「明日は巨大惑星が地球に衝突して人類滅亡・・・最後の晩餐にあなたは何を選ぶだろうか?
私だったらアカムツをリクエストしたい」と5~6年前の記事に書いたが、それは今も変わらない。
脂の乗った身は「白身の大トロ」とも称され、煮物、刺身のうまさは言うにおよばず、中でも皮目を炙った「炙り刺し」は絶品で、私は専用に小型バーナーを愛用している。
そのアカムツが産卵期を迎え、茨城県波崎沖の浅場のポイントであるカンネコ根の水深120~150m付近に乗っ込み始めた。
そこで8月15日、アカムツを狙って釣友2人とともに波崎港の庄栄丸へ。
当日の乗船者は私たち3名と番場さんをリーダーとする5名グループの計8名。
準備が整った4時10分ごろ出船し、航程1時間ほどでカンネコ根の水深150m前後に到着した。
出足は好調!
海底はアカムツの生息域に共通した砂泥でほとんど根掛かりの心配はないが、所どころにツブ根があり、置き竿で仕掛けを引きずるような釣り方をしているとたまに根掛かりして痛い目にあう。
エサは船でホタルイカが配られるが、今回私はサバとサケ皮のタンザク、緑染めイカタン、カタクチイワシなどを持参。
まずはホタルイカのキモ付きのゲソを胴から抜いてハリに刺し、サバを抱き合わせにする。
これでホタルイカのキモのにおいと、ヒラヒラ揺れるサバタンが誘いになり、アカムツの嗅覚と視覚を刺激して釣るのだ。
また、今や定番の集魚アイテム「マシュマロボール」は、浮力と潮を受けてエサに適度な動きを出してくれるので、ほとんどの人が装着していた。
しかし、極端に潮が速かったり、サバやサメが多い日は外したほうが賢明だ。
幸保重行船長の合図でスタートし、さっそく着底直後に釣友の塙くんが巻き上げ始める。
早くもアカムツの登場か!と思ったが、上がってきたのは定番ゲストのドンコだった。
ゲストのドンコは味噌汁がおすすめ。
出典:
「左のトモでアカムツが釣れたよ」
船長の声で行ってみると、番場さんが後検寸28cmと少し小ぶりのアカムツを上げていた。
次の流しは右トモ2番のお客さんが35cmの良型を釣り上げたかと思えば、釣友の米光さんが、「何か掛かったみたい」と巻き上げ始める。
それを見て、「ダメだよ!キーパーに置いたままで巻いたらバレるよ。
竿を手に持って!」と大声で告げると彼は慌てて竿を手に取った。
ご存じのとおりアカムツは口周りが弱い魚。
とくに口角に掛かると巻き上げ中にハリ穴が広がりバレる確率が高い。
それを防ぐためにも置き竿での巻き上げはNGなのだ。
米光さんが慎重に巻き上げていると断続的にギュンギュン引き込む。
この特有の引きに本命を確信しカメラを構えていると、ポコンと浮き上がったのは32cmのアカムツ。
「うわぁー、本当に釣れちゃった」とアカムツ初挑戦の米光さんは大喜び。
「こっちにもきたよ!」と塙くんも竿を曲げており、釣れ上がったのは同級の本命。
アカムツは固まっている場合が多いので、だれかに釣れたら集中して誘いを入れよう。
アカムツは口切れしやすいので慎重に巻き上げよう。
出典:
アベレージサイズは 30cm前後。
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Tackle Guide
捨て糸の長さはドンコやユメカサゴなどが多く掛かるようなら長めにする。
底で仕掛けをたるませるには10号ほどの中オモリを付けるのも一手だが、潮が速くオマツリが頻発するときは外したほうがいい。
仕掛けは胴つき2本バリ、標準オモリ120号、エサは冷凍ホタルイカ付き。サバやイカの切り身などは持参。
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エサの付け方は様ざまあるが、当日はキモ付きのホタルイカのゲソと持参したサバの切り身の抱き合わせで釣る人が多かった。
出典:
朝の2時間が勝負!?
その後も流し変えるたびに順調に釣れて、番場さんはダブルでアカムツをキャッチ。
彼は仲間うちではアカムツ名人と呼ばれるほどの腕前なのでコツを伺うと、「今日はチャッチャと誘った後、ゼロテンションにして食う間を長めに取ったほうがよいみたいですね。
あまり誘いすぎると魚を散らしてしまうのか逆効果みたいです」とヒットパターンを教えてくれた。
7時前には全員アカムツの顔を見て、「鈴木さんも竿を出しなよ。朝の2時間が一番釣れるからさぁ」と船長がすすめてくれたのだが、もう少し撮りたい写真があったので撮影続行。
ひと通り済んだ私が竿を出したのは7時半。
船長が言う「開始から2時間」はすでに過ぎてはいたが、1投目はユメカサゴ、2投目は25cmと小型ながら本命アカムツを釣り上げ、続いてクロムツが釣れて滑り出しは順調だ。
塙くんが30cm級をダブルで釣って気を吐き、番場さんが当日最大43cmのアカムツを取り込む。
トップ10尾の常連さんが当日最大43cmもキャッチ。うらやましい!
出典:
船長が心配したほど食いは落ちないようだ・・・思ったのも束の間。
日が高くなると厄介者のサバが回ってきて急ブレーキ。
仕掛け落下途中で小サバが掛かり、それをかわして着底しても底では50cmもある大サバが食ってくるから手に負えない。
ようやく本命らしきを掛けても続いてサバが掛かって振り落とされたりオマツリしたりで、肝心
のアカムツはバラシばかりで私は散々な目に・・・。
それでも船内ではポツリポツリとアカムツが顔を出し、11時半に沖揚がり。
釣果は25~43センチが1~10尾でほとんどの人が5尾前後とお土産は十分。
カンネコ根のアカムツの本格シーズンはこれからなので、ぜひとも足を運んでいただきたい。
ほとんどの人が5尾以上の釣果でお土産は十分。
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本命アカムツに続いてゲストのクロムツもキャッチ。
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隔週刊つり情報(2020年9月15日号)※無断複製・転載禁止