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[吉岡進の新世代沖釣り方程式(第12回)]ルアー夜メバル五目(宮川丸/東京湾奥木更津港)

隔週刊つり情報編集部

夜の海に船で繰り出すだけでもワクワクするのに、ウルトラライトタックルならではのダイナミックなファイトとスリリングなヤリトリまで満喫できてしまうルアー夜メバル五目。

状況を的確に読んで瞬く間にツ抜けを果たしたヨッシーだが、それでも飽くことなくロッドを振り続ける。

やめられない止まらない、ナイトボートフィッシングだ!

プロフィール

生徒◆たかはし ごう

幼稚園のころから沖釣りをしているはずなのに、いつまでたっても上達しない「永遠の初心者」。

釣りそのものより海に浮かんでいることに喜びを感じている様子で、うまくなる気配なし・・・。

先生◆よしおか すすむ

新型コロナウイルスの感染予防に最大限配慮しながらも、忙しく全国の船に乗り、多くの沖釣りファンたちとの交流を楽しむヨッシー。

船を下りてからもそのまま竿を担いで陸っぱり。

タックルさえあれば永遠に釣りし続けているのではないかという、夏休みの少年状態。

今日もどこかで竿を振っている。

ルアー夜メバル五目って何が釣れるの?

本命はメバルだが、ストラクチャー周りを攻めるのでゲストは豊富。

ソフトルアーを中心としたルアーにアタックしてくるフィッシュイーターは、アジ、カサゴ、そしてシーバスなどバラエティに富んでいる。

どの魚種も20~25cmほどのサイズが主体だが、ウルトラライトタックルを使用するのでアタリは明確、引きは強烈!

きらびやかな夕日を浴びて、宮川丸が木更津港を離れる。

夕刻5時半の出船は、それだけでなぜかテンションが高まる。

これから始まるのは、非日常の世界だ。

空が少しずつ藍色に染まっていく。

夜の東京湾に繰り出してのルアー夜メバル五目は、ちょっとしたアドベンチャー気分が味わえる釣り物だ。

港を出てすぐ、まだ夕日の残る中、ストラクチャー周りを攻め始めた。

ちゃぷん、ちゃぷんと波音とエンジン音が聞こえるだけで、海はとても静かだ。

ルアー夜メバル五目のタックルは、超ライト。

ウルトラライトなロッドに2000番前後のスピニングリールを組み合わせ、ラインはPE0.4号にリーダー1号という、

沖釣りとしてはかなりの細糸仕様となっている。

ジグヘッドにソフトルアーを付けるだけ、というシンプルな仕掛けなうえに、ジグヘッドは2gが中心。

ロッドやリール自体が軽量ということもあって持ち重りなどが一切なく、気軽だ。

開始早々、いきなり筆者(タカハシゴー)にアジが釣れた。

底付近をフワフワと漂わせてのヒットだ。

うれしいゲストは、「五目」の名にふさわしい豊かな釣りを予感させてくれた。

いい夜になりそうだ・・・。

ルアー夜メバル五目はタックルこそ気軽だが、決してイージーな釣りではない。

暗い夜の海に向かって2gほどの極小ジグヘッドリグを投げると、いつどこに着水したかが分かりにくいのだ。

しかも、狙うのはストラクチャー周りの暗部や消波ブロックのキワキワなど、それなりにピンポイント。

比較的高いキャスト精度も求められる。

「確かに、ちょっと独特なスキルが必要な釣りと言えるね」とヨッシー。

船釣り経験の浅い人がいきなりルアー夜メバル五目にチャレンジするのは、ちょっとハードルが高いかもしれない。

あえてそういう釣りにチャレンジするのも釣りの面白さだと思うけどね!

いくつかのポイントを巡りアジやカサゴなどをポツポツと拾い釣りをするうち、いつしかとっぷりと日が暮れ、海は闇に包まれていた。

いよいよメバルの時間帯だ。

消波ブロック目がけて2gのジグヘッドを投げ、キワキワに着水させる。

わずかに吹く風の向きを読み、糸フケの様子からリトリーブすべきか、テンションフォールさせるかを判断するヨッシー。

「今はまずまず風が吹いていて、糸フケも多め。つまり風に引っ張られてジグヘッドはまぁまぁの速さで動いてる状態だ。

ここでさらにリトリーブすると、メバルは追いつけなくなってしまう。

メバルはそんなに泳ぐスピードが速くない魚だからね。ここはテンションフォールがちょうどいいかな・・・」

この作戦が完全にハマった。

ワンキャスト、ワンフィッシュの入れ食いだ。

船中のあちこちで続ぞくとメバルが取り込まれ、大賑わいになる。

静かな夜の海に、エネルギッシュな生命感が踊る。

バシッと合わせが決まると、ウルトラライトのソフトなロッドが大きく曲がる。

メバルは最大でも25cmほどで超大物というわけではないが、かなりの爽快感が味わえる釣りだ。

瞬く間にツ抜けを果たし、さらにアグレッシブで鋭いキャストを繰り返し続けるヨッシー。

「釣り時間は3時間の短期決戦だからね。状況もポイントも刻々と変化するから、休んでいる暇はないよ(笑)。ウルトラライトラックルだからこそのダイナミックな引き味は楽しいし、本命のメバルはもちろん、ゲストのアジやカサゴなども食べておいしい魚ばかりだからね。沖釣りの楽しさが満載なんだよ!」

釣行の写真

釣り場は木更津沖の水深10メートル10m前後。

タックルの方程式:アジングタックルを流用OK

陸っぱりで使用するアジングやメバリングタックルをそのまま船に持ち込めばOK。

専用ロッドを持っていなければ、ウルトラライトなバスロッドやトラウトロッドなどが手に入れやすいよ!

キャストするけど飛距離はあまり必要ないので、ロッドは長すぎないほうが取り回しやすい。

7フィート(約2.1m)未満がオススメだ。

リールは2000番前後の小型スピニングでOK。

ラインはPE0.4号とリーダー1号の組み合わせだ。

アジ狙いならもっと細くてもいいが、メバルは歯があり糸を傷めやすいので、ちょっと太めを選んでいる。

宮川丸の場合、ジグヘッドは2gがメイン。

とても軽いので、あらかじめ港など安全が確保できる場所でキャスト練習をして、フィーリングをつかんでおこう!

釣行の写真

ヨッシー、ゴーさんともメバル、アジ狙いで2タックルを用意。実釣時間が短いので2タックルあるとトラブルがあっても、すぐに釣りに復帰できるのでおすすめ。

ルアーの方程式:ジグヘッド+ソフトルアーが基本

ソフトルアーはアジングやメバリング用のものをそのまま使うが、メバルが本命ならシャッド系を選んでおけば間違いないよ。

今アツいのは、ジャッカルのタイドビート。

小型シャッドテールを備えているこのソフトルアー、メバルの大好物であるシラスを模した超微波動を発生するのが特徴。口の中で折れ曲がりやすく、フッキング成功率も高い。

ソフトルアーは種類が豊富で選ぶのも楽しい。

シャッド系は基本だが、その時どきで当たりルアーは変わってくるので、色いろな種類をタックルボックスに忍ばせておこう。

また、メバルをメインターゲットとして開発されたソフトボディルアーも面白い。

ジェリーサーディン54は、ただ巻きするだけでテールを左右に振り、シラスに似たソフトボディがメバルを魅了するルアーだ。

トゥイッチを入れても楽しいよ!

釣行の写真

ジグヘッドは2g前後をそろえておこう。明るい時間帯や常夜灯周りはクリア系、暗いときはアピール系が効く。

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釣行の写真

(左)表層をゆっくり引いて探るのに最適。(真ん中)メバルがライズしているときに活躍する。(右)明るい時間帯はスプーンやジグも有効。

先生が教える基本釣法:キワキワに潜むメバルをシビアに攻めろ!

ポイントによって様ざまな釣り方を繰り出す創意工夫が、ルアー夜メバル五目の面白だよね。

消波ブロック周りならキワキワにキャストし、カーブフォールしてブロックに着いているメバルに食いつかせる。

明暗差のある場所では、メバルは必ず暗所にいる。

暗がりにルアーを投げてスローリトリーブで横引きするのが基本だ。

メバルは宙層にいることが多いので、カウントダウンしながらメバルのいるタナを見つけよう。

群れているから連続ヒットにつなげられるぞ! 

岸壁周りなどもキワキワ。

メバルはとにかくストラクチャーにタイトに着いているので、ギリギリを狙うのがコツだよ。

生徒なりのお気付きポイント:2尾は釣ったものの、経験不足がモロに露呈・・・

ム、ムズい・・・。

暗い海に2gのジグヘッドを投げるのは、想像以上に難しい。

船の照明がうまく海面に当たっていると小さなしぶきが見えて安心できるのだが、そうでなければ暗中模索五里霧中。

ロッドとリールを新調してタックルの準備は抜かりなかったが、スキルが追いつかなかった。

あらかじめ夜の陸っぱりアジングで練習しておけばよかったなぁ!

釣行の写真

(左)壁際や底に魚が着いているので、際にルアーを落として底付近まで探る。(右)消波ブロックの際にキャストして、カーブフォールでメバルを狙う。

釣行の写真

(左)メバルは浮いているので表層付近をゆっくり引いてくる。(右)リトリーブの基本はスローのただ巻き。

釣行の写真

(左)取り込みは船内に抜き上げる。(真ん中)小さいのに目が大きくてかわいいメバルをまじまじと見るゴーさん。(右)メバルの活性が高いとソフトルアーを丸飲みにすることも。

ヨッシーの実釣レポート:途切れないアタリが心を癒してくれるよ!

いや~、釣れた釣れた! 

気持ちよく合わせが決まり、気持ちよく竿が曲がったね。

船中を見渡すと、陸っぱりでのアジングやメバリングの経験者が多い様子。

皆さん手練れといった雰囲気で、次つぎにタルにメバルを収めていた。

これが船からのルアー夜メバル五目の魅力。

陸っぱりに比べて明らかに数釣りが楽しめるんだ。

当日は絶好調というわけじゃなかったけど、3時間まったくダレることなく釣れ続けた。

ある程度のスキルを備えた人にとっては、まさに癒やしの釣りだね!

釣行の写真

(左)「楽しい~!」 と言いながら次つぎとメバルを上げる。(右上)開始早々、ボトム付近でアジをゲット。(右下)かわいらしい「イルカやん」を使うオジサン。

釣行の写真

(左)ストラクチャーの際にキャストしてスローのただ巻きで食わせた。(右)同船者の皆さんは小気味いい引きのメバルに夢中。

ルアー夜メバル五目の解:釣果の差=キャスト精度の高さ

難しい顔でキャストするゴーさんの姿を見て、「ああ、なるほど」と思った。

この釣り、タックルこそウルトラライトでそろえやすいが、ある程度の経験が必要だ。

夜の海で軽量なジグヘッドを狙ったポイントに落とすには、陸っぱりで練習をしておいたほうがよさそうだ。

そこさえクリアすれば、釣り方自体はただ巻きやカーブフォールが中心で難しくない。

それで陸っぱりより豊かな釣果が得られることは間違いナシなんだから、練習あるのみ。

ちなみにキャストそのものも決して難しくないよ!

釣行の写真

(左)ゴーさんにキャストやリトリーブなどを細かくレクチャーする。(右)ワンキャストワンヒットで釣りまくるヨッシー。

釣行の写真

(左)常夜灯周りで表層に浮いたメバルをジェリーサーディン54でキャッチするヨッシー。(右)メバルとカサゴのトリプルヒット。 同じポイントでも探るレンジが違うと釣れる魚も変わってくる。

【船宿インフォメーション】東京湾奥木更津港 宮川丸

TEL:0438・23・4891

メバルのポイントを熟知している宮川船長は、熱心かつスピーディーにランガンしてくれるから、釣っている側としてもテンションを保ちやすいんだ。

分からないことがあればていねいに教えてくれるから、なんでも聞いてみよう! 

夜のちょっとしたお楽しみとしてぜひ足を運んでほしい船宿だ。

とくに陸っぱりでアジングやメバリングをしているアングラーは、たくさんの魚がヨユーで釣れてしまう沖釣りの魅力に取りつかれるはず。

初めての方も恐るるに足らず! 

ぜひチャレンジしてほしいな!

釣行の写真

(左)船内の至る所にLEDなどの照明があり、 夜釣りが快適に楽しめる。(右)的確なアドバイスで釣らせてくれる宮川邦夫船長(中央)。

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【隔週刊つり情報(2021年6月1日号)※無断複製・転載禁止】

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