テンビンには腕が1本の片テンビンと、腕が2本ある両テンビンがあるが、現在の沖釣り仕掛けで使われるのはほぼ片テンビン。
ハリスを漂わせて狙う釣りで多用される。
コマセを使わないシンプルな片テンビン仕掛け
テンビンを使った仕掛けはコマセを使うものと使わないものに分けられるが、第二章で紹介するのはコマセを使わない片テンビンの仕掛け。
基本構造は至ってシンプルで、片テンビンにオモリをぶら下げ、腕の先に出したハリスに1~2本の枝スを結ぶパターンが多い。
接続強度が要求される仕掛けは少ないので、ハリやサルカンへの結びは外掛け結びやユニノットなど、簡単な結びができれば大丈夫。
枝スの出し方には色いろあるが、ハリスから直接枝スを出す場合は、手軽な8の字結びでほぼ間に合う。
深場の釣り物などは糸ヨレを防止するため、親子サルカンなどを使って枝スを出す。
片テンビンあれこれ
一口に片テンビンと言っても、腕の太さ、長さなど色んな種類がある。
釣り物に合ったテンビンを選ぶことが大切になるが、大まかにコマセを使わない釣りには形状記憶製ではなくステン製の、腕が硬いタイプを使用したほうがいい。
オニカサゴなどに使う腕長50~60cmの大型テンビン
出典:
(左)シロギスやカレイに使う腕長15cm前後の小型テンビン(右)タチウオやアマダイに使うチドリ型のテンビン
出典:
枝スの出し方①8の字結び
シロギスやカレイなどの小物釣りでは、枝スはおおよそ1本。
強度もそれほど必要ないし、仕掛け全長も1m以内がほとんどだから、8の字結びで手軽に作れる。
枝スの出し方②深海結び
アマダイやオニカサゴなど、深場を狙う魚の場合はハリスのヨレを抑えるためにクレン親子サルカンなどで枝スを接続することが多い。
その際は端糸が余分に出ない深海結びを覚えておくと何かと便利。
沖釣りにおけるリーダー(先糸)の役割
先糸とは道糸と仕掛けの間につなげる糸のこと。
現在はリーダー(ショックリーダー)と呼んだほうがしっくりくるかもしれない。
細いPEを使うライトタックル系の釣りでは主に道糸のショック切れを防ぐのが役割だが、カワハギやカサゴ釣りのように根の荒い場所を攻める釣りでは道糸の根ズレ防止に、アナゴ釣りでは釣り上げたアナゴが道糸に絡み付くのを防止するためにリーダーを付けたりもする。
道糸とリーダーの結び方は様ざまあるが、まずはどの結びでもいいから、確実にしっかりと結べる方法を身に付けておくことが肝心。
ここではチチワの連結でだれでも簡単にできるループ to ループを紹介しておく。
ループ to ループ
隔週刊つり情報(2020年11月1日号)※無断複製・転載禁止