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コマセで狙うは乗っ込みの大ダイ!キャッチ率増大のキーポイントを探る!(東丸/内房保田港)

隔週刊つり情報編集部

桜色に染まる乗っ込みマダイが関東周辺のコマセダイ釣り場に集まり始めた。

今回は一足早く大ダイが浮上し始めた内房保田沖を取材し、キャッチ率向上につながるコマセダイ釣法のキーポイントを探ってみる。

着実に迫りつつある乗っ込みXデー

関東~東海エリアの乗っ込み第一陣が気になる季節。

その中でも今、最も注目を浴びているのは東京湾口部のコマセダイ乗合だろう。
 
本誌で既報のとおり三浦半島久里浜~下浦沖は1月後半から1kg前後のマダイが延々と釣れ続いており、3月に入ってもトップ10枚前後と盛況。

さらに今回取材した内房保田沖も2~5kg級を交えて釣況が上向いている。
 
保田港・東丸の藤平船長によると、乗っ込みマダイの反応は例年2月あたりから保田沖の水深90m台の深場に出現し始め、3~4月にかけて水深40~60mの浅場に乗り上げれば本番突入とか。

内房の乗っ込み釣り場は富浦沖の象背根や横瀬が有名だが、こちらは4~6月が本番。

保田沖はそれより約1カ月早くピークがやってくる穴場なのである。
 
ちなみに2月26日の取材日はまだ深場攻め。

真沖の水深97m、指示ダナ85mで1~1.5kgのマダイがポツポツ程度の食いだった。

とはいえ「反応は着実に増えている」とのことで、その数日前には5kgの大ダイも浮上している。
 
3月に入るとやや浅い水深60~80mにポイントが移り、2~3kg級が顔を出し始めた様子。

順調にマダイが集結すれば、3月中旬には水深40~60m付近で中大ダイが連発するかもしれない。

重めのサルカンを介したテーパーハリスも一策

乗っ込みの大ダイに備えた道具と仕掛けをチェックしておこう。

内房保田沖のコマセダイ仕掛け一例

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仕掛け図は「保田沖の一例」としたものの、いずれの釣り場もハリスの全長とオモリの重さが若干違う(この2点は各船宿に確認)くらいでほぼ共通だ。

・竿=2.7~3.3mのコマセマダイ専用ロッド。

手持ち派は操作しやすい短め、置き竿派は船の揺れを吸収する長めを選択。

ただし手持ち派の中にも「マダイが宙層に浮いたり沈んだりを繰り返す乗っ込みシーズンは、3m以上の長竿を使う」という人がいる。

竿先を上下させるだけで探るレンジを幅広くとれるからだ。

・リールと道糸=PE3~4号を巻いた小型電動リール。

ダイワ200~300番、シマノ600~1000番あたりで、深場であれ浅場であれ手返しが早い。
 
また、アタリを待つ間は必ずドラグを緩めて大ダイの突っ込みに備えるのが鉄則。

ドラグテンションは片手で道糸を引っ張るとズルルと滑り出すくらいで、およそ0.7~1kgが目安。

・コマセカゴ=大半の釣り場でLサイズ以下のプラカゴかステン缶に規制。

近年はワンランク小さくて細身のFLサイズがブームになっていて、スリムなので海中での抵抗が少なく、道糸の立ちもよい。
 
コマセを詰める量は、カゴの容量の2分の1~3分の1で十分。

藤平船長も「コマセを飽食させないほうがマダイの食いが持続する」と力説する。

・テンビンとクッションゴム=片テンビンは腕長50cm前後で、L字型のほうが手前マツリが少ない。

クッションゴムはハリスの太さに適合した1.5~2㎜径、全長1m。

・ハリス=マダイにとって目障りなテンビンとコマセカゴから付けエサを遠ざけるために、全長10m前後のロングハリスを使用。

長さの基準は船宿によって8~15mまで様ざまなので、予約時に確認しておこう。
 
一本通しでも構わないが、ここでは上下の比率が1:1(全長10mなら、5m:5m)のテーパー式をすすめておく。

比率を均等にすると、ハリス部はナチュラルにフカセることができる。
 
太さは上のモトスが5号、下のハリスが3~4号。

さらに藤平船長は「食い渋りのときはハリスを2.5号まで細くすると効果的」とアドバイスする。

大型が掛かっても的確にヤリトリできる上級者向けだが、アタリが遠くて困り果てたときは細ハリスを試してみるのも一興だろう。

・モトスとハリスをつなぐサルカン=サルカンのサイズは釣り人によって好みが分かれ、仕掛け全体を自然に漂わせたい人は6~7号の軽くて小さなサイズを使う。
 
一方、個人的に気に入っているのは2~4号の大きく重いサルカン。

上図のように小さなシンカーの役目を果たし、マダイの頭上に素早く付けエサを送り込むことができる。

・ハリ=マダイ用の9号を基準に、落としても同8号まで。

ハリの色は金、銀、オキアミカラー、ケイムラなど多彩にあるものの、こだわるべきはカラーよりも付けエサのオキアミ。

プリッと身が張ったものを選んで、ていねいに付けることが先決。

釣行の写真

胴調子のコマセダイ専用ロッド。船の揺れやウネリをかわし、仕掛けを安定させる効能がある

ハリの写真

ハリはマダイ9号が定番。大ダイに伸ばされない強度に優れる製品を

エサの写真

オキアミエサは尾羽根をカットして真っすぐ装着。チモトまでこき上げてハリの耳を隠す人もいる

道具の写真

FLサイズのコマセカゴを推奨。上窓は半開、下窓は7~8㎜開放

竿の写真

タナ取り後は、片手で道糸が滑り出すくらいまでドラグを緩めておく

道具の写真

サルカンを介してテーパー式に。個人的にはサイズ2~4号が好み

大きく重めのサルカンを使ったテーパーハリスの特徴

待ちの合間に落とし込んで誘う

相模湾などの一部には、コマセカゴを底まで下ろしてハリス分+1~2m巻き上げてタナを取る船も残っている。

しかし内房を含めたほとんどの地域は海面からタナを取る。

底付近を遊泳するマダイを散らさないように、その上方でコマセを振ってアタリを待つわけだ。
 
コマセを振り出す最初の位置は、指示ダナの数m下。

おおむね仕掛け全長の半分から3分の2が目安だ。
 
例えば仕掛けの全長が10m、指示ダナが50mであれば、まずはコマセカゴを55~57mまで下ろす。

続いてコマセを2m刻みで振り出しながら巻き上げていき、タナに合わせて待つ。
 
マダイは上方から落下するコマセに反応し、徐々に浮き上がって付けエサに食い付く・・・というイメージだ。
 
ここで厳守しなければならないのは正確なタナ取り。

コマセカゴが指示ダナの下方に数メートルでも下がっていると、産卵期で神経質になっているマダイに警戒されてしまう。

タナ取りは道糸の目印できっちりと測り、ある程度のズレが生じてしまう水深カウンターには頼らないほうがいい。
 
タナ取り後、2~3分待ってもアタリがなければ誘いをかける。
 
スーッと竿先を立てて付けエサを2~3m持ち上げ、数秒ストップ。

そして再びジワジワと元に戻していく。

エサを探して浮いてくるマダイの上方から付けエサを落とし込んでアピールし、飛び付かせるのだ。

「マダイが浮いてきたよ、誘ってみて」と船長がアナウンスしたときも、この誘いはかなり有効になる。
 
しばし待ってアタリがなければ、今度は竿先をゆっくりと下げていき、竿先を海面に突き刺す姿勢で10秒くらいステイ。

付けエサは2mほどゆっくりと沈下してマダイに近づき、コツンとアタってくることがある。
 
コマセを振ってしばらく待ち、落とし込みを中心とした誘いをかける・・・こうした一連の手順を繰り返したら5~10分間隔で仕掛けを回収、コマセを詰め直し、付けエサをチェックして再投入する。

手返しの間隔はエサ取りが多ければ早め、少なければ遅め。

状況に合わせて対処していこう。

コマセダイ釣法の基本イメージ

竿を使った落とし込みの誘い方一例

釣行の写真

(左)竿先を目一杯立てて、付けエサを持ち上げる(中)ゆっくりと元に戻して落とし込み、アタリを待つ(右)さらに竿先を下げて落とし込み、アタリを探る

釣り人の写真

この時期手にするマダイは、釣り人にとって格別。胸躍るシーズンの始まりだ

食い渋ったときの3つの対策

産卵場に集まる乗っ込みマダイは、捕食スイッチが入ったとたんバタバタと食いついてくる。
 
もしも大ダイらしきがヒットしたら、緩めてあるドラグは決していじらないこと。

慌てて締め込むと十中八九ハリス切れに泣くから、まずは走るだけ走らせて足が止まるのを待つ。
 
そこから巻き上げにかかり、突っ込んだらドラグを滑らせて耐え、止まったら巻くを繰り返して焦らずジワジワと引き寄せる。

釣っている当人はまったく余裕がないだろうが、この間にコマセダイ専用ロッドが描くアーチは素晴らしく美しい。
 
良日に当たればそんなシーンに幾度も巡り会えるのだが、この時期は周期的に食い渋る日もある。
 
その対策を3つあげて締めくくろう。

細いハリスに替えてみる。
 
前述した藤平船長のアドバイスに学べば、細ハリスのほうがアタリは増える。

ドラグを緩めに調整しておけば、高品質のフロロカーボンハリスなら2.5号までなんとかイケるよう。

ガン玉2B~6Bサイズをハリの30~50cm上に打ち、マダイの頭上に付けエサを持っていく。

速潮や船の流れ方の影響で付けエサがフケ上がるようなときに有効な方法。

ガン玉を打ってもアタリがないときは、仕掛けの全長を2~3m延ばしてみる。

底付近で動かないマダイの鼻先に付けエサを当てていくイメージ。

付けエサの位置が周りの人とズレるので、潮裏の不利な釣り座に入ったときに効果を発揮することもある。
 
ハリスの延長については「コマセカゴのタナ(ビシダナ)さえ守れば釣り人の自由」とする船長が大半。

ただし延ばしすぎると根掛かりするので注意してほしい。
 
参考までに取材日は、反応あれどもアタリが遠い一日。

0.7~1.5kgのマダイを、7名中5名の釣り人が各1枚ずつという結果だった。
 
私もなんとか1.4kgを1枚釣り上げたが、そのときの仕掛けは上記した中のBパターン。

ガン玉は重めの6Bを使用し、竿を立て、付けエサを元の位置まで落とし込んだ直後に食ってきた。

必ず釣れるとは限らないけれど、あれこれ考えながら誘って食わせた1枚は感無量だ。
 
乗っ込みの大ダイがウヨウヨ泳ぐ姿を夢想しながら、陽光きらめく春の海へ出かけていただきたい。

食い渋り時の対策あれこれ

道具の写真

ガン玉は6B、テーパーをつなぐサルカンは2号

道具の写真

今回はハリの30cm上にガン玉を打った

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