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鎌倉沖の深場攻めで上昇気配 年末年始は相模湾のコマセダイ(福栄丸/神奈川県葉山芝崎港)

隔週刊つり情報編集部

気が付けば今年も残りわずか。

そろそろ正月の支度も考えなくては。
 
正月と言えば欠かせないのが祝い鯛。

釣り人ならば自分で釣ったマダイで新年を祝いたいものだ。
 
そこで今回は様子見で三浦半島葉山芝崎・福栄丸のマダイ五目へ11月下旬に出かけた。
 
このところの同船の釣況は、数こそ控えめながら2~3kgのマダイがコンスタントに上がっており、それにワラサやアマダイなどのゲストが登場している。
 
船宿で受付を済ませたお客さんたちと釣り談義をしていると、「そろそろ皆さん、船のほうに向かってください」と船長に促され、準備が整った6時半に12名を乗せて港を離れた。

1投目で本命登場

ポイントの鎌倉沖に30分ほどで到着すると、さっそく矢島船長から、「タナは87mです。始めてください」と開始の合図が出た。
 
同宿は海面からのタナ取りとなっており、指示ダナ+ハリスの長さの半分まで下ろしたら、仕掛けが潮になじむまで8~10秒ほど待った後、コマセを振りながら誘い上げてタナに合わせる。
 
ちなみに、ここの水深は95mだから、おおむねコマセカゴが海底から8mの位置にあることになる。
 
さて、早朝の好時合、モーニングサービスはだれにくるのか?と船上の様子を見ていると、私の隣、右2番の長谷川さんに1投目からアタリきた。
 
カメラを海面に向けて構えていると、ユラユラとパールピンクの魚影が浮かび上がってきて、タモ取りされたのは1kgオーバーのきれいなマダイ。
 
間を置かずに、右トモの大沼さんが「こっちにもきましたよぉー」と言ってファイト開始。
 
引き込みからして2kgはありそうに見えたのだが、20mほど巻き上げたところで「あ~!」と悲痛な声を上げた。

痛恨のスッポ抜け、肩を落として残念がっている。
 
しばらくすると左胴の間の渡部さんにヒット。

大きくしなる竿を両手で支え、重い、重いと必死に耐えながら、「これはマダイじゃないな。ワラサだと思うけど、サメだったらごめんね」と私に声をかけてきたので、「無理はしないでください」と答える。
 
仕掛けはハリス4号とのことで無理は禁物。

巻いては出され、出しては巻いての攻防の末、無事タモに収まったのは4kgのワラサ。

「あ~疲れた」と、深く息を吐きながら笑顔を浮かべる渡部さん。

「こっちもワラサだなぁー」
 
続いてヒットさせたのは右胴の間の和田さん。

慣れたヤリトリで取り込んだのは4.5kgの丸まる太ったワラサだ。
 
さらに左ミヨシの百瀬さんが「何かきたみたいだけど・・・」と巻き上げ開始。
 
マダイかも・・・と海面をのぞいていると、ポッカリ浮かび上がったのは45cmのアマダイ。

「本命ではないけど、このサイズはうれしいね」と百瀬さんは頬を緩める。
 
順調そうに思えたが、その後はパッタリとアタリが途絶えてしまう。
 
船長に様子を聞くと、「急に水温が下がったし、潮が澄みすぎて明るくなって、マダイが警戒しているのかなぁー」と首をひねった。

釣行の写真

目下の釣り場は鎌倉沖の水深90~100m前後

釣り人の写真

45cmのアマダイも登場

釣り人の写真

ワラサは4~5kg級がアベレージ

デカイのきたぞ!

ここで私も竿を出すことに。

コマセダイで大事なことは、ドラグ調節と正確なタナ取り、そしてコマセを出しすぎないことの3点。
 
仕掛けを回収する際にドラグを締めるが、うっかりそのままの状態でアタリを待つと、突然の突っ込みに対応が遅れてハリス切れすることも。
 
タナ取りは道糸で見る習慣をつけて、コマセはパラパラと出る程度にコマセカゴの窓を調節する。
 
当日のようにマダイの食いが渋い状況の対応としては、ハリスを細くする、長くのばす、ハリを小さくするなどの方法がある。

しかしこの日はワラサが回遊していたので、オマツリやハリス切れを軽減するため標準仕掛けの4号8mとした。
 
コマセを振って指示ダナに合わせた後、しばらくしたらジリジリと3mほど巻き上げ、再びゆっくり指示ダナまで落とし込んで誘う。
 
しかし、積極的にあの手この手で果敢に誘いを入れる釣りも楽しいが、船上から優雅に富士山を眺めながらアタリを辛抱強く待つ釣りも楽しいものだ。
 
このどちらにも共通しているのが、日常の喧騒を忘れて心のリフレッシュができる点ではないだろうか。
 
静かな時間が流れていると、突然右トモの大沼さんがアタリをとらえた。

「これはワラサみたいですね」と竿を深く曲げてヤリトリしながら、徐々に浮かせてタモに収まったのは4kgのワラサ。
 
続けて右胴の間の和田さんにアタリ。

こちらもかなり抵抗しているが、どうやら本命のマダイらしく、みんなの熱い視線を一身に浴びていたのだが・・・途中でオマツリしてあえなくハリス切れ。

「あ~、間違いなく良型のマダイだったのに」と船長もガッカリ。
 
そしてラスト1投となり、皆さん片付けを始めたところで右ミヨシ3番の江口さんが最後の最後に食わせた。
 
釣り上げたのは1kg級のマダイ。

速く巻き上げたので目が飛び出してしまったのはご愛敬として、ラストに本命で有終の美を飾ってくれた。
 
当日は潮が澄んでしまったことと、急な水温低下の影響で今一つの結果に終わったものの、次の出船では5.1kg、4kg、3.5kg、3kg、2.8kgと大型ぞろいでトップ4枚が2名と復調の兆しを見せている。

正月用の祝い鯛を求めて、皆さんも出かけてみてはいかがだろう。

道具の写真

コマセカゴはオモリ80号のLサイズ、ハリス4号8mが基準

釣り人の写真

大ダイや青物に備えてドラグ調整を忘れずに

釣行の写真

軟調竿でマダイの引きをいなす

釣り人の写真

ラストの流しで釣れたうれしい1枚

知っ得!マダイのウロコ取り

マダイの下処理で最初にするのがウロコ取り。

ウロコ取り器でやってもあちらこちらに飛び散って掃除が大変。

そこで私がやっているのが、大型のクーラーボックスにたっぷりと水を張った中にマダイを沈めてウロコを取る方法。

ウロコは一切飛ばず、掃除も楽ちんだ。

魚の写真

この時期のマダイは脂が乗り食味も最高

当日のマダイ仕掛け

ハリスは通常3~4号8mが適しているものの、ワラサなどが存在する場合は4号が安全です。

さらに、サルカンは4号前後で、ハリから約2~3mの位置に配置し、異なる太さのハリスを接続するテーパーハリスにすることで、引き付ける効果が高まることもあるため、状況に応じて試してみてください。

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