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餌木シャクリのアオリイカ(蒼信丸/相模湾腰越港)

隔週刊つり情報編集部

シュッ、シュッとシャクリ続けると、いきなりガツンと竿が止められ、だれもがその衝撃のとりこになる。

釣り方がシンプルな中オモリを使った餌木シャクリは、アオリイカ入門にもおすすめだ。

乗った感触は唯一無二全身を駆け抜ける衝撃!

船アオリといえば元もとは餌木シャクリ釣りのことを指していたが、近年はティップランエギングに押され気味で楽しめる船が少なくなってきている。

だが、この釣り方でしか味わえない魅力もあって根強い人気を誇っているのもまた事実だ。
 
10月28日、相模湾腰越港の蒼信丸には、平日ながら16名の餌木シャクリファンが集結。

「乗った瞬間の衝撃が忘れられない」「ガツンと手が止まった瞬間がたまらない」準備をしながら多くの人が餌木シャクリならではの魅力を語ってくれた。

やはりその魅力は乗った瞬間にあるようだ。

餌木シャクリは縦の釣り。

シャクリは誘いと合わせの兼用動作で、シャクった瞬間にアオリイカが抱きついていれば「ガツン」とくる。

アタリを取る釣りではないが、海中をイメージしながらシャクリ続け、そのイメージどおりに乗りがくれば楽しさは倍増する。

蒼信丸は夏秋のカツオ・キハダ狙いの時期以外はほぼ餌木シャクリのアオリイカ専門という、この釣りに一番力を入れている船宿だ。

「秋から冬場は中小型の数釣り、4月ごろから7月は乗っ込みの大型狙いです」と関塚一浩船長。

今シーズンは10月21日に餌木シャクリ船をスタートさせいい日はトップ7杯前後と順調に推移しており、今年は開幕から良型が目立つという。

「例年ならこの時期に1kgを超えるサイズはあんまり釣れないんだけど、今年は結構多いですよ」

取材日は開幕から1週間後。

船長の言うとおり、平均サイズが500~600gで、1kg前後の良型も何杯か取り込まれた。

大型になると強烈な逆噴射で強い引きを見せるのもアオリイカの魅力だ。

ここからは餌木シャクリの道具立てと釣り方を紹介しよう。

釣行の写真

蒼信丸が狙う釣り場は腰越~江ノ島沖の水深15~40m前後が中心

釣行の写真

今シーズンの相模湾のアオリイカは、シーズン初期としては良型といえる500~600g級主体にスタート

様ざまなロッドで楽しめる餌木のカラーはピンク系が定番

餌木シャクリの竿で、近年主流となっているのが全長3~3.5m前後のロングタイプの専用竿。

このほか1.3m前後のショートタイプの専用竿や、2m前後のライトゲームロッドなどでも楽しめる。

専用竿以外の竿から選ぶときは、胴が強くしっかりシャクれる7:3~8:2調子のタイプを選ぶ。

「潮先の釣り座でロングロッドを使うとイカに一番最初に遭遇する確率が高くなるのでやはり強いですね。逆に、潮裏だと短い竿を使うのも効果的だと思います」と船長。

リールは小型両軸で道糸はPE1~2号が標準。

一日シャクリ続けるので、あまり細い道糸だと高切れする可能性があるので注意しよう。

ハリスはフロロカーボン4~5号4m。

中オモリは船アオリ用10~12号。

ハリスと餌木の接続にはアオリ専用の小型スナップサルカンを使用する。

通常の大きめのスナップサルカンは乗りが悪くなるそうで、専用のものがなければ直結びしたほうがいいと船長はいう。

餌木は、シーズン初期は小型のアオリイカに対応する3号を使うこともあるそうだが、今シーズンに限っていえば3.5号オンリーでいいとのこと。

そして最も迷うのが、餌木のカラーセレクトだろう。

それについては船長が端的に答えてくれた。

「オールマイティはピンク、濁り潮にはオレンジ、澄み潮にはオリーブや茶色などのナチュラル系がいいですよ」餌木釣りはいわばルアー釣り。

イカを騙だますためには潮の色が重要になってくる。

「潮は濁っていたほうが釣れます。濁ったときは何色を使っても釣れますが、潮が澄んだときはなるべく目立たない色を選んだほうがいいですよ」

餌木のカラーは背中側がメインだが、シビアなときほど腹側にも注目して、澄み潮時は腹側も目立たないカラーのものを選びたい。

ちなみに取材日はかなりの澄み潮に。

朝方はオリーブのナチュラル系に乗りが集中し、その後はピンク系が強かった。

連続でヒットするような高活性時はとくにピンク系に乗りが偏った。

釣行の写真

取材日は全長3~3.5m前後とロングタイプのアオリイカ専用竿で釣る人が多かった

釣行の写真

7:3~8:2調子のライトゲームロッドやマゴチ竿も好適

釣行の写真

(左)中オモリはアオリイカ用の10号。(右上)餌木のサイズは3.5号。(右下)ハリスと餌木の接続は、餌木の交換が容易なアオリイカ用の小型スナップサルカンがおすすめ

指示ダナを正確に守りシャクリの強さや間隔を変えてヒットパターンを探る

当日のポイントは江ノ島沖の水深15~40mほど。

海底は根周りメインでピンポイントに攻めていく。

指示ダナは海面からで、「20m」とアナウンスがあったら道糸のマーカーでピッタリ20mで止める。

指示ダナは海面から中オモリまでの距離で、そこから4mのハリスがあるということを頭に入れておこう。

「早く餌木を潮になじませるために、4m余分に落としてからタナまで上げる人もいますが、根掛かりのリスクもあるのでタナでビタ止めしたほうがいいですよ」と船長は言う。

投入後、最初は餌木が潮になじむまで15秒ほど待ってからシャクリをスタート。

その後は7~8秒に1回のペースでシャクリを入れるのが基本。

ロングロッドの利点は、このシャクリが楽なことがあげられる。

竿に長さがあるぶん、少ない角度でシャクっても竿先は大きく動くため餌木をしっかり動かすことが可能になる。

ショートロッドやゲームロッドの場合は、竿を海面に向けた状態から水平より上くらいまで鋭く素早くシャクリ上げる。

シャクリ上げたらそのままシュッと元の位置まで竿を戻してやる。

シャクリで中オモリが浮き上がり、同時に餌木も引っ張られてシュッと跳ね上がる。

続いて竿を戻して中オモリがスッと沈んだ後、餌木はやや前傾姿勢でゆっくり沈んでいき、徐々にハリスが張って元のレンジ(水深)に戻っていく。

この沈んでいく動きがアオリイカを誘惑するのだ。

これを何度か繰り返すうちにアオリイカが餌木に抱きつき、次のシャクリでガツン!これが餌木のシャクリ釣りのメカニズム。

海中で自分の餌木の動きをイメージしながらシャクリを繰り返すことが重要だ。

シャクリの強さ(幅)は大、中、小と調整できるようにしておく。

強めアピールのほうが乗りがいいときがあれば、小さなシャクリのほうが好反応を示すことも。

シャクリの間隔も少しずつ変えながら、そのときに乗るパターンを見つける。

シーズン初期の中小型メインのときは、おおむね5秒程度の短い間隔のシャクリに好反応を示すことが多いようだ。

逆に乗り渋りのときや、大型狙いのときは10秒以上待つことも。

乗った瞬間は手が止まりグイグイと引き込まれる。

イカが乗ったら竿を立て気味にして巻き上げを開始。

強く引き込んだら竿を下げていなしてやる。

最後は中オモリを竿先の手前まで巻き上げ、竿を立ててハリスをつかみ、船長が差し出すタモへイカを誘導してフィニッシュ。

最後に、指示ダナは厳守すべきなのか?船長に聞いてみた。

「それぞれで多少調整してもらっても構いませんが、乗らないからと下げる人は、あまり乗らないですよ。一番乗る可能性が高いタナを指示していますからね。だれかが乗ったときは、タナを上げることでその餌木に飛びついてくることはあります」とのこと。

タナは、あれこれ迷って変えるよりも、指示ダナをキープしたほうがアオリイカとの遭遇率は上がりそうだ。

それよりも根周りなど水深の変化が激しい場所では、刻一刻と指示ダナが変わるので船長のアナウンスを聞き漏らさずに対応しよう。

釣っている最中は、周りの観察も忘れずに。

だれかが乗ったときは、ほかにもイカがいる可能性が高いチャンスタイム。

また、どんな餌木に乗っているかもチェックしておこう。

船長から移動を告げるアナウンスが出たときに、必ず1回シャクリ入れてから巻き上げよう。

この日は移動のタイミングで乗った人が数人いた。

シャクリを入れずに巻き上げてしまうと、もし乗っていた場合、掛かりが浅くバラすことも。

高活性時は連チャンで釣れることも少なくないので、釣り上げた後は素早く餌木を再投入しよう。

釣行の写真

投入は餌木、中オモリの順番で軽く投げ入れる

釣行の写真

取り込みは竿先の手前まで中オモリを巻き上げ、竿を立てて船にイカを寄せタモ取りしてもらう

餌木は新しい物がいいの!?

仕掛けは新しい物のほうがいいに決まっている。

ほかのイカで考えても、プラヅノは新品のほうが乗りがいいのは常識だ。

ところが、アオリイカの餌木に限って言えば、そうとも言い切れなさそうだ。

今回の取材で乗った餌木の多くは噛み跡が付いたり、布が剥がれていたり、中にはボロボロになった物も。

「これが乗るんだよね」と使い続けている人が多いのだ。

新品とどちらがいいというわけではないけど、愛着のわく餌木を見つけるのもこの釣りの魅力の一つなのだ。

釣行の写真

お気に入りの餌木がボロボロになっても使い続けるファンが多い

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