新潟県間瀬港・光海丸の遠征便には沖五目と佐渡五目の二つのメニューがある。
沖五目は航程2時間ほどの佐渡沖の水深130~230m前後で、アラやマダラ、オキメバル、マゾイ、ホッケなどが狙える。
今回紹介する佐渡五目は昨夏にポイントを開拓したばかりの新メニューで、航程3時間半ほどの佐渡島北部にある外海府海岸沖合の水深65~80m前後で、マダイ、ヒラメ、ワラサ、ヒラマサ、マハタやキジハタ、オキメバル、オニカサゴ、ウッカリカサゴ、マゾイ、クロソイなど様ざまな魚を狙う五目釣りだ。
エソに邪魔されない新たなポイントを開拓
ポイントを開拓するきっかけとなった出来事が少し変わっていて、「これらの魚は間瀬沖でも釣ることはできます。ただ、海水温の上昇の影響だろうと思うのですが、近年エソが増えてしまい釣りにくくなったため、エソに邪魔されない新たな釣り場を探したんです」と小林聡船長。
佐渡五目の遠征プランは出船から帰港までが13時間で設定されていて、釣り場着を日の出に合わせて出船するため集合時間はまちまち。
取材した7月下旬は午前1時に集合、1時半に出船。
夜間はゆっくり航行し5時ごろにポイントへ到着。
11時半に沖揚がりして14時半帰港が目安となる。
7月下旬の取材当日は3.5kgのマダイ、4.8kgのヒラメ、ワラサ、キジハタ、マハタ、マゾイ、ウッカリカサゴ、アイナメ、オキメバル、クロソイ、チカメキントキ、カガミダイが釣れ上がり、クーラーは賑やかになった。
なお同船ではエサ釣り(胴つき仕掛け)とルアー(スローピッチジャークジギング)が同乗できる。
乗船者の半数以上がルアーの方で、オマツリしないようミヨシ側にエサ、トモ側にルアーと分かれて座る。
両方のタックルを持ち込むことはできず、どちらか一方だけを選んで釣ることとなるが、ルアーの方は、一つテンヤやタイラバなど自由に楽しんでいい。
ヒラメやマダイ、青物、根魚など多彩な魚種が釣れる
出典:
佐渡五目の釣り場
エサ釣りはロングロッドと胴つき仕掛けで根魚狙い
胴つき仕掛けのエサ釣りはオキメバルと、これを除くハタ類やソイ類狙いの2パターン。
タックルは、全長4mのオキメバル竿に道糸PE6号を300m以上巻いた中型電動リールの組み合わせ。
ロングロッドを使うのはルアー釣りの方とのオマツリ防止策だ。
オモリは150号を使用し、オキメバルは全長6.5m前後の胴つき10本バリ。
幹糸7号、枝ス5号、ハリはムツ15号。
ハタ類やソイ類などの根魚狙いは全長4.5m前後の胴つき4本バリで幹糸14号、枝ス12号、ハリはホタバリ17号となる。
付けエサはオキメバルがホタルイカ、根魚が冷凍イワシや小型のヤリイカでいずれも受付時に船で購入できる。
エサ釣り用タックル&仕掛け
エサ釣り仕掛けとエサ付け
【仕掛け】根魚狙いは胴つき仕掛け4本バリ、オキメバルは胴つき10本バリ仕掛け。オモリは150号を使う
出典:
(上)【冷凍イワシ】冷凍イワシは下アゴからハリを刺し、上アゴへ真っすぐ抜く(中・下)【ホタルイカ】【小型ヤリイカ】ホタルイカ、小型のヤリイカはツボ抜きして、両目の間に刺す。いずれも1匹掛け
出典:
合図と同時に投入し置き竿でじっくり待つ
胴つき仕掛けのエサ釣りは、ポイントにより釣り物と仕掛けの指示が船長から出される。
船長はベイトの反応を見て投入の指示を出すので、合図と同時の素早い投入が大切。
着底したら糸フケを取り、船長から指示されるタナ(当日は底上2~5m)に合わせて置き竿にしてアタリを待つ。
底ダチの取り直しや誘いは必要なく、待っている間にオモリが底をたたいたら、根掛かりを避けるためハンドルを2回転させて底を切る。
この繰り返しが基本だ。
アタリがあったらロッドキーパーに掛けたまま竿をあおって合わせを入れ、ハリ掛かりしたら中速で巻き上げる。
オキメバルの場合はアタリがあったらすぐに巻き上げず、追い食いを狙って数をのばそう。
船はベイトの反応に当ててエンジン流しをしている
出典:
エサ釣りのイメージ一例
ほとんどの魚種が狙えるスローピッチジャークジギング
ルアー釣りは、狭い範囲をじっくり探れるスローピッチジャークジギング(以下スロジギ)が最適。
マダイ、ヒラメ、青物、根魚のほとんどの魚種を狙うことができる。
タックルは全長約2m前後、最大300gまでのジグに対応するスロジギ専用ロッド。
リールはPE2号が300m以上巻けて、ハンドル1回転の糸巻き量が1mほどのハイギアタイプが使いやすい。
道糸はPE1.5~2号が目安だが、大ダイや大ビラメが掛かる可能性もあるため船長のおすすめは2号。
リーダーはフロロカーボン30lb(8号)を3mほどつないでおく。
また、高切れしたときのために予備のリールを必ず持ってきてほしいとのこと。
メタルジグはスロジギ専用の120~230gで主に200g前後を使用。
カラーについてはどの色もまんべんなく釣れるため好みでOK。
当日はグリーンゴールドでマダイとヒラメ、ブルー系でワラサ、ピンクでアイナメ、シルバー系とゴールド系でキジハタやマゾイなどが釣れた。
フックのサイズは#3/0をジグの前後に2本ずつセットする。
スロジギタックル
ジグのフックセット例
フックはジグの前後に2本ずつ付ける
出典:
(左)【PEライン】道糸は伸びが少なく感度のいいラインがおすすめ(右)【フック】フックはスロジギ専用でサイズは3/0が最適
出典:
底上5~10mを探りフォールで食わせる!
誘い方は50cm幅で1回シャクるごとにリールのハンドルを4分の1回転と小刻みに巻く。
根魚やヒラメ狙いでじっくり見せたいときは8分の1回転、マダイや青物狙いなら2分の1回転でもいい。
探る範囲は根魚が底から5m上、マダイや青物は10m上まで誘ったら底を取り直す。
これを3回繰り返してもアタらなければ20mほど巻き上げて落とし直し、ジグの着底する位置を変える。
アタリはシャクった後のフォール中に出ることが多く、即合わせでしっかり合わせる。
ヤリトリはロッドを海面に向けてグリップを脇に挟み、一定の速度でリールを巻く。
スロジギの釣り方イメージ
スロジギのシャクリ方例
(左)ゆっくりシャクってジグをアピール(右)フォールでアタることが多い
出典:
マダイの反応があれば一つテンヤやタイラバもあり
マダイの反応が出ると船長が教えてくれるので、一つテンヤやタイラバで狙うのも一手。
マダイだけでなく、底付近では根魚も釣れる。
仕掛けは下図のとおりでテンヤは主に15号を使う。
タイラバはヘッドが80~150gで、当地ではタコベイト+ネクタイ仕様の実績が高い。
一つテンヤ仕掛け
タイラバタックル
【タイラバ】ヘッドは80~150gを使用。タコベイト+ネクタイのカラーはゴールドシルバー、グリーンの実績が高い
出典:
釣り方は下図のとおりで、一つテンヤは底上3~5m付近をリフト&フォールで誘い、アタったら即合わせする。
タイラバは着底したらすぐに巻き上げてアタリがあっても魚の重みが加わるまで一定の速度で巻き続けるのがセオリーだが、当地ではアタったら合わせてハリ掛かりさせているという。
「理由は分からないのですが、これでマダイをたくさん釣っているお客さんがいて、ほかのお客さんもマネするようになりました」と船長。
一つテンヤの釣り方イメージ
タイラバの釣り方イメージ
小林聡船長によるとこれから秋に向けて水温が下がり安定してくると数釣りはもちろん、50cm級のキジハタや10kg級のヒラメ、7~8kg級のマダイなども期待できるという。
一発大物を狙ってチャレンジしてみてはいかがだろう。
タイラバでマハタがヒット!
出典:
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隔週刊つり情報(2021年9月1日号)※無断複製・転載禁止