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【再点検!浅場のゼロテン釣法】マルイカ(多希志丸/相模湾腰越港)

隔週刊つり情報編集部

今年は相模湾のマルイカはダメか・・・と思われた矢先の大群襲来にファンは狂喜乱舞。

ポイントも拡大し一気に最高潮を迎えた夏マルイカの浅場攻略をお届けする!

開幕2週間で乗り味アップ・釣れる範囲も拡大し本格化

今シーズンのマルイカは各地で苦戦が強いられていた。

いや、苦戦も何もそもそも群れがいないのだからどうしようもない、というのが実情であった。
 
相模湾もその例に漏れず・・・だったが、群れを探し続けていた船が6月中旬についに発見! 

葉山~倉沖の水深15m前後で1束超えの釣果をたたき出し、その日を境に一気に火がつく形となった。

「最初はホントに小さいのが多くて難しかったけど、2週間たってだいぶ大きくなったよ。反応も広範囲で見つかるようになったね」と、腰越港・多希志丸の鈴木雅則船長。
 
例年、浅場ではムギイカが交じることも多いが、今シーズンに限って言えば「まだ一度も見たことがない」そう。

定置網にもその姿が見られないそうで、現在のところ釣れるイカはすべてマルイカだと思ってよい。
 
ポイントは鎌倉沖、小坪沖、葉山の名島周り、長者ケ崎沖など。

いずれも水深は10m台と浅いためイカがスレやすく、釣れるマルイカのサイズは成長したといっても小型主体で動きが速く難易度は高め。

逆にその分、好きな人には面白くてたまらない、という状況とも言えるだろう。
 
トップが100杯釣ってもスソは数杯ということも珍しくないのがマルイカ釣り。

今回は平均以上の釣果を目指す浅場に特化した釣り方を紹介したい。
 
なお、7月に入って三浦半島の亀城根周り、城ケ島~剣崎沖でも反応が見られるようになってきた。

こちらは浅場というわけではないが、いい日はトップで40~50杯釣れている。

今までのうっぷんを一気に晴らすチャンスだ。

釣り人の写真

相模湾のマルイカは8月も大いに期待できそうだ

ゼロテンタックルメイン・オモリ30号の軽量仕掛け

現在、水深が浅いのとイカが小型主体でアタリが小さいことからほとんどの人がゼロテン用の竿を使用している。

ゼロテン用の竿は各メーカーから市販されている専用竿のほか、自作竿の人も。市販竿は浅場用や軟らかめの穂先を持つものがマッチする。
 
リールは小型両軸。

道糸はPE2号以下とする船宿もあるが、実際に一番使うのは0.8号。

0.6号を使用する人もいるが、バランス的には0.8号がおすすめ。

リーダーにはフロロカーボン4号1.5~2mを、FGノットやPRノットなどで接続しておく。

リーダーを付けることで、取り込み時に穂先の手前までスッテを巻き込めて手返しが大幅にアップする。
 
現在、狙っているポイントの多くは根の上。

とくに葉山沖は根掛かりが多いポイントで、根掛かりによるラインブレイクもある。

道糸とリーダーの接続部分で切れることもあるので、船上で素早く結べるようにしておくか、予備のリールを持参しておくと安心だ。
 
仕掛けは30~40㎜程度のマルイカ用スッテ4~6本前後。

直結仕掛けがメインだが、どうしてもアタリがとらえられない人、確実に釣果がほしい人は直ブラ、直結+直ブラのミックス仕掛けもおすすめ。

7月に入り、イカのサイズは胴長15cmを超えるものが多くなり、直ブラでも十分に勝負できるようになっている。
 
使用するスッテは「何でも乗る」と多くのベテランや船長は声をそろえる。

現在、発売されているスッテは何を選んでも問題ないというのが実情のようだ。

色に迷ったら、ケイムラ、ピンク、グリーン、ブルー、レッドヘッド系のものを選んでおけば間違いないだろう。

浅場ではとくにクリア(ハダカ)系の実績が高い。
 
直結仕掛けに使用する幹糸はフロロカーボン3.5~4号でツノ間は1mが基本だが、釣れ方を見て調節するのがいいだろう。
 
例えば、最初に幹糸が1m、捨て糸が1.5mの5本ヅノ仕掛けを使用したとする。

ゼロテン時にオモリが着底した状態では、1番上のスッテは海底から5.5mの位置にある。

ここで乗るイカが下から2番目ばかりだったとする。

こうなると、イカを船内に取り込むには仕掛けを一手余分にたぐらなくてはならず、手返しが遅くなってしまう。

もし、これが上から3番目だったら一手で取り込みが可能になる。
 
こういった状況のときは、捨て糸、幹糸とも長さを80cm前後と短めにすることで、従来よりも上のスッテに乗せることが可能になり手返しがアップする。
 
逆にイカの反応が浮いている場合は、スッテの数を増やしたり、捨て糸を1.5~2mと長く取ることで対応できる。
 
このように、イカが乗るタナを把握して乗せる場所を意図的に調節することで、手返しよく効率的に
数を重ねていくことが可能になる。
 
標準オモリは30号。

ただし、自分の釣り方や竿が40号のほうが合うという人は40号でもいいだろう。
 
前述したとおり、多くのポイントは根周りや根の上。

ゼロテン釣法では根掛かりも多くなる。

水深が浅いので落下速度もそれほど気にならないから、安価なオモリの使用が安心。

捨て糸を細めにしたり、自動ハリス止めを使用した捨てオモリ式にするのもいいだろう。

いずれにせよ、オモリの予備は多めに用意しておこう。

相模湾の浅場マルイカ仕掛け

釣行の写真

取材日はほとんどの人がゼロテン専用ロッドを使用

仕掛けの写真

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仕掛けの写真

スッテは30~40㎜の小型がメイン

オモリの写真

標準オモリは30号

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ゼロテンは竿先が見やすい角度でキープ・大きな合わせは厳禁

船長から投入の合図があったら素早くオモリを軽く投げ入れる。

水深が浅いので遠投というよりは落とす程度でOK。

着底したら糸フケを取りながら竿先の変化を注視する。

潮回り後の投入は反応に合わせて合図が出るのでチャンスタイム。

まずは糸フケを取りながら触りがあるかチェックする。

触りがあったらすかさず合わせる。
 
触りがなければオモリを着底状態にしてタタキを入れる。

タタキを入れた後に竿先を少し下げてゼロテン状態を作ってやる。

このとき、自分が一番アタリを見やすく合わせやすい角度を作ってやることが重要だ。

タタキを入れてゼロテン状態で待つとき、穂先に道糸が絡んでいないかもチェックしておく。

絡んだまま合わせると穂先を破損する可能性があるからだ。
 
穂先を注視していると、微かに上下に動いたり、左右に触れるような動きが出る。

少しでも違和感を感じたらそれはすべてイカの触りだと思って即座に合わせていくことが上達につながる。
 
現在、相模湾の釣り場はほとんどの場合水深15m前後と浅い。 

そんな浅場で釣るときに最も注意が必要なのが合わせの強さだ。

スッテのカンナにイカを掛けるのには極端な話、スッテが10cmも上に動けばいいはず。

この水深で強く大きな合わせを入れてしまうと、イカを掛けた後にそのまま足切れしたり、外れてしまう。

合わせは、アタリを感じたらそのままスーッと乗せるような感覚で持ち上げるだけでいい。
 
そして、最初の1杯を上げるまでは「乗っているか分からない」ということが多いのも小型マルイカの特徴。

最初にこの乗り感をつかむまでは疑わしきは上げて確認してみよう。

「これがマルイカの乗りだ!」と把握できれば次からは判別が容易になる。

まずはこの乗り感をつかもう。
 
タタキを入れた後のゼロテン状態は、2~3秒キープしたら一度軽く合わせてから底を取り直す。

海底に着けっぱなしにしておくと根掛かり、オマツリが頻発するので注意しよう。
 
水深が浅いとイカにすぐに見切られたりスレてきて簡単に乗らなくなる。

こんなときは巻き落としをする。

水深が浅いので5mも巻いて落とせばOK。
 
浅場でとくに効くテクニックが投げ返しだ。

これは仕掛けを海中に入れっぱなしにしないで一度回収してオモリを遠目に投げ、周りの人と仕掛けを入れる筋を変えて、スレていない群れを乗せていく、というものだ。

これはダイワフィールドテスターの高槻慧さんが多用するテクニックだが、「不利な席でもこれでトップを取れることもありますよ。浅場限定のテクニックです」とのこと。

乗りダナを見て仕掛けを調節

仕掛けの写真

(左)慣れない人やバラシが多い人は直ブラか、上の2~3本を直結、下の2~3本を直ブラにしたミックス仕掛けがおすすめ(中)通常のオモリのスナップサルカンはロック機能が付いたものだとタタキを繰り返しても外れない(右)自動ハリス止めを使用した捨て糸式で根掛かり時の全損を防ぐ

釣行の写真

上から3本目までのスッテに乗せれば、取り込みまで一手で行えるのでスピーディ

浅場のマルイカ釣り方イメージ

多点掛け狙いはワンテンポ遅らせて合わせる・ゼロテンが難しければ聞き上げを

フレッシュな群れや大きな群れに当たった場合、多点掛けのチャンスがある。

着底と同時に派手なアタリが竿先に現れるようなときは、即合わせしないでワンテンポ置いてからゆっくりめの合わせを入れると多点掛けすることが多い。

トップが100杯に迫る釣果のときはダブル、トリプルが頻発する。

こういった釣果を上げている人たちは狙って多点掛けを達成しているのだ。
 
さて、言葉では簡単に聞こえても実際にはそんなにうまくいかないのがマルイカ釣り。

どうしてもアタリが取れない、釣果がのびない、という人は直ブラ仕掛けにチェンジするのも一手。

さらにゼロテンが難しい場合は、タタキを入れてからごくゆっくりのスピードで聞き上げていってもいい。

ゼロテンにこだわらず、自分に合った釣り方で楽しもう。
 
なお現在、ニュースでも度たび話題になっているが、相模湾にはカツオノエボシが増えている。

マルイカのポイントでも浮遊しているのを見かけることがあるが、万一、仕掛けに絡んで上がってきた場合は、絶対に素手では触らないこと。

気がついた場合は周りの人にも声をかけて注意喚起しよう。

釣行の写真

タタキを入れたらアタリが見やすいポジションでゼロテン状態を作る

「投げ返し」で船から離れた群れを直撃

釣行の写真

浅場なので激しく大きな合わせは厳禁。アタリがあっても掛けられない人は合わせを小さくしてみる

釣行の写真

自分だけ乗らなくなったら、巻き落としのほか、 一度仕掛けを回収して投げ直すのもおすすめ

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隔週刊つり情報(2022年8月1日号)※無断複製・転載禁止

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