【アオリイカと餌木あそび】餌木シャクリ
初めて挑んだ釣り人がトップに立つ。 餌木シャクリはそんなケースも時どき起きる、腕より運の船アオリ釣法。 その運をたぐり寄せるために、しっかりと基本を押さえておこう。
隔週刊つり情報編集部PR
10月28日、餌木シャクリのアオリイカ乗合をスタートさせた相模湾腰越港の蒼信丸へ乗り込むと平日にもかかわらず定員14名の満船。
本来は20名くらい乗船できる大型船だがコロナ対策で定員を減らしており、ゆったりした釣り座で安心して楽しめる。
ともあれ、満船は釣れている証。
関塚船長も「真沖から平塚沖にかけての水深20~40mを転々とリサーチしてますが、昨シーズンよりはイカが多い感触です」と言う。
朝一番のポイントは腰越沖。
指示ダナは海底の起伏に合わせて少しずつ変わるものの、おおむね海面から25m前後といったところだ。
さほど経験がなくても、タナに合わせて根気よくシャクればアオリが乗ってくる餌木シャクリは、幅広い世代に人気がある。
当日も20~30代の若者、40~50代のご夫婦、シルバー世代まで多様な顔ぶれで賑わい、さっそく数名のロッドが弧を描いた。
上がってきたアオリイカのサイズは400~700g。
乗った餌木のカラーをチェックするとピンク系が多い。
数名のベテランさんが言うには、「食い気がある朝はピンク系の派手な餌木がいいね。
日が高くなって乗りが渋くなると、茶色や紫色の地味なカラーのほうがポツポツと拾えるかな」
そんな餌木カラーの傾向を教えてくれた一人が左舷トモの須田さん。
前ページで紹介したバーチカル・ティップランの使い手だ。
朝の1時間で3杯を釣り上げた餌木もピンク色で、腹色はマーブルだった。
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約2時間で半数の釣り人がアオリイカを手にしたところで乗りが渋くなり、茅ケ崎のエボシ周りへ移動。
ほかにアオリ船は見当たらず、スレていないイカが多いせいもあって釣り始めは乗りがいい。
そのパターンをよく知るベテン諸氏は、合図と同時に手際よく投入。
自分の餌木を真っ先にアオリイカの目の前に下ろしてシャクり、ドン!と竿を曲げている。
3杯、4杯と数を重ねる人は、間違いなく隣人よりも投入が早い。
どうにか1杯という方もいるが、お昼近くには11名が本命をキャッチ。
このころには足繁く通う常連さんたちの言葉どおり、ブラウン&ゴールドやオリーブ&マーブルなど、ナチュラルカラーの地味な餌木によく乗っていた。
いい感じで平塚沖へ移動。
ここも釣り始めの1~2流しに乗りが集中し、4名同時にヒットする好場面も。
サイズもよく、大半が0.7~1㎏級だ。
気付けば3~4名の顔やウエアに、アオリイカの墨が飛び散っている。
今日のイカは妙に墨を吐き、バケツの中からブシュッと釣り人に墨噴射を浴びせるシーンもあった。
けれどその墨もアオリ釣りの勲章、困った顔をしながらも皆さん爽やかに笑っている。
潮が止まって乗りが悪くなったところで、ちょうど沖揚がりの時刻。
オデコが2名出てしまったものの、7名の釣り人が3杯以上を確保して、船中の総釣果は47杯に達した。
評判どおり今シーズンのアオリイカは沸きがいいようだ。
ちなみにこの日はミヨシ側が有利だったようで、うち3名が6杯ずつ釣り上げている。
ところがトップは大ドモで9杯を釣り上げた、バーチカルティップランの須田さん。
「餌木シャクリ船で釣っても、こんなふうにけっこう楽しめる。興味のある人は試してみなきゃ損ですよ」
そこまで須田さんが言うのなら、個人的にも研究してみたいところ。
ティップラン経験者ならとくに苦もなく遊べるだろうと関塚船長は言い「隣人に迷惑をかけないように楽しめる釣り手なら大歓迎」とのこと。
ひょっとしたら今シーズンのトレンドになるかもしれない。
隔週刊つり情報(2020年12月1日号)※無断転載・複製禁止
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