「照英さんってどんな人なの?」と聞かれたとき、テレビで見たままの人、と答えるのが最も正しい。
ガッチリしていて、元気で、礼儀正しく、表情ゆたかで、なにより「釣りバカ」。
本当にそのままなのだ。
『つり情報』の愛読者でもある照英さんが、2021年、新連載をスタートさせる。
タイトルもそのまま「熱血! 照英の釣りバカ紀行」である!
釣り人・照英 プロフィール
6歳のとき祖父から薫陶を受け、ヘラブナをはじめ川や釣り堀で釣りに親しむ。
中学以降は部活に没頭するが芸能界に入ると仕事を通して再び釣りと接するようになり、2017年より4年以上続いた「照英・玲子の最強!釣りバカ対決!!」「照英・秋丸美帆の最強!釣りバカ対決!!」ではほぼ全魚種の船釣りを経験し完全にハマる。
現在は休日または好天予報を見ると我慢できず乗合船へ通っている。
2021年よりダイワ専属アングラー。
努力する人は夢を語り、怠ける人は不満を語る。という言葉が、自分は大好きなんです
4月中旬、晴天の剣崎沖。
大ドモ(船の後方)に座るもののマダイが釣れるのはミヨシ(船の前方)ばかり。
開始から1時間しかたっていないのに半日は我慢しているようなジリジリとした時間が流れる中、この男は不満を漏らすことなく、前向きだ。
「もうひとつ『全ての夢は叶う。もし追いかける勇気があるのなら』という言葉も大好きです。だから、釣れないときでも、向かっていく気持ちを持ち続けられるんです」
剣崎沖ってどこ?
マダイやワラサ釣りで有名な「剣崎沖」は神奈川県三浦半島の東南端、剣崎灯台の沖一帯の漁場。
水深30mから100m以上の場所まで好ポイントが点在していて、地元剣崎松輪、間口港のほか、三浦半島、房総半島、東京湾奥からも釣り船がやってくる場所だ。
船団ができることの多い剣崎沖
出典:
海の上で食べる飯はうまい
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照英。
噂どおりの男である。
前者は作家・井上靖の、後者はウォルト・ディズニーの名言。
それを少年のように瞳を輝かせ語り、竿先をギュッと見つめる。
だが、コマセダイではそのギュッが殺気となって邪魔をする。
中学から高校、大学、芸能人として活躍する今なおアスリートであり続けるフィジカルの強さと機敏さも、裏目に出ることがある。
剣崎沖水深40m台でスタート。リールから道糸を出して慎重に誘い下げる
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竿を手にゆっくり誘い下げるも、殺気が伝わる?
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なぜならコマセダイは「静」の釣りだからだ。
コマセ=まき餌を使うから簡単だと思うのは早計だ。
まき餌に慣れたマダイは、道具を見抜き、ハリを見抜き、船の音や仕掛けが立てる音を見抜く。
つまり、狡猾でもあるのだ。
照英の上腕二頭筋が威力を発揮する前に、勝負に持ち込めない。
潮が流れる方向も影響する。
今、照英が体力まかせにコマセを振り出しても、ミヨシの釣り人の仕掛けに流れるだけだ。
それでも照英は前向きだ。
苦手な10mのハリスもていねいにノーミスで扱い続け、マダイを諦めない。
でも、どうすればいい? 問題は次の一手が見えないことだ。
そこで照英が師と仰ぐ田渕雅生が、ハリスを長くして、コマセの量は少なめに、でもインターバルは変えずにコマセをまき続けるようアドバイスする。
照英のハリにマダイが食わないのはハリスが見抜かれているからではない。
マダイの元に届いていないからだと読んだ。
「田渕さんには船釣りをすべて教えていただいています。毎回学びです。それにしても、釣り人のみなさんは普段はにこやかでも、いざ釣りが始まると真剣な、ピリッとした空気になりますよね。それがすごい!」
そう言う照英も、海面に穴が開きそうな熱視線を浴びせ続けている。
だがこのとき、田渕雅生だけは、余裕の表情で周囲を見回していた。
そして成銀丸だけでなく周りの船でもマダイが上がらなくなったこと、それでも船長は船下に反応があると言っていることから、次の策を告げた。
「照英さん、これ使ってみよう」
彼が出したのは2mのクッションゴム。
これを連結すると、照英の仕掛けは全長15mになる。
想像してみよう。
水深は40m。
コマセカゴの指示ダナは海面から20m。
いったん26~28mまでコマセカゴを沈めてから、コマセを振り出しつつ20mへ上げる。
15mの仕掛けは海中に漂うコマセの中へ沈んでいき、海底まで5mの所でハリに付いたオキアミが止まる。
そこに、なかなか浮き上がらずにエサを待つマダイがいる。
仕掛けは「快適マダイ仕掛SS」まずは10mから
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照英の熱血!タックルインプレ
・ROD:RHEOMASTER SXS-255
自分はつい力を入れすぎてしまうのですが「リーオマスターマダイSXS-255」は仕掛けが暴れすぎないよう、竿がいなしてくれるのがよく分かりました。
これだけ軟らかくて軽くて使いやすければ、女性やうちの子供たちでも使えます!
・REEL:SEABORG 300J
「シーボーグ300J」はハイテク&コンパクトで、なんと言っても流線型のデザインがバツグンです。自分の中で貴重品として磨いています。
電動リール「シーボーグ300J」とマダイ専用竿「リーオマスター」でチャレンジ
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照英のコマセダイタックル
食った!
キュンと曲がるマダイ竿を持ち上げ、リーリングする照英。
パワーファイトではなく、ドラグを緩めにしてのヤリトリに不安を覚えるものの、竿とリールを信じて巻き上げ続ける。
海面下に現れた白い影は小さな気泡を一筋吐き出すと、海面で赤く輝いた。
「やったー!うれしい!いやあ、マダイ、釣れてくれてありがとう!本当にうれしいです!ありがとうございます!」
人にも魚にも感謝爆発。
テレビで見たままの照英である。
感動と喜びは魚の大きさに比例するとは限らない。
型は1㎏弱だが、記念すべき連載1尾目の魚を手にした喜びは、果てしなく大きい。
マダイ特有の段引きに本命を確信する
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アタリが出たらていねいに合わせを入れる。すると、キュン!と引き込んだ
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いつでも1枚目を釣り上げた 瞬間はうれしい。とくに今日は 新連載の1回目だけに格別
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「さあ、これからの時間が面白いですよ!」
マダイの食いが立つ時合到来。
田渕雅生がこの日、初めて釣り師の目つきとなって吠えた。
照英も自己記録の2㎏を超えるべく気合を入れる。
でも朝とは違い、ほどよく殺気を隠している。
その結果は写真のとおり。
「自分はマゴチやフグなど、合わせて掛けていく釣りが大好きです。でもコマセダイでは『待つ』ことを教わっている気がします。それも消極的な待ちではなく、攻めの待ち。釣りって、本当に深くて面白いですね」
照英はコマセダイを「静かな闘志の釣り」と表現した。
1枚目に続いてアタってきたのはクロダイ
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クロダイの直後、小さいながらもうれしい2枚目
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3枚目は誘い下げた後に食ってきた
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終わってみればマダイ4枚クロダイ1枚、大満足の一日でした
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終了が近づく昼に4枚目。田渕さんもサクッと2枚釣っていた
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熱血!照英の釣りバカ紀行
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隔週刊つり情報(2021年5月15日号)※無断複製・転載禁止