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定番のコマセ釣りで良型青物をゲット!コマセ釣りのワラサ入門

隔週刊つり情報編集部

ワラサとは標準和名ブリの若魚を指す関東での地域名。ワラサはブリの一歩手前、重さについては3~5kg級といったところ。

その魅力はなんと言っても青物ならではの引きの強さで、想像を超えるパワーに未経験者は驚くはず。

数ある青物の中でもコマセ釣りで狙うワラサは比較的釣り方が簡単で、初挑戦でも釣れる確率が高い。

よ~しワラサを釣ってやろうじゃない、私と同じく釣ったことのない皆さん!

まずはどこで釣れているのか、チェックしてみよう。

11月下旬、コマセ釣りでワラサが上がっているのは内房の保田~富浦沖、三浦半島城ケ島沖、東伊豆の初島周り、南伊豆の白浜沖など。

初島周りはピークを過ぎ、内房と南伊豆はマダイとの両狙い。

よって、ワラサを専門に狙うのであれば、現況では三浦半島城ケ島沖だろう。

剣崎間口&松輪港を始めとしたワラサ狙いで出ている各船宿では、日によりムラはあるものの3~4kg級主体に平均2~3本、いい日はトップ10本以上の釣れっぷりが続いている。
 
11月13日に取材した剣崎松輪港の成銀丸では、城ケ島沖の水深50~60m前後で朝から釣れ始め、船中ほとんどの方が3~4kg級のワラサを釣り上げた。

当日の模様は後述するが、山田真成船長に教わったとおりに釣ることで私も初めてのワラサをキャッチできた。

今回はビギナーの私が船長に教わったワラサを釣るための必要なタックルや仕掛け、押さえておきたい釣り方をまとめて紹介したい。

ブリ(ワラサ)の基礎知識はこちら!

釣行の写真

城ケ島沖のワラサは3~4kg級主体

釣行の写真

(左)釣り場は城ケ島沖の水深50~60m前後。(右)ワラサの強烈な引きを堪能しよう。

パワーのあるタックルを使いドラグ調整も忘れずに!

まずはタックル。

竿はワラサの引きを受け止めるパワーを備えた全長2~2.4m前後の青物用ワンピースロッドや硬めのコマセダイ竿、遠征五目竿、ワラサ対応の汎用竿などが適している。

リールはドラグ性能に優れていれば手巻きリールでもいいが、初心者はワラサをガンガン引き上げられるパワータイプの中小型電動がおすすめ。

道糸はPE4~6号で、正確にタナを取るため、最初の10mを色変わりで合わせておこう。

出船前の準備で必ず行いたいのがリールのドラグ設定。

ドラグが緩いとワラサに走られてオマツリすることもあるので、道糸を両手で強く引いて少し出る程度に調節しておこう。

基本はハリス8号6m。太さや長さは替えてもいいの?

ハリスは船により推奨する号数が変わってくるので釣行前に確認しよう。

基本はフロロカーボン8号6m。

アタリが遠いときのためにハリス6号6mの仕掛けも用意してもいいが、成銀丸の山田船長はハリス8号、長さ4.5mを推奨している。

「食いが渋くなるとハリスを細くして狙うこともありますが、ビギナーの場合は慣れていないのでヤリトリに時間がかかり、そのためにオマツリしてバラしてしまうことがあります。

8号ハリスであればやや強気で巻き上げても取り込めます。

長さについても、短いほうが扱いやすいですし、やはりオマツリしにくいところが長所。

ワラサはコマセに突っ込んできますので、短くても釣れますよ」と船長。

ハリは太軸で丈夫なヒラマサ用やワラサ用の12号前後を結ぶ。

込み合う船上ではオマツリも多い。

複雑に絡んでいたらカットして仕掛けを付け替えよう。

そのため予備として5組くらい必要となる。

また指定したハリスの長さを基準に船長は指示ダナを出すので、自製するときは正確に長さを計っておこう。

釣り具の紹介

ワラサ基本仕掛け

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釣り具のセッティング

釣り具の写真

船ベリに道具をセットした状態。コマセオケ、船ベリに固定する金属製のリングは船に準備されているオキアミブロックは凍っているので、バケツに海水をくんで溶かしておく。

コマセカゴはLサイズが基準コマセはドバッとまく

コマセカゴはいずれの釣り場でもプラビシもしくはステン缶のLサイズ相当で、使用オモリは80号。

伊豆方面では100号となる釣り場や船もあるので釣行前に確認しておこう。

ワラサはコマセに突っ込んでくるので、タナに厚くコマセをまくのが基本。

そのため1度のタナ取りでコマセを出し切るようにコマセカゴを調整する。

プラカゴであれば上窓を全開、下窓を8mmほど開けておく。

ステン缶は穴を塞がずそのまま使えばOK。

コマセカゴのコマセは詰めすぎると出が悪くなるので注意。8分目がほどよい。

付けエサはオキアミ1匹掛け。イカタンの使いどころとは?

コマセと付けエサはオキアミ。

取材で訪れた剣崎松輪港ではどちらも漁協で購入する。

コマセ用の3kg板は粒が大きい良質なオキアミなので、その中から形のいいものを選んで付けエサ
として使ってもよい。

エサの付け方は様ざまだが、船長のおすすめはオキアミの1匹掛け。

しかしエサ取りが多いこともあるため、エサ取り対策としてオキアミとイカタンの併用もすすめている(イカタンは持参となる)。

潮が濁っているときにエサの存在をアピールしたいときは、オキアミでイカタンをサンドイッチ(通称イカタンサンド)にするのも有効。

薄くて長めに切ったイカタンは独特のユラユラアクションで小魚のような動きをし、思わずワラサが食い付くこともある。

コマセカゴの調整

釣り具の写真

(左)ワラサはコマセをタナに厚くまいて寄せるイメージで狙う。コマセカゴの調整は上窓を全開、下窓を8mくらい開く。(右)コマセの量は8分目が目安。

エサ付け例

餌の写真

付けエサはコマセの中から形のいいものを選んで使用するか、漁協で付けエサ用のオキアミも購入する。イカタンを使いたい人は持参となる。イカタンはハサミでカットし、オキアミと同じくらいの大きさにしよう。

餌の写真

(左)エサ付けはオキアミ1匹掛けが基本。付け方はオキアミの尾羽根を切り、ハリに沿わせるように通し刺しにしてハリ先を出す。(中)エサ取りが多いときはエサ持ちがいいイカタンを併用するのも有効。付け方は端にチョン掛けにする。(右)オキアミ、イカタン、オキアミの順で刺した「イカタンサンド」と呼ばれるエサ付け法。アピール度が高くておすすめ。

船長の指示ダナは厳守!仕掛けの入れ直しは3分

釣りが始まる前には必ず船長からタナの指示が出されるので聞き逃さないようにしよう。

投入の合図が出たら、コマセカゴを海面に下ろし、ハリスをつかんでおく。

もう一方の手でリールのクラッチを切り、スプールを軽く押さえたら、つかんでいたハリスを手の中で滑らせつつ、絡まないように送り込み、ハリが手元に近づいたところで海面に放す。

仕掛けを沈めるときは、糸フケを出さないようサミングしよう。

タナの取り方には、海面からと海底からの2種類があり、成銀丸は海面からタナを取る。

その場合、船長からの指示ダナは「上から〇m」もしくは「〇m」とアナウンスされる。

仕掛けを投入し、指示ダナよりもハリス分ほど下ろしたら、手前マツリしないよう仕掛けが潮になじむ(目安は10秒)のを待ってから、竿を大きく振り上げてコマセをまき始め、2~3回に分けてコマセを振って指示ダナに合わせる。

海底からタナを取る場合の指示は、「水深〇mです。底から〇mでやってください」「下から10m」「ハリス分プラス3~4m(※マイナスの場合もある)」などといったアナウンスがある。

仕掛けを投入して着底させたらしっかり糸フケを取り、できるだけ道糸が真っすぐに立つように底ダチを取ってから3~5mほど巻き上げて、2~3回に分けてコマセを振り出して指示ダナに合わせる。

タナの基準が海面、海底いずれの場合も、道糸の色変わりとマーカーで正確に合わせよう。

「ワラサはコマセに突っ込んできますから、しっかりコマセを振ってタナを正確に取れていればすぐに食ってくることが多いです。

アタリが遠いときでも、3分間たったら仕掛けを入れ直し、コマセを切らさないようにしてください」と船長。

もちろん1人で頑張っても意味がないので、船中一丸となってコマセを振ることが大切。

コマセをまかないと群れが船下を素通りしてしまうからだ。

仕掛けの投入例

釣行の写真

(左)コマセカゴを沈める。必ずコマセカゴ →ハリスの順で行う。(中)リールのクラッチを切り、手の中でハリスを滑らせながら沈める。(左)エサの付いたハリを入れる。

ワラサのタナ取りイメージ

コマセの振り出し例

釣行の写真

竿先を海面に向けて構えたらリールの前のグリップを支えながら竿を大きく振り抜く。

慌てず焦らずスイッチオン!

ワラサのアタリは竿先がフワフワと動いて一気にギューンと海面に突っ込むことがほとんど。

竿が曲がった時点でほぼ向こう合わせでハリ掛かりするから、竿をあおって合わせなくても大丈夫。

最初は勢いよく走られることもあるが、無理に止めようとせず魚が止まってから竿を起こして巻き上げに移ろう。

電動リールで巻き上げる場合には、巻き上げ速度を中速(例えば30段階のリールなら15くらい)にして、一定の速度で巻き上げるのがコツ。

ポンピングをするとテンションが緩みバラシの元となるので行わないこと。

取り込みは、コマセカゴをオケに入れてからハリスをつかんでたぐり、途中で急に突っ込まれたらすぐに手を放し、ワラサを走らせてからたぐり直す。

力ずくで魚を止めるとハリス切れを起こすおそれがあるので要注意。

また、ハリスを手に巻き付けてたぐると危ないのでやらないこと。素手だとハリスが食い込んで痛いし、滑りやすいのでグローブや指ゴムを着用しておこう。

タモ取りは、船長や仲乗りさんにおまかせすればいいのだが、次つぎとヒットする状況で間に合わないときは、周囲の人と協力し合って取り込もう。

タモ取りのコツは、魚の頭が海面に出てからタモを入れること。

タモを海中に入れて待ったり、尻尾のほうから追いかけ回すと魚が逃げ回ってバラシにつながるので気を付けよう。

ワラサの取り込み例

釣行の写真

(上)電動リールの巻き上げ速度を中速にしてテンションを保って巻き上げる。(中)コマセカゴをつかんだらオケに置く。(下)指ゴムやグローブがあるとスムーズにたぐれる。ハリスをたぐってワラサを寄せ、頭側からタモへ入るよう誘導する。たぐるときハリスを手に巻き付けてはダメ!

ワラサに気づいてもらえ!「目立つが勝ち」のイカタンサンド

取材に訪れたのは11月13日、成銀丸は城ケ島沖へ向かった。

「タナは上から50mです。5m沈めてからコマセを3回に分けて振り、タナ取りしてください」との開始の合図があり、ハリス8号4.5mの仕掛けにオキアミを1匹掛けにして投入すると、1投目から800gのマダイが上がった。

「48mです。反応がありますよ」とのアナウンス。

起伏があり指示ダナが頻繁に変わっていくなか、右トモの福西さんに3kg級のワラサがヒット!

これを皮切りに右大ドモ、左大ドモのお客さん、そして再び福西さんと続き、3~4kg級が次つぎと取り込まれていく。

福西さんの付けエサはイカタンサンド。

潮が濁っているので目立つようにしたとのことで、マネをしてみる。

イカタンサンドに替えた1投目、タナを取ってから1分と待たずに竿先が海面に突っ込んだ。

竿を立てて巻き上げを開始。

先ほどのマダイとは比べものにならないくらいよく引くし、時折ギュッギューンと強く引き込むのでバラシそうでビビってしまう。

カチコチに固まり、ぎこちないヤリトリをする私を見かねて駆けつけてくれた船長が、「8号ハリスだから、どんどん巻いちゃって大丈夫だよ」とアドバイスしてくれたので、少し安心して肩の力が抜けた気がする。

やがてロッドキーパーに竿を掛けて、ハリスをたぐろうとしたが、オマツリしているため、ここで選手交代。

船長がハリスをたぐり、私がタモ入れ。

人生初となる3kg級のワラサを自分で取り込んだ。よほど力が入っていたのだろう、手が小刻みに震えていた。

その後、再投入してタナを取るとすぐにズドンと竿先が突っ込んだ。

2回目ともなるとヤリトリも余裕が出てきて、強い引き込みに昇天。

タモから出して手にしたワラサの重量感が心地よかった。

釣行の写真

ワラサを釣り上げたらハリスに傷がついていないかチェック。

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