小魚などの生きエサを使う釣りはいくつかあるが、その代表的なものがイワシエサのヒラメ釣りだろう。
ヒラメ釣りの魅力といえば、アタリから合わせるまでの駆け引きと、合わせた瞬間にギューンと竿が絞り込まれる重量感につきると思う。
その至福の瞬間を味わうべく7月25日、銚子外川港の長栄丸に出かけてきた。
置き竿に2連発
このエリアでは6月からヒラメ釣りが始まっているが、今年の特徴としては極端な荒食いはないものの、平均して一人3~5枚と安定して釣れていること。
しかも長栄丸では、今シーズンは一人もオデコを出していないと言うから、これは木村船長の長年の経験も相まっているのではないだろうか。
そして、もう一つの特徴はアベレージサイズが1~2kgとよく、3kgオーバーの良型も高確率で釣れているという点だ。
当日の乗船者は私を含めて6名で、4時半を過ぎたところで出船。
15分ほどでポイントの真沖に到着。
水深は8mで、海底は砂地にツブ根が点在している感じで、あまり根掛かりの心配はないとのこと。
さっそく船長から開始の合図が出され、エンジン流しでのスタートとなった。
初めの流しはアタリはなかったが、次の流しで撮影のために私が船内をうろついていると、「右ミヨシの竿がアタってるよぉー」と船長が声を上げた。
えっ?右ミヨシは私の席・・・慌てて戻ると竿が静かになっていたのでバレたのかな?と思ったが、「あれだけ引き込んでいたから、もうハリ掛かりしていると思うよ」と船長。
恐る恐る竿を立てるとグググググッ・・・なんと船中1枚目は私の置き竿にきた1kgだった。
次の流しでは右胴の間の稲村さんがバッチリ合わせを決めて1kg級を釣り上げる。
再び私が船内の様子を伺うために動き回っていると、「また鈴木さんの竿がアタっているよぉー」と船長。
今度はバタバタと激しく竿がたたかれていたので、竿を手にして一段と大きな「ギューン」という引き込みに合わせて竿を立てると、ズシンと重みが伝わり1.2kgが上がってきた。
間を置かずに、右胴の間の稲村さんと右トモの高橋さんが同時にヒット。
「鈴木さーん。前のほうのタモ入れお願い」
船長の声にタモを構え、海面にユラユラと浮き上がってきたヒラメをスパッとすくい上げた。
タモ入れの際は、釣り人はヒラメをタモのほうに誘導し、タモ入れする人はヒラメの頭からすくい取るのが鉄則だ。
釣れ上がったヒラメは高橋さんが1kg、稲村さんは良型の2.5kg。
しばらくすると、左ミヨシの苑田さんにもアタリがきて1.8kgを釣り上げ、「ようやく1枚釣れましたよ」とホッとした表情をみせる。
浅場で活性も高いせいか引きは力強い。
出典:
夏のヒラメは・・・とも言われるが、1kg級でも身は厚かった。
出典:
Tackle Guide
目下のポイントは浅場が中心なのでノーマルタックルでもオモリは60号。
よほど潮が速い場合でも80号となっている。
道糸がPE1.5号前後のライトタックルは、40~50号とより軽いオモリで楽しめる。
仕掛けの捨て糸考
ヒラメ仕掛けの捨て糸の長さは、大きく分けて60~80cmほどのロングタイプと20~30cmのショートタイプがある。
ロングタイプはタナの取り直しが容易で、捨て糸が80cmであれば、オモリを底に着け、少し持ち上げればヒラメ釣りで標準的な1m前後にタナが取れる。
また根が荒い場所やカジメなどが多いポイントでハリを根掛かりさせたくないときも効果的だ。
ショートタイプはハリスと捨て糸が絡まりにくく扱いやすいうえ、ベタ底から1~2m上まで広くタナを探れるが、根が荒い場所では根掛かりしやすいので注意したい。
初挑戦で本命ゲット
左胴の間の染谷さんにもヒラメからのラブコール。
ガツガツと竿がたたかれているが、ヒラメ初挑戦の彼には合わせどころが分からない。
そこで「まだまだ」と私がアドバイスを送ると、グーンと竿先が海面に刺さった。
「今だ!合わせて」と叫ぶのと同時に彼が竿を立てるとギューン、ガクガクと魚が暴れた。
「竿を斜め上に構えて巻いて。ゆっくりでいいから無理はしないで」と声をかけると染谷さんは慎重に巻き上げ、やや小ぶりの800g級ではあったが人生初のヒラメをゲット。
感想を聞くと、「無我夢中でよく分からなかったけど、すごく引くので楽しかったです」とうれしそうに話してくれた。
「これでオデコは僕だけになってしまいましたね」と言っていた左トモの萱原さんにもようやくアタリが到来。
この日一番の激しいファイトから大型を期待してカメラを構えていると、あれっ?
この長い魚体は・・・。
萱原さんが釣り上げたのは61cm、1.7kgの立派なマゴチ。
「これはこれで、いいお土産になります」と極上のゲストを手にしてニンマリ。
60cm級の マゴチも釣れた。
出典:
9時半を過ぎたころ水深15m前後に移動。
ここでもポツリポツリと1~1.5kgのヒラメが顔を出し、萱原さんも1枚釣り上げる。
しかし左ミヨシの苑田さんは調子が上がらない。
彼は船内では唯一ライトタックルを使っていたのだが、ここにきてアタリが遠い。
ライトタックルだとどうしても誘いすぎてしまう傾向があり、今日のヒラメはそれを嫌っているのかもしれない。
そこで苑田さんはノーマルタックルにチェンジ。すると途端に2.3kgを釣り上げ、次の投入でも1.5kgを上げて一気にエンジン全開。
最終的に5枚を釣って竿頭になる。
トップで5枚前後は釣れている。
出典:
当日最大は2.5kg。時どき 3~4kg級も上がっている。
出典:
雷が鳴り始めたため、少し早い10時45分に沖揚がり。
私の釣果は4枚、トップ5枚が2名。
船内全体で0.8~2.5kgが23枚でオデコなし。
梅雨が明け、海の濁りも取れればさらに釣果も上向くことだろう。
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隔週刊つり情報(2020年9月1日号)※無断複製・転載禁止