#打倒アオリイカ#ヤツらは目がいい#ヤツらは賢い#だから工夫が楽しい
プロフィール◆よしおかすすむ 1982年生まれ。一つテンヤマダイ、ライト系オフショアルアーのフロントランナーにしてブラックバス、ナマズゲームほか、船のエサ釣りもほとんどこなす。 ジャッカルソルトプロスタッフ、クレハインストラクター。SNSでの合い言葉は#テンション高まる。
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軟体動物門頭足綱は、ヤバイ。
ここに属するイカやタコは、絶対に確実にかなり賢い。
絶対に何か企んでいそうなヤツらの目は、私たち釣り人の目論見やPEラインなど、すべてを見透かしていそうではないか。
全部バレてるよね。
ヨッシーが小声で言う。
この企画の取材においては、ジブリのアニメがどうしたとか、宇宙の端っこはどうなってるんだとか、ヨタ話で盛り上がるのが常だが、今日は少しばかり真剣だ。
11月19日、千葉・内房は勝山かかり釣りセンター。
前日は嵐のように風雨が強かった。
出船時間を大幅に遅らせてアオリイカ狙いのティップランと、釣れるものを釣る自由なスーパーライトジギングである。
午前9時15分に港を離れると、濁りが相当に強い。
北風が残り、ウネリもある。
水深は20~30m前後、ヨッシーは餌木を投入して着底を確認すると、5~6回シャクり、竿先を上げて2~3秒待つ。
そしてまたシャクる。
これを2~3回繰り返したら、再び底取り。
糸が斜めになりすぎたら回収だ。
竿先を下げて待つ方法もある。
そのほうが合わせ幅を大きく取れるからいいっていう人もいるね。
今日は海があまりよくないから、竿先を立ててる。
そのほうがテンションがかかって、餌木が落ち着くんだ。
ティップランで大事なのは、餌木を安定させること。
これがなかなか難しいんだよ。
竿をシャクると、海中で餌木が跳ねる。
このアクションがアオリイカを誘う。
そして2~3秒止めて餌木が安定しているときにアオリイカが抱きつく、という皮算用である。
それにしても濁ってるね~。
今回はヤマシタのティップラン専用餌木「エギ王TR」のハイアピールモデルを使ってる。
ラトル音でアオリイカを寄せるつもりなんだけど・・・。
ティップランは、とにかくアオリイカが餌木に気付いてくれないと始まらない。
これだけ潮が濁ってると、なかなか厳しいかもねえ。イカ、賢いしねえ。
ティップランには色んなテクニックがあって、人によって方法論はまちまち。
コレという決め手に欠けるのは、たぶんイカがものすごく賢くて釣り人の手の内を読んでるから、だと思うけど、それだけに工夫の幅があって面白いんだ。
#ピシッ!#合わせを決めろ#ドヤ顔も決めろ#いれば釣れるから
ヨッシーは誘い方を変える。
竿のシャクリを大きくしたり、優しくしたり、メリハリをつけたり、フワッとさせたり・・・。
そういった工夫を、しかし、賢いイカが海中であざ笑っている(たぶん)。
様子を見ながらシャクリを変えてるんだけど、なかなか返事が返ってこないね・・・。
んっ!?
シャクリを止めて約1秒、ごくわずかに戻った竿先(ティップ)の動きをヨッシーは見逃さなかった。
ピシッ!釣り開始から45分ほど過ぎた午前10時ちょうどに、鋭い合わせが決まる。
よっしゃ!小さなアタリを逃さずに合わせて、ドンとイカの重みが乗った瞬間は、ごめん、ドヤ顔になるわ(笑)。
今までと何かを大きく変えたわけじゃない。
餌木もそのままだしね。
直前にフグらしきアタリが何度かあって、「おっ、生命感が出てきたぞ」と思っていた矢先だった。
ちょうどアオリイカがいる所に船が差しかかったんだと思うよ。
アオリイカがまとまった群れを形成していれば、アタリが連発するはずだ。
だが、この日はアオリイカのご機嫌が悪い。
残念ながらアタリは続かなかった。
自身も釣りが大好きな和田五郎船長が頻繁に流し変える。
勝山港を中心に南へ北へ、実績のあるポイントを狙っているが、なかなかシブい。
午前10時35分、ヨッシーが(たぶんイカに聞こえないように)ささやいた。
ここは釣れそうだよ・・・。
餌木をシャクっていると、いい抵抗を感じる。
潮が効いてるね。
だが、すぐには返事はこない。
午前11時8分、当コーナーのレギュラーキャラ、最近はめっきりイソメ使用シーンが見られないけどやっぱりイソメマンの鹿島一郎さんにヒット!
紛うことなきアオリイカだ。
「着底から6回シャクって、止めてすぐに乗りました!」
ティップランは7年ぶりというイソメマン鹿島だが、ここぞというタイミングを決して逃さない。
細い目をキラリと光らせ、大合わせを決めた。
その10分後、再びヨッシーがアオリイカを掛ける。
イソメマンとほぼ同じ、7回シャクって止めたところでアオリイカが抱きついた。
2杯目だ。
(左)竿先を海面に向けて寄せると墨をかけられない。(右)浮島になぜ穴が3つなのかが気になって仕方ない。
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エンジンを止めた船上で並んで釣るのが楽しい。
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餌勝商店社長・イソメマン鹿島は結構アタっていた。
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#見よう見まね上等#キタ!#ドヤ顔輝く#軟体動物に辛勝
イカがいる場所に船が入れば乗ってくるんだな。
今日はあまり過剰に動かさないほうがいいみたいだ。
潮の流れに乗って船がよく動いていれば、餌木を真下に落とす。
船があまり動いてないようなら、少し餌木を投げてやる。
着底したら、数回シャクって数秒止める。
止めてすぐに竿先が戻ったりモニョモニョしたモタレ感があったら、それがアタリだから速攻で合わせる!
ちょっとでも違和感があるとアオリイカはすぐに餌木を放しちゃうから、餌木を安定させることを心がける。
以上、やってみ!?やってみ、とヨッシーが語りかけている相手は、筆者・タカハシゴーである。
不器用のカタマリである。
ティップランは3年ぶりである。
釣れるはずが・・・キタ!ビックリした。
2投目でいきなりのアタリ。
驚いたのはアタリに、ではない。
アタリに即反応して合わせられた自分に驚いてしまったのだ。
ヨッシー&イソメマン鹿島の見よう見まねで6~7回シャクり、止めた瞬間だった。
お・・・面白い!餌木を安定させられた自信はないが、アオリイカが乗ったということは、正解から遠くなかったのだろう。
不器用のカタマリである筆者が見よう見まねでアオリイカを釣ったんだから、皆さんもきっと大丈夫。
ぜひティップランに挑戦してみてくださいね!と、美しくまとめて原稿を締めようとしているのにはワケがある。
この20分ほどの時合を過ぎると、再び内房の海は沈黙してしまったのだ。
潮の流れを見て、よく流れているようなら餌木にオモリを足して微調整するヨッシー。
30gの餌木に7g、あるいは15gのオモリを足し、最も餌木が安定する重さを探っていく。
が、反応は悪い。
やはりイカが一枚上手か。
賢いイカに、我われは反射神経で対抗するしかないのか。
このまま軟体動物門頭足綱に敗れ・・・。
ビシッ!
ヨッシーが合わせを決めたのは午後1時25分。
さっきの時合から早くも2時間が過ぎていた。
その間、ヨッシーは餌木をシャクり抜いたのである。
3杯目のアオリイカを仕留めたヨッシーのドヤ顔は、さすがに輝いて見えた。
(左)たしかこの後バラしたような・・・。(右)キタ!ビックリした。
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(左)マヅメに期待したが・・・。(右)場所によっても船の流れる速度が変わるのでシンカーやサイズなどで調整。
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#何がくるかな・・・#自由満喫SLJ#まさかのカワハギ #ドヤ顔に値する1枚
残り時間が迫る。
アオリイカに見切りをつけたヨッシーが、スーパーライトジギングに変更したのは午後1時50分のことだ。
明確に「この魚を釣る!」とターゲットを絞るんじゃなく、「何でもいいから釣れる魚を釣ろう」という楽しい釣りだよね。
ジャッカル・ビッグバッカースライドスティックのグリキングロードット(緑金)30gをベイトタックルに装着すると、1秒間で1/4回転という超スローでタダ巻きしている。
底付近をネチネチと探った後は、速いテンポに変更。
宙層にいる青物を狙う作戦だ。
どうやらヨッシー、底近くで魚の気配を感じているらしい。
「ん~?」と首をかしげながら、ネチネチ、ネチネチ。
と!ピシッと合わせる。
なんかキタ!なんだろう?
上がってきたのは、カワハギだった。
ヨッシーもジギングでカワハギを釣るのは初めてのこと。
さすがにうれしそうだ。
ジギングロッドでカワハギのアタリを取って、ジグにカワハギを掛けるって、なかなかじゃない!?
・・・またもドヤ顔だが、確かにスゴイ。
リーリングしながらいかに集中しているかが分かる。
アオリイカ狙いのティップラン、そしてなんでもこいのスーパーライトジギング。
そう、いずれもヨッシーはずっと集中力を絶やさなかった。
シブいときほど、集中力が切れそうなものだが、ヨッシーは逆だ。
少ないチャンスだからこそ、絶対にモノにする。
その気迫と意気込みを、沖揚がりを迎えた日没直前の午後4時半まで見事に貫き通したのであった。
(左)ゴゴゴン!と鋭い引きで上がってきたのは・・・(右上)ビッグバッカージグ・スライドスティックにアカハタがヒット。(右下)こちらはビッグバッカージグにエソ。
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ジギングでカワハギを釣るのは初めてのこと。
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1杯目を釣ったときがサイコーにうれしかった!今期初ティップランで状況はシブく、「どうなんだろうなあ」とちょっと不安だったからね。ティップがコンッと戻るアタリだった けど、それは割とやる気がある証拠。群れが小さい印象は否めないけど、3バイト、3キャッチだからね。アオリイカのいる場所に船が流れたときに確実に仕留めるような、集中力が求められる一日だったよ。疲れたけど気持ちよかったな~!
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#ティップラン&スーパーライトジギング
釣り好きの和田五郎船長は、状況を見てこちらのリクエストを聞いてくれる柔軟な「釣り人の味方」。
潮が速すぎず、遅すぎずといい具合のときはアオリイカ狙いのティップランを、潮が止まったときは根魚を中心としたスーパーライトジギングと両方を楽しませてくれた。
ティップランは、シャクって止めたときにとにかく餌木を安定させることがポイント。
スーパーライトジギングは根魚を狙うなら波動が弱めなジグを超スローに動かすといい。
タダ巻きで十分だ。
何度か底付近を攻めて反応がなければ、回収がてらジャカジャカ巻きで青物を狙おう!
TACKLE&LURE GUIDE
ティップラン・スピニングタックル
ロッド=ジャッカル・青帝STPSー210MーST
リール=シマノ・バンキッシュC3000XG
メインライン=シーガー・PEX8 ルアーエディション0.6号
リーダー=シーガー・グランドマックスFX3号2ヒロ
スーパーライトジギング・ベイトタックル
ロッド=ジャッカル・GSWーC68SUL
リール=シマノ・オシアカルカッタ300
メインライン=シーガー・PEX8ルアーエディション1.2号
リーダー=フロロカーボン5号3ヒロ
バイトリーダー=シーガー・グランドマックスFX5号2ヒロ
スーパーライトジギング用メタルジグ
①ビッグバッカージグ・スライドスティック
②ビッグバッカージグ
③ラスパティーン
④ビンビンメタルTGスロー
⑤ビンビンメタルTG
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【隔週刊つり情報(2020年1月1日号)※無断複製・転載禁止】