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[出会いを求めてフラリと釣行。カマちゃんの船宿探訪(第29回)]ゆるりとコマセ釣りを楽しめる東伊豆伊東港の人気船宿 村正丸(村正丸/東伊豆伊東港)

隔週刊つり情報編集部

釣り物多彩な東伊豆。

そんな中でマダイやイサキなど、コマセを使った釣り物を得意とするのが伊東港の村正丸。

村上大輔船長の釣らせる腕前と人柄のよさで、多くのファンが集まる人気船宿だ。

プロフィール

カマちゃん◆釜井 昌二(かまいしょうじ)

柚子が大好き。

アトリエぷらりおさかなイラストレーター。

A.T.LAB フィールドアドバイザー。

釣行の写真

頼りになる村正丸の村上大輔船長、釣り人を案内して早15年になる。

「汗っかきだから、いつも巻いてるんだ」そう言って、トレードマークのねじり鉢巻をキュッと締めたのは、マダイやイサキを始めワラサやシマアジ、カイワリなど、コマセ釣りで釣らせることを得意とする東伊豆伊東港、村正丸の村上大輔船長。

とりわけ良型が多く、食べては美味な当地のイサキに胸を張り、春から夏の数カ月はイサキ釣りを看板に掲げる。

「元もと一本釣り漁師なんです。だから釣らせることはもちろんですが、自分で釣ることも得意ですよ」と話すとおり、操船だけでなく、釣りの腕前がピカイチなことでも知られる。

数年前には本誌で村正丸のマダイ攻略を紹介した特集記事が組まれ、村上船長の独特な釣法が話題に上ったこともある。

面倒見のいい兄貴分の船長

村上大輔船長は昭和51年2月生まれの45歳。

ヤンチャな少年時代、伊東で名立たる漁師だった祖父の背中を見て育った。

好漁に沸いていた祖父のサバ棒受け網漁船に乗って御蔵島まで出向いたのは小学校3年生のとき。

朝早く起きて市場の水揚げの手伝いをしていたのは中学生のころ。

釣りや潜りが好きだったが、このころにはサーフィンにも目覚め、海とはますます強い絆で結ばれていった。

だから、自ら選んだ職業は、やはり漁師だった。

最初に就いた仕事は宇佐美の巻き網漁船。

そこで3年働いた後に祖父の棒受け網漁船へ移り、そのころから船外機付きの小型漁船で一本釣り漁を開始。

根周りでマダイやイサキなどを釣り、小遣いを稼いだ。

人に使われることが嫌だったこと、自分で船を持ちたかったこと、そして何より漁師としての野心が強かったから、25歳のときに船を買い、キンメダイの一本釣り漁師になった。

当時はキンメダイの資源が豊かで、2kg級がゾロゾロと釣れ上がり順風満帆にも思えたが、年々水揚げは減少。

そこで遊漁にも参入して、半漁半遊漁で生計を立てるようになった。村上船長が30歳、今から15年前のことになる。

経験のない客商売だったが、いざ始めてみると肌に合ったようで、次第に釣り客が増えていった。

いい風に乗って、平成25年には3代目村正丸となる12tの船を購入。

広びろとした釣り座で10名までの釣り人を受け入れ、もてなしている。

そもそも漁が好きだから、数年前までは勇んで漁にも出ていたけれど、釣り人からの予約が増えた昨今は遊漁船だけで生計を立てている。

面倒見がいいこと、ゆるりと釣りを楽しませてくれることが受けて、「伊東に行くならハトヤ」ならぬ「東伊豆に行くなら村正丸」という釣り人が確実に増えた。

釣行の写真

日の出とともにハトヤ前で実釣開始

釣行の写真

竿をギューンッと絞り込むファイトがワラサ釣りのだいご味

釣行の写真

当日は3kg級が中心 だったがひと回り大きいサイズも回遊している

釣行の写真

痺れるファイトで腹太のワラサが釣れ上がった

多彩なゲストも魅力

この秋は「マダイ&シマアジ」がメインの釣り物だったが、時節柄ちょうどワラサの回遊があって、取材に訪れたこの日はワラサ五目での出船。

ポイントは港を出てすぐのハトヤ前。

ていねいな注意事項のアナウンスの後に、「タナは海面から40mちょうど」と指示が出て開始。

ややあってレンタルタックルの方が竿を大きく曲げ、3kg超級のワラサをゲット。

その後はカイワリやマダイ、マアジを交えてポツポツとワラサが釣れ上がる。

ハリス切れやオマツリでのバラシが多かったものの、潮止まりでアタリが止まるまでにトップの方は7打数4安打で4本のワラサに加え、3.6kgのマダイまで釣り上げた。

「この秋は時折、良型のスマが交じるんです。あれは本当にうまい!」と船長が太鼓判を押す回遊魚が釣れたり、昨年あたりから増えているというシマアジに期待が膨らんだりと、最近の伊東沖は話題が尽きない。

また、メイチダイやイシダイといった外道がよく交じるのも当地のコマセ五目の魅力で、多様な魚種との出会いにも期待できる。

さて、村正丸で午前の釣りを済ませたら、船着き場からほど近い所にある「らぁめん伊山」へ。

ここは村上船長の親友が営むラーメン店。

豊富なメニューに悩まされるが、さっぱり系が好みの私は結局「あぶりゆずしょう油」で決まり。

スープまでペロリと完食した。

晴天&ナギの海上、ラーメン、そして海岸沿いの爽快なドライブ。

村上船長、楽しい時間をありがとうございました。

釣行の写真

バラした後のうれしい一本

釣行の写真

船長からヤリトリをアドバイスしてもらいながら2本ゲット

釣行の写真

カイワリは当地でよく交じる定番ゲスト

釣行の写真

コマセカゴはステン缶MサイズまたはプラビシLサイズまで、オモリは80号

釣行の写真

(左)粒がいいから付けエサはコマセの中から十分拾える(右)状況に合わせてハリスの太さを調整するといい

釣行の写真

バラシに泣きながらも2本釣り上げた

釣行の写真

ハリス7号に食ってきた3.6kgのマダイ

釣行の写真

(左)ズドーン、ドン、ドンと3本ゲット(右上)貸し道具で本命ゲット(右下)良型アジも交じっていいお土産に

釣行の写真

らぁめん伊山のあぶりゆずしょう油ラーメン。潮風を浴びた後は余計にうまい

船宿information

村正丸

090・7033・6003

URL: http://www.muramasamaru.com

● 予約乗合。定休日なし。

● 釣り座は予約順で船長の指示。

【船宿アクセス】

●車/小田原から国道135号を下田方面へ南下し、伊東市街へ。

海側にセブンイレブンと牛丼の吉野家がある交差点を左折して、突き当りを右折。

50mほど進んだ先が荷下ろしする船着き場の路肩。

●電車/JR伊東線伊東駅から海沿いの国道135号方面へ抜けて海岸沿いを南下。

その先は車と一緒。駅から徒歩18分。

※午後船は電車釣行可。また、近隣に素泊まりの民宿などあり。

受付から下船までの流れ

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