今のマルイカってゼロテン釣法じゃなきゃ釣れないんでしょ?
道具もないし、難しそうだからやめとくわ・・・というあなた、ちょっと待った!
今年のマルイカなら大丈夫、ちょっと違うユル~い釣り方でもキャッチできるぞ!
熱く本気のマルイカゼロテン教室の後は、ちょっとコーヒーブレイク。
マイペースでのんきに遊ぶマルイカ釣りのお話である。
ゼロテン釣法に挑んでみたものの集中力が続かない、竿先を見つめすぎて寄り目になってしまう、難しすぎて頭痛に襲われる・・・といった症状が見られる方はぜひお試しいただきたい。
釣果目標はトップの半数。
ボチボチ乗ってくれたらそれで十分という「ゆるマル」スタイルだが、好模様が持続している今シーズンは意外に数がのびる日もある。
決して侮れないのだ。
使う仕掛けは直ブラ式(直結+直ブラ含む)とブランコ式。
スッテは5本もあればいい。
いずれもスッテがサビキ状に連なる構造で、掛かったイカが外れにくいのが長所となる。
以下にそれぞれの特徴と釣り方を記していくが、初めて知る方はフレッシュな目で、ご存じの方はおさらいのつもりでご一読を。
直ブラ式
着乗りも期待できる気楽な仕掛け
ネーミングは直結仕掛けに近いブランコ仕掛けという意味で、枝スが1cm前後と極端に短く、タタキを入れるとシャカシャカとスッテが振れ動いてマルイカにアピール。
スッテは3~5cmのシンキングタイプをセットする。
図にはひとまず直結+直ブラのミックス仕掛けを描いたけれども、もちろんすべて直ブラでもいい。後述するブランコもそうだが、楽に釣りたいゆるマル派には欠かせない「ブッ込み着乗り、多点掛け!」が期待できる仕掛けの一つなのだ。
竿はゼロテン対応という表記のない普通のマルイカ用。
1.5~1.8mの7:3~8:2調子で、オールラウンドとか宙釣り用と記してある製品だ。
ほか、似たような仕様のゲームロッドも使用できるが、竿先が軟らかく繊細で、マルイカの小さなアタリが視認しやすいタイプが理想的だ。
続いて釣り方。
先述のとおり、この仕掛けにマルイカが乗る一番のチャンスは着乗りだ。
ゆるマル派とはいえ、最初の投入くらいは船長のアナウンスに合わせて素早く行い、群れが通過しないうちに着底させよう。
乗りがいい日はこの着乗りだけで2点、3点と掛かって腕前無用のマルイカ釣りが満喫できることもある。
着乗りしなければ1m巻き上げ、小刻みにタタキを入れてマルイカにアピールしてからピタリと静止。
竿先の動きを注視しながら10~15秒待ち、波の揺れとは違う変化を感じたら小さく鋭くキュッと合わせる。
迷いは禁物、空振りを怖れず積極的に合わせていくことが、少しでも数をのばすキーポイント。
タタキと止めを3回くらい繰り返しても反応がないときは、1m刻みで3m上まで探る。
こうして少し浮いたイカをリサーチし、よくアタるタナを見つけ出していく。
定期的に20mほど巻き上げて再着底させる巻き落としもお忘れなく。
仕切り直して着乗りを狙っていくとても効果的な誘いの一つだ。
なぜか足切れやチップのバラシが頻発するときは、おそらく合わせのタイミングが遅い。
その対策を擬音で表現してみると、ク、クン、ククンで合わせていたところを、最初のクで合わせにいくとガッチリ掛かることがある。
ちなみに、はっきり分かる引き込みが続くほどバラしやすい。
状況を想像すると、スッテを振りほどいて逃れようとするマルイカの足先にカンナがちょこんと引っ掛かった状態で、イカ墨ジェット噴射をビュンビュン繰り返しているのだろう。
掛かりが浅いここで合わせても、時すでに遅し。
バラシを減らすためには、スッテを深く抱き込んでいるはずの「初期のアタリ」で合わせていくことだ。
仕掛け
直結+直ブラの釣り方イメージ(宙の釣り)
(左)部屋の片隅に眠っている往年 のマルイカスッテやウキスッテ でも、今シーズンは十分釣れる(中)ミックス仕掛けは、 直結や直ブラ用のリー ダーを組み合わせて作 ってもいい(右)マルイカ釣況がいいせいか、 市販のブランコ仕掛けや直ブラ 仕掛けは品薄状態だ
出典:
まずは「着乗り」に期待。直ブラやブランコは、イカが抱き付けさえすれバレにくい気楽さがいい。
出典:
ブランコ式
電動タックルでも気楽に遊べる
究極のゆるマル釣法といっても過言じゃないのが、これ。
疲れたら置き竿にして放っておいてもポツポツと乗ってくることがある。
枝スはやや長めの20cm、スッテは浮力のある5cm前後のウキスッテをセットして、潮に乗せてフワフワと漂わせるイメージで釣る。
合間に織り交ぜる誘いは10秒間隔のシャクリと、幅のあるゆっくりとした聞き上げ。
それに適した竿は全長2m前後、7:3~6:4調子のゲームロッドになる。
タタキなどの激しいアクションも行わないので小型軽量の両軸リールにこだわる必要もなく、小型電動リールを組み合わせてもまったく問題なし。
巻き上げ、移動、投入を頻繁に繰り返していくマルイカ船で、体力的にこれほど楽な釣り方はないだろう。
マルイカが乗ってくる一番のスイートスポットは、やっぱり着乗り。
オモリが着底したら、フワリと漂うウキスッテの動きを生かすイメージで、ゆっくりと糸フケを巻き取って多点掛けを狙う。
食い気のあるマルイカの大群に当たればズシズシ乗って、5本スッテにパーフェクトという最良の場面もある。
乗ってこなければ底から1m巻き上げて誘いを開始するが、とくに難しいテクニックはなし。
短いストロークで鋭くシャクってストンと戻す。
そのまま10秒静止し、またシャクる。
この繰り返しが基本だ。
乗りが悪ければ、1m刻みで底から3mまで探ってみるといい。
静止中にアタリを感じたらキュッと合わせていくが、まったく変化を感じなくても定期的にシャクっているだけでドシッと掛かる。
それもまた、この釣り方の長所の一つだ。
反応はあるのに乗りが悪いときは、ジワジワと聞き上げてみよう。
上昇するスッテを追いかけてアタリが出ることも多く、少しでも変化を察知したら即合わせで掛けていく。
時どき置き竿にして、休憩がてら波まかせでアタリを待つもよし。
電動リールなら、底上3mまでデッドスローで巻き上げては落とす操作を繰り返しているうちに、マルイカが乗ってくることもある。
ブランコ仕掛けの釣り方イメージ
ゼロテンをしのぐ想定外の結末に
さて、ハウツーを語った後は現場取材。
6月中旬に乗船したのは内房勝山港の萬栄丸である。
直結+直ブラのミックス仕掛け担当はつり情報営業T女史、ブランコ担当がつり情報N発行人。
いずれ劣らぬユル釣り師だが、ゼロテン派が半数以上を占めたこの日、トップとどれほどの差がつくのだろう?
「うはは、ブランコで頭を狙うさ!」
顔馴染みの岩崎一好船長にいつもの調子でフキまくるN発行人、その横でゲラゲラ笑うT女史。
二人して老眼の目を細めてガイドに糸を通し、N発行人に至っては準備中にブランコ仕掛けがバラけてグチャグチャに。
あまりにもユルすぎる。
終日流した釣り場は富浦~波左間沖の水深60~90m付近。
曇天小雨の予報が外れてピーカンになったせいか、反応あれどもなかなか乗らないし、着乗りもほぼ皆無。
ゼロテン派の面々もポツリポツリと苦労して乗せる状態が終日続くことになったが、そんな日だからこそなのか、興味深いことが起きた。
その主役は左舷ミヨシ2番でゲームロッドと超小型電動リール(買ったばかりのフォースマスター200)を操る、ブランコ仕掛けのN発行人。
シャクリの合間に織り交ぜるスローな聞き上げにマルイカがよく反応するらしく、アタリを察した瞬間、ゲームロッドを頭上まで立てて電動巻き合わせ。
こうしてゼロテン派に終始追随、残り30分で頭一つ抜け出し21杯のトップ確定。
次頭は左舷トモのゼロテン釣り師で18杯だった。
「ホントは10杯釣れりゃいいと思ってたのに、こんなこともあるんだな」
すごいぞオレ、といわんばかりにニヤけっぱなしのN発行人。
一方のT女史は5杯止まりだったが「あはは、あたし着乗りで楽しむタイプなんで」とどこ吹く風。
しかしまあ全体で1~21杯、アベレージ7杯前後の当日としては、しゃべって食べてのユルい釣りでもそこそこ釣れることは証明してくれた。
また、今回の取材でゼロテン釣法の盲点もチェック。
「底から5~8mに反応が出てるよ~」とアナウンスされる流しが何回かあって、そのときに限ってアタらない人がいたのである。
聞けばその大半の方がゼロテン一筋の方で、浮いた反応であってもオモリを底に着けっぱなしだったようだ。
しかし8mも浮いた反応となると、たとえツノ数を1~2本付け足しても群れの核心に仕掛けを当てられない。
だからアタリが少なかったのだろう。
かつては宙の釣りに親しんでいた人も、ゼロテンに慣れてしまうとオモリを底から浮かせると不安になるのか?けれども状況に合わせて宙の釣りも駆使したほうが好結果につながるんじゃないかと、考えさせられる一日でもあった。
懐かしきエロチカ5のプランコ仕掛けで快調 に数を重ねたN発行人
出典:
疲れたら置き竿で一休み。これができるのも強み
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イカが浮いているときは捨て糸を1.5mプラスし、合計3mの高足式にしてみるのも一手
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スイートスポットにスッテが入って、着乗りでござ~い!
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酒豪T女史おすすめ『ネギマヨぶっかけマルイカ』
つり情報営業T女史の名はケイコ、またの名をウワバミおけい。
つまり酒好き、肴好き、そんな酒豪が簡単に作れるマルイカのおつまみを教えてくれた。
名付けて“お酒が止まらないネギマヨぶっかけマルイカ”である。
「マルイカを下処理し、サッとボイルして輪切りに。そこにたっぷりのネギとマヨネーズ、七味か一味を振って、好みでしょう油かポン酢をかければでき上がり。口の中でこれらが相まって、お酒もご飯もいくらでも進むのよ~」
これは当日帰宅後の酒のあて、冷たいビールが進む一品だ。
後日、残りのマルイカでたっぷりとイカ飯を作ったそうだが、いうまでもなくその材料はN発行人から奪い取ったものである。
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【隔週刊つり情報(2021年7月15日号)※無断複製・転載禁止】