三浦半島葉山あぶずり港の秀吉丸といえば、相模湾では数少ないヒラメ乗合を出船させていることで知られている船宿だ。
ヒラメの看板を掲げてから20年以上。
11月ごろから翌年7月までの期間、キハダ・カツオのシーズンを除けば、ほぼ毎日ヒラメ船を出し続けている。
1kg前後主体にトップ2~3枚が平均的な釣果だが、三浦半島の懐に位置する釣り場なので強い南西風でも吹き込まない限りほぼ出船可能。
出船時間も7時なので寝不足で船酔い・・・といった心配もなく、ビギナーやカップル、親子連れなどでも気軽にヒラメ釣りが楽しめるのが当地の最大の魅力だ。
といっても侮るなかれ。
例年春先よりイワシの群れが岸寄りの浅場を回遊し始め、それを追って深場からヒラメが乗り上げてくる。
釣況が上向くばかりでなく、その中には大判サイズも交じってくるわけだから、ベストシーズン到来というわけだ。
2月下旬、ヒラメ狙いの秀吉丸8号船には総勢10人の釣り人が乗り込んだ。
出船前、船長に近況を伺うと、「昨日は2kg級交じりでトップ4枚、数日前は2.7kgを頭にトップ7枚でした。イワシが入ってきたので浅場で上向いてますよ!」と春ヒラメ開幕宣言ともいえるコメントをいただいた。
港至近の浅場攻め
同宿の船宿仕掛けは普通のヒラメ仕掛けと同じ仕様だ。
しかし、現在エサのマイワシが12~13cmと小さめなので、孫バリはトレブルより、イワシへの負担が少ないシングルフックがおすすめとのこと。
標準オモリは50~60号で、ロッドはライトヒラメ用が適している。
リールは小型両軸で十分楽しめるが、小型電動でもOKだ。
エサは12~13cm前後のマイワシ。
出典:
船宿仕掛けはハリス6号、シングルフックの親孫式、オモリは50~60号。
出典:
海底は砂地にツブ根が点在するような所もあればキツイ根周りもある。
いずれの場合も基本は底から1mくらい上をトレースしていくイメージ。
しかし、ベイト反応がある場合はタナが若干高くなることも。
その場合は船長よりアナウンスがあるので聞き逃さぬようにしたい。
準備が整い7時少し前に出船。
ゆっくり走って釣り場までの航程は10分足らず。
葉山御用邸前で釣り開始となった。
「水深15m。ベイトの反応が出ていますから、タナは底から2mくらい切ってみてください」
当日の釣り場は葉山沖の水深15m付近。
出典:
ほどなくして左ミヨシ2番の星さんにガツガツとアタリ到来。
慌てず構えているとさらに強いアタリ。
ここで合わせを入れるとググッと竿が曲がる。
間をおかずに左ミヨシの星さん(2番の星さんとご親戚とのこと)の竿も絞り込まれ、ダブルヒットの口開けとなり、ミヨシ2番の星さんは1kg弱、ミヨシの星さんはソゲクラスを無事キャッチ。
Tackle Guide
秀吉丸のオリジナル仕掛けは下写真のように親子サルカンとハリスの結び部分がヨリ糸になっているので、ハリスが幹糸や捨て糸に絡みにくい。
ちなみに当日トップとなったお二人の星さんは船宿仕掛けを使用していた。
巻き落としが奏功
3流し目、竿を曲げたのはこれまた星さん。
どちらの星さんかというと、これまた両方の星さんがダブルヒット。
お二人とも少しサイズアップして1kg級を取り込む。
午前中はお二人の独壇場。
毎ヒットほぼ同時で、まるで何かの法則のような光景であったが、お二人とも手持ちで巻き落としをこまめに行い、積極的にヒラメにアプローチしていた。
ヒラメは落ちてくるベイトに反応しアタックしてくるので、アタリがなければ、いったん5~10m巻き上げ、再び落とし込む巻き落としは有効なアピールとなるのだ。
早朝の食いが一段落して数時間後、船内久びさのアタリは右トモの富沢さん。
なかなかの手応えながらもヒラメとは少し違う引きのようだ。
姿を現したのはゲストのホウボウ。
40cm以上はありそうな申し分ないサイズだ。
このホウボウのほか、ポイントによりカサゴ、メバル、マハタ、アカハタなどがゲストとして花を添えてくれる。
40cm級のホウボウも上がった。
出典:
潮止まりから上げ潮に変わったところで再びアタリが出始めた。
右ミヨシ2番で後検量1.3kg。
続いて左2番の星さんが4枚目をキャッチ。
沖揚がり間際、それまでアタリがなかった左胴の間の山口さんがソゲクラスを釣る。
「アタリはよかったんですけどねぇ」と照れ笑いを浮かべていたが、次投で続けざまにヒットさせ、今度は1kgオーバーを釣り上げた。
当日の釣果は0.5~1.3kgを0~3枚(4枚釣った星さんはソゲクラスをリリース)。
全員本命キャッチとはいかなかったものの、穏やかな日和の下、釣れた人、釣れなかった人(私も)ともに手軽なヒラメ釣りが楽しめた一日であった。
当日は背が盛り上がった肉厚な個体が多かった。
出典:
アタリが遠かった山口さんが沖揚がり間際に連続ヒット。
出典:
知っ得!ライトヒラメ&アマダイも狙い目
秀吉丸では別船でライトヒラメとアマダイのリレー船も出船させている。
こちらのヒラメの狙い方はシコイワシをエサに使うため、仕掛けはイワシメバルの仕掛けをひと回り太くしたような胴つき2本バリのスタイル。
ライトヒラメでカサゴ、メバル、ハタ類が交じり、後半のアマダイ狙いもゲスト多彩な釣りとあって、この上ない豪華な五目釣りといえよう。
マイワシエサでヒラメの型物狙い、シコイワシとオキアミエサで多彩な高級魚狙い。
どちらも魅力的なメニューだ。
秀吉丸は常時3隻体制で出船。
出典:
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