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トンジギをゼロから解説!仕掛けは?どうやって釣る?気になる疑問に全てお答えします!【後編】(ソルトウォーターフィッシングサービス小海途/三重県・志摩船越漁港)
標準和名ビンナガという魚は世間一般にビンチョウとかビンチョウマグロとかヘタすりゃビントロなんて名前のほうが浸透していて、メバチと区別できない人も多いハズ。
このビンナガ、三重県では「トンボ」と呼ばれていて、メタルジグで海面下100~150mを狙って釣る。
そう。トンボをジギングで釣るから「トンジギ」なのである。
目次
【前編】はこちら!
「抜け」と「噛み」が分かるかい?
話はいよいよ核心に迫る。
船長のアナウンスするタナは、表層の潮と底層の潮の境目。
つまり縦方向の潮目。
そこにはプランクトン、ベイト、そしてビンナガと、生物が集まっている。
指示された範囲でジグをシャクっていると、不意にジグがスッと「抜ける」ように軽くなる場所(深さ)がある。
ここが潮の境目。
逆に、グイッと抵抗が加わり潮を「噛み」ながらアクションする所も潮の境目。
道糸が斜めに出ると、もはや魚探の水深はあてにならない。
自分の道糸の角度、道糸の出た距離を記憶して、自分のジグで「潮の境目」を探り当てるのだ。
最初は50m幅で探り始め、「抜け」や「噛み」を把握したら、その周辺20mほどを集中的に攻めるのも手。
その点では、電動シャクリは「抜け」と「噛み」を感じるのに慣れが必要かもしれない。
釣ってびっくりトンジギ
アタリはジグが軽くなったり、ガサガサガサと震動したり、ズドンと持っていかれたり様ざまながら、アタリを感じたらとにかく糸フケを素早く巻き取る。
ビンナガが走り始めたら、しっかりと竿に重さを乗せる。
これでフッキングする。
つまり、コマセキハダのように、小さなアタリに合わせる必要はない。
ドラグ設定は諸説あるが、小海途船長はドラグ設定4~5kgで、スプールを押さえつつ29・1kgのタネトンをそれほど時間をかけずに浮かせていた。
ただ、魚が大きいと判断、船長がタモあるいはギャフを打つために途中から同行の中村行雄さんと交代した直後から、様相が一変した。
智弁和歌山高校野球部でピッチャーだった中村さんは一般の人よりかなり腕力があるのだが、タネトンは船が見えてから頑強に抵抗、上がらなくなった。
円を描くときには船体に道糸を当てぬよう前屈みで一進一退、もう、見ているほうが腰が痛くなるようなファイトだ。
海面下に見えたタネトンは、2本付けたフックの1本が顔の後ろに掛かり、凧揚げの要領で抵抗が大きくなっていた。
中村さんは勝負所でリーダーとスプール、リーダーとロッドを一緒につかみ、強引に寄せる。
こりゃ、リーダーが1.5~2mと短かったり細かったり、道糸がPE2号じゃ勝負にならんぞ。
そう思い知ると同時に、ついに海面に青黒い砲弾、タネトンが浮いてタモに収まった。
ちなみに、このときは2日間の日程の1流し目。
船上のメンバーのテンション&モチベーションは最高潮に達し、タネトンに夢膨らませ、ジグをシャクリ続けた。
その結末は次章の「釣りバカレーサー」高木真一さんの連載のとおり。
トンジギとは、なんとも恐ろしい釣りである。
高木真一のトンジギ実釣記・2日間シャクリ倒してみた
今回は三重県の志摩沖にてトンジギに初挑戦してきました。
この時期トンジギは大人気で船を確保するのが大変でしたが、なんとか2日間、別々の船をチャーターすることができました。
1日目は船越漁港の「小海途丸」さん。
まずは船長がレクチャーしながら、潮の流れやジグの動かし方などを説明しながらジグを落としていたら、なんと、フォールで食っちゃった!
「あ、食った。本命だねー」
船長はさすが、冷静です。
「自分、タモかギャフやらなあかんので、中村さん、ここからお願いしますわ」
ということで、メンバーの中村さん、いきなりファイト。
上がってきたのは丸まるとしたビンナガ。
タネトンと呼ばれる大型で、重さは29・1kgもありました。
恐るべし、トンジギ!
朝イチにこれですからもちろんメンバーのテンションは爆上がり。
350~400gのジグを150m出してはシャクって、巻いては投入を繰り返すのは、ま・・・まあ、シビれますが、トレーニングだと思って手巻きで頑張りました。
で、時間は刻一刻と過ぎていくのにヒットはなし。
でも、タネトンを見ちゃってますから、釣りたい一心で休まずに色いろなパターンを試し続けます。
しっかーっし!
現実は甘くはなく、この日は後にも先にも朝イチのみ。
釣行2~3日前から模様が厳しくなる「釣りあるある」だったようです。
2日目にようやくヒット?
そして翌日は、大王埼のすぐ近く波切漁港の「美丸」さんへ。
昨日のこともあるから、朝から張り切ってジグをシャクりました。
この日は潮が緩く、前日よりジグをシャクりやすいのはいいのですが、やはりトンジギはある程度は潮が流れて、中層にできる潮の変わり目を広範囲に探れるほうが食ってくるそうですから、潮や風がなくて快適にシャクれるのも考えモノ。
それでも表層に潮目ができたり、シャクっていて軽くなる所や重くなる所があれば、集中してシャクりました。
が・・・日が高くなってもメンバー5人、異常なし。
さすがにアタリすら感じることなく2日間を終えるのは悲しいってことで、ラスト1時間はブリやマダイを狙うことに。
僕と奥さんのルアーはガチのマグロ仕様のみだったので、同行の友人Bさんから180gのタングステンジグを借りて、どうにかワラサを1本ずつ釣り上げることができました。
というわけで、今回は釣果こそ残念でしたが、お世話になった船宿さんはとても親切で、釣らせよう!と頑張ってくださいました。
必ず再チャレンジします。ありがとうございました(^^)
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