引きよし、型よし、食味よし。満足度MAX！！初島周りのイサキ

初島周りのイサキがラストスパートに突入する。

東伊豆網代港のつちそう丸も、6月はトップが1束超えという釣果を連発した。

「春からずっとコマセをまき続けてますから、イサキは居着いてますよ」

そう話してくれた和田章宏船長が舵を握る第三つちそう丸は、乗船した我われ7名分の期待を乗せて4時45分に出船。

初島の東側に到着し、5時ちょうどに船長から開始がアナウンスされる。

「はい、いいですよ。上から43mでやってください」

直後に6名が仕掛けを下ろす。

第三つちそう丸は19tの大型船だ。

私の釣り座がある右舷は3名なので、間隔は十分すぎるほどの余裕がある。

そこで、私も置き竿にするつもりで仕掛けを下ろした。

コマセをまきながらタナに合わせてキーパーに竿を置く。

カメラを手に釣り座を離れようとすると、クククンと竿先が動いて私を呼び止めた。

竿を手に取って軽く聞き合わせてみると魚が釣れている。

リールを巻くと、イサキ特有の心地よい引き。

これがこの日の船中1尾目となる、33cmのイサキだった。

その後、船長からタナを40mまで上げるようにと指示が出る。

まかれたコマセによってイサキが浮いてきたのだろう。

左ミヨシの小寺さんがイサキを連発。

右胴の間の谷澤さんにもイサキ。

左2番の須澤さんに続いて小寺さんが3尾目。

この二人にカメラを向けていると、船長が私の置き竿にアタリが出ていることを教えてくれた。

まさに好調な滑り出し。

そう話しかけると、船長は「う～ん・・・」と腕組みをしてこう続けた。

「昨日もそうだったんですけど、潮が澄み過ぎちゃってるんですよねぇ。実際、釣れるときってこんなペースじゃないんですよ」

その後船長は、魚探と首っ引きで船を動かす。

その都度イサキは釣れ、左3番の古屋さんのダブルに続いて小寺さんがトリプル。

須澤さんが2尾目を釣ると、右トモの高橋さんにもイサキ。

左トモの渡辺さんには、この日の船中最大となる35cmが釣れるという期待どおりのシーンもあった。

しかし、そのあとにはすぐに沈黙してしまう。

そして船上では、徐々に置き竿が増えだした。

「置き竿にしちゃうと数がのびないんですよねぇ・・・。イサキは付けエサを動かして誘ってやったほうが釣れるというのもあるし、ここらはエサ取りも多いんで手返しよくやらないと釣れなくなっちゃうんですよ」

これまで「誘ってくださいよ～」、「付けエサを動かしてくださいよ～」とマイクを使って発破をかけ続けてきた船長が、そうこぼした。

釣り座に戻り、仕掛けを巻き上げてみるとたしかに付けエサのオキアミは原形をとどめていない。

これを食うイサキはいないだろうという状態だ。

そこで、ここから釣りにシフトすることにした。

付けエサを交換して、コマセを詰めて仕掛けを下ろす。

指示ダナより仕掛け長の半分の3m余分に沈め、静かにコマセをまきながら指示ダナまで巻き上げる。

さてどう誘おうかと思っているときに、タイミングよく船長がこんなアナウンスをしてくれた。

「誘わないと食いませんよ～。ゆ～っくり、これ以上竿が上げられないくらいの高さまでゆ～っくり誘い上げてください。それでアタリが出なければ竿先を下げながらリールを巻いて、またゆ～っくり誘い上げて。3mから5mくらい繰り返せばアタリが出ますから」

さっそくやってみることにした。

まずは静かにゆっくりと竿先を上げていく。

すると、クン、クククンともうアタリが出た。

そして次の投入でも、同じ要領でイサキが釣れる。

目の前にあるオキアミを食おうかどうしようかと迷っているイサキが、そのオキアミが逃げていくので慌てて食いつく。

そんなイメージが頭に浮かんだ。

この釣り方を繰り返して、イサキを連釣する。

5m誘い上げてもアタリがないときは、仕掛けを回収すると頭がかじられたオキアミがかろうじてハリに付いている状態で上がってくる。

やはりこの釣りは、まめな手返しが必要だと確信した。

「これだけ潮が澄んじゃうとねぇ・・・」
　
10時半に納竿をアナウンスし、港に向けて船を走らせながら残念そうにそう話す船長。

たしかに、極端な澄み潮とエサ取りの猛攻がこの日のイサキ釣りを妨げた。

だが、おそらく最大の敵は置き竿だろう。

釣れない時間帯があると、夏の暑さもあってついつい置き竿にしてしまう。

置き竿にするから釣れなくなる。

釣れなくなるから置き竿にする。

まさに釣れない悪循環だ。

「初島周りはタイ場なんで、今日は浮いてこなかったですけどマダイやハナダイは頻繁に釣れます。マダイの今シーズン最大は5kgですかね。船中12枚なんていう日もありました。それと、これからはカイワリが交じってきます。うまいですよ！」

船長がそんな話をしてくれたころ、第三つちそう丸は網代港の入り口に着いた。

この日の釣果は一人3～17尾と残念な結果になってしまった。

しかし、サイズ的にはほとんどが30cmオーバーで、最大は渡辺さんの35cmと良型ぞろいだった。

また、当日の午後船は状況がやや上向いたようでトップ27尾で最大38cm。

マダイとハナダイが交じったようだ。

初島周りのイサキ五目もそろそろラストスパート。

イサキ、マダイ、ハナダイ、カイワリの豪華刺し盛りで、キンキンに冷えたビールなんかどうですか？

私のスマホの探見丸アプリがなぜかエラーになってしまってスクショが撮れない。

写真は操舵室の魚探の画面だが、45～50mあたりに映っている大きな反応がイサキの群れ。

そしてモノクロ写真では見づらいと思うが、底付近に映っているのがタイの反応だ。

第三つちそう丸では探見丸はもちろん、スマホの探見丸アプリも使えるので、有効に活用しよう。

ショートロッドを持ち込む人もいるが、私としてはマダイ竿をオススメしたい。

なぜなら高確率でマダイが釣れるから。

ちなみに、マダイはイサキ仕掛けで釣れているのでマダイ用の仕掛けを用意する必要はないだろう。