げる。
一連の動作を繰り返すもアタリはなく、同じポイントで流し変えとなる。
上アゴにハリ掛かり
釣り開始から1時間、突然その時はやってきた。
誘いを入れて底上6mで待っていると、竿先を押さえ込むようなアタリ。
素早く合わせを入れ、手巻きで10m巻いてから電動リールの中速で巻き上げる。
ドラグを緩めて巻き上げ途中の引き込みをかわし、残り5mで竿をキーパーに掛けてリールを巻く。
仕掛けをたぐり寄せると、海面にボンヤリと赤色の魚影が浮かび上がる。
「アッ、アカムツだ!」と思わず声を上げてしまった。
タモ取りされた後検寸33cmのアカムツを見ると上アゴにハリ掛かりしている。
即合わせが功を奏した証拠である。
その後、アタリは遠のき10分ほど移動した水深210mで再開となる。
しかし潮が速くなり仕掛けが吹き上げられるため全長5.7m3本バリの胴つき仕掛けに交換する。
着底後、1m巻き上げてしばし待ち、ゆっくり竿を上げ下げして誘っていると久しぶりのアタリ。
途中の引き込みはなく、スンナリ上がってきたのは定番ゲストのシロムツ。
その後は流し変えのたびにドンコ、ギンメダイ、ユメカサゴが釣れ上がるが、とうとうアカムツは姿を見せることはなく17時半に沖揚がりを迎えた。
思い返せば、胴つき仕掛けで釣れた魚はすべて下バリだった。
本命のアカムツは底上6~7mを遊泳しているのだから、下バリは低層を泳ぐゲストの格好の餌食になる。
完全にタナ取りのミスで、次回への反省材料とした。
翌日は、当初の予定どおり娘夫婦にアカムツの炙り刺しを振る舞うことができた。
ところが一番好評だったのが、孫たちのために作ったドンコとシロムツの煮つけ、あっという間にたいらげてしまった。
釣り自慢のじいちゃんとしては複雑な心境である。
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隔週刊つり情報(2023年6月15号)※無断複製・転載禁止