10月1日、外房のヒラメ釣りが全面解禁となった。
中でも多くの船宿がひしめく大原は今後のシーズンを占う意味でも大切なエリア。
気になるその模様は、2~3㎏級の良型交じりでトップ5枚以上とまずまずの手応えで今年も期待できそうだ。
タックルについては下図のとおり。
取材でお世話になった外房大原港・初栄丸の勝見雅一船長によると、「底をしっかり把握することが大切です。
ノーマルはオモリ80号、ライトであれば40号を基準に底が分かりにくいときは60号も使って、しっかり底ダチを取ってください」とのこと。
外房のヒラメは魚影が濃く、今シーズン期待は大!
出典:
ヒラメ基本仕掛け例
底を切ってアタリを待つ・底上1mが基本
ヒラメ釣りの基本についてうかがうと、
「底を切ってアタリを待ちます。捨て糸やハリスの長さによっても変わってきますが、基本はオモリを底から1m上げます。潮が濁っているときは50㎝でいいでしょう」
タナ取りは、仕掛けが着底したら糸フケを取り、竿先を海面に向けたままオモリが底をトントンたたくのを確認。
そして竿先を水平に持ち上げれば、底から1m上にオモリがくる。
海底の起伏に合わせてまめに底を取り直すことも大切。
オモリが底を引きずると根掛かりやオマツリなどの原因になるので気を付けたい。
アタリがきたら軽く竿先を下げてしばらく待つ。
なかなか食い込まないのがヒラメ釣りの常とはいえ、食い込ませようと竿を下げすぎてオモリが底に着くと、根に擦れているのかアタリなのか判別できなくなるので注意したい。
合わせの目安は、ひときわ強い引きがきたとき。
ヒラメがエサを飲み込んで海底に戻ろうと反転すると竿先が大きく引き込まれるので、竿をゆっくり大きく持ち上げるようにしてハリ掛かりさせる。
ヒラメが掛かったら竿の弾力とリールのドラグで引きをいなしながら一定の速度で巻き上げる。
ポンピングするとハリ穴が広がってバラシにつながるのでやめたほうがよい。
駆け足でヒラメ釣りの基本を紹介したが、釣果に直結する要点は、前述した「底を切ってアタリを待つ」ことと、これから解説する「エサ付け」だ。
(左)イワシを強く握るとウロコがはがれて弱ってしまうので優しく包むようにつかもう(右)初栄丸では足元のオケにイワシが配られるので、エサ付けするときはザルを使いそっとすくい上げる
出典:
船長に聞きました・エサの付けのコツ
(上)初栄丸では親バリが口掛け、孫バリが背掛けをすすめている(中)親バリを上アゴ先端中央の硬い所にハリ先を抜く(下)背ビレの後方に孫バリを打つ
出典:
イワシを弱らせないよう素早くエサを付けよう
エサ付けは焦らず優しく。
暴れるイワシをギュッと握るとウロコがはがれてぐったりしてしまう。
目を隠すように軽く包み込むとおとなしくなるから試してみてほしい。
船長いわく、「なるべく弱らせないように素早く付けるのがコツですが、こればかりは数をこなして慣れていきましょう」
ハリの刺し方は親バリは口掛けと鼻掛け、孫バリは背掛けと腹掛けの2通りがあるけれど、イワシを弱らせないことがなによりも大事なので自分が付けやすいほうでいい。
初栄丸では親バリを口掛け、孫バリは背掛けをすすめていて、「孫バリを腹掛けにすると親孫間のハリスのたわみがイワシの下側になり、根ズレすることもあるので背掛けのほうが釣りやすいと思います」と船長。
ウロコが落ちないように優しくつかみ、まず親バリを上アゴ先端中央の硬い所に刺す。
ハリを刺す位置が中央からズレれると、海中でイワシの姿勢が安定しないそうだ。
孫バリは背ビレの後方へ浅めに掛ける。
そのイワシに負担をかけずできるだけ元気に泳がせるには、親バリと孫バリの間隔が大切。
親孫間が長いとたわみが大きくなり、その分の抵抗が大きくなるので、イワシの動きを妨げてしまう。
そのためイワシに合わせた親孫間の調整が必要となる。
そこで次ページからは親孫間の調整方法を探ってみた。
投入のしかた
投入はイワシと仕掛けを海面に放ち、イワシが真っすぐ泳いでいるかを確認してから仕掛けを下ろす
出典:
BEGINNER'S MISSION・ビギナー近田のミッション・ヒラメ仕掛けを色いろ試し親孫間を調整してみた
仕掛け作りにはハリス6号、親バリがチヌ6号、孫バリにイセアマ10号とトリプルフック8号を使った
出典:
ヒラメの仕掛けを作るとき、皆さんは親孫間はどうしてますか?
当日エサのイワシが配られるまで分からないから迷いませんか?
ここではそんな悩みを抱える私が解決策を探ってみました。
ヒラメ仕掛けを自作すると、まず悩むのが親孫間の長さ。
ヒラメ釣りを始めたころは市販仕掛けを使っていたこともあり、それを見本にして約14㎝の親孫間で作ったりもしたが、エサの大きさとマッチしないこともあって気になっていた。
ヒラメ釣りに使われるイワシは大きくて20㎝前後、小さい場合には12㎝前後と幅があり、季節や釣り場で異なるケースが多いのだ。
ヒラメを釣るには元気よくイワシが泳ぐていねいなエサ付けが大切。
そのためにも親孫間をイワシに合わせるのが理想的なのだが、船上で結び直す余裕もなく、エサの大きさにかかわらず14㎝のまま使っていた。
(上)当日配られたイワシは真ん中の18~20㎝が中心だった(下)船上で孫バリを結ぶとき(写真上)は、親バリからハリスを25㎝ほど伸ばしておくと結びやすい
出典:
親孫間をイワシに合わせるには、親、孫バリどちらかを船上で結ぶ
そこで次のステップとして、今回は船上で親孫間を調整することに挑戦!
方法は二つ。
孫バリをあらかじめ結んでおき、現場で親バリを結ぶ方法(以下親バリを船上で結ぶ方法)と、親バリを先に結んだ仕掛けを用意し船上で孫バリを結ぶ方法(以下孫バリを船上で結ぶ方法)だ。
ちなみに親バリ移動式も試そうとしたのだが、結びが複雑で今回は断念。
いきなり揺れる船上で結ぶのはあまり自信がないので、まずは自宅で試してみる。
親バリを船上で結ぶ方法は、たとえば親孫間を14㎝で作成するならば、孫バリから14㎝の位置でハリスをハリ軸に添え、小物結びをする。
ところが本線と端糸を引いて結びを締めようとするとズレが生じ、14㎝にならない。
何度も繰り返していくうちに精度を高めることはできたが、実釣でうまくできるか不安だ。
孫バリを船上で結ぶ方法は、親バリ外掛け結びで結び、14㎝の位置にマジックなどで印を付けて、シングルフックの孫バリを同じように外掛け結びで結ぶ。
この場合も巻き止めてから結びを締めようとすると少しズレてしまう。
しかし孫バリをトリプルフックにすすると、環が付いているので深海結びで狙いどおりの位置に結べた。
これが一番実釣に向いていそうだ。
さて、当日はあいにくの雨、風もあり横流しの船は大きく揺れていた。
しかしこのような状況で作ることができれば、むしろ自信につながる。
まずは親孫間のたわみが大きすぎるとどうなるかをチェック。
親孫間をあえて長くしたものを試してみると、左の写真上のようにイワシの大きさに対して長すぎ、たわみも大きくなり、仕掛けを回収すると背掛けにした孫バリが外れていることが何度かあった。
ハリスの抵抗が大きいのが原因かもしれない。
孫バリが外れるとヒラメの掛かりが悪くなるし、根掛かりやオマツリの原因にもなる。
そのため親孫間は少したわむ程度でよさそうだ。
当日配られたイワシは18~20㎝が中心。
これに合わせて動きを妨げないように調整すると親孫間は14㎝といったところ。
始めは親バリを船上で結ぶ方法から試してみたが、やはり揺れる船上では難易度が上がる。
時間もかかり、やっとの思いで結んだ親孫間は15㎝と1㎝長くなってしまった。
続いて、孫バリを船上で結ぶ方法を試してみる。
シングルフックのほうは14.5㎜で、5㎜ほど長くなってしまったが、実釣では許容範囲といえるだろう。
そして最後にトリプルフックを結んだが、予想どおり素早く正確に結ぶことができた。
どちらも親孫間を14㎝にした仕掛け。イワシの大きさが違うと大きくたわんでしまう
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お客さんに聞いてみた
当日乗船したお客さんの中で自製仕掛けを持参していた方に親孫間を聞いてみたところ、竿頭となった田中さんはなんと8~15㎝を1㎝刻みで作り、それぞれ15組ずつ持参し、頻繁に仕掛けを交換していた。
ほかに12㎝で作ってきて、イワシのサイズにかかわらずそれしか使わない人や事前に親バリを結んでおき船上でトリプルの孫バリを結ぶ方もいた。
「船上でトリプルの孫バリを結んでいます」という加藤さん
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隔週刊つり情報(2020年11月1日号)※無断複製・転載禁止