#沈黙の海#タイラバは頭脳戦#シケの東京湾#祈るように巻く
「持ってる」って言葉が、好きじゃないんだよね。
2月26日朝6時、京急大津・いなの丸に山盛りタックルとともに登場したヨッシーは、いきなりそう言ってギラリと目を光らせた。熱い・・・。
おれも「持ってる」って言われることがある。
だれも釣れてないときにヒットさせたりすると、「さすがヨッシー、持ってるねぇ~」って。
うれしいよ?でも運って意味での「持ってる」なら、違うと思う。
運じゃないから。考えてるから。
これでも(笑)。
朝から戦闘モードのヨッシーである。
それもそのはず、春の東京湾タイラバはかなりストイックな戦いなのだ。
乗っ込みシーズンで大型が期待できる一方、ムラっ気が強く大ハズレの可能性も否定できない・・・。
当日は10mの北風が吹きすさび、気温は7~8度で小雨降るスパルタンなコンディションだった。
これから始まる午前・午後ぶっ通しのストイックな巻き巻き地獄を前に、ヨッシーの目玉が三角になっても致し方ない。
ちなみに、いなの丸の一つテンヤ&タイラバ船は基本的に中潮と大潮の午後に出船する。
希望があれば午前も、というわけで、「そりゃもう希望するでしょう!」と目玉三角な我われテン高取材陣および血気盛んなヤングアングラー2名、計6名を乗せ、いなの丸は午前7時過ぎに港を離れた。
寒い。
冷たい。
揺れる。
そんな過酷な状況下にあっても、考えるアングラー・ヨッシーの脳内はタイラバに挑むにあたっての戦略が渦巻いていた。
天気が悪くてローライトだから、まずは明るめのアピールカラーで活性のあるマダイを拾っていこう。
ビンビン玉TGの80g+蛍光オレンジのフィネスカーリーで始めてみるよ。
30分ほどでポイントに到着した。
水深は40m前後。
釣り始めていきなりヤングアングラーにホウボウがヒットし、さらに9時40分にはヨッシーにもダダダッというアタリがあった。
くるか!?と期待は高まったが、それきり、東京湾は長い沈黙に入った。
うーん、魚のやる気はありそうだけど・・・、群れは小さいのかもしれないね。
いいとき、いい場所にいればチャンスはありそうだよ。
6時40分の満潮から、潮は下げ続けている。
午前船は結局、ヨッシーの1ヒット、フックアウトのみに終わった。
(左)ビンビン玉TG80、100、120gで沈下速度に変化を付けて様子を見る。カラーはオレンジ、フィネスタイプのネクタイのみ。(右)水深は40~50m、春先の中~大潮の午後、上げ潮が効くと食いが立つ。
出典:
午前から出てもらった当日、強風と雨の中、値千金のホウボウ。午後も乗れば・・・。
出典:
#爆・発・開・始 #連発するアタリ#海面を割るマダイ#上げ潮の起爆力#ヨッシー三振
12時35分。
我われが、いなの丸に居残り、寂しく身を寄せ合いながら冷えた昼食をとっている間に、海は干潮を迎えていた。
さあ、上げ潮だ。
風は相変わらず強く海はガチャガチャしているが、温かく力強い潮でプランクトンが舞い、魚たちも動き始めるだろう。
はたして、13時過ぎに午後の釣りが始まるや、いきなりアタリが出まくった。
午前の海とはまったく違う様子になっていたのである。
間違いなく活性は上がったね。
正直言えば、潮が下げ止まってから上がり始めるその瞬間に釣っていたかった。
潮の変わり目にデカイのが食ってくることが多いから。
でも、お昼休みだったからね(笑)。
上げ潮がマダイのやる気スイッチを入れたのは間違いない。
群れに入ればほぼ確実にアタリが出るし、しつこく飛びついてきたよ。
13時半、ヨッシーが待望の1枚目のマダイを釣った。
午後船では「開始直後」だが、午前船から4時間半にわたって巻き通してきたのだ。
喜びもひとしおである。
そして13時50分、立て続けに2枚目をキャッチしたヨッシーは、安堵のため息をついた。
持ってる・・・のではなく、アイデアと海況と魚のご機嫌がピッタリ合っての成果だ。
タイラバには独特の緊張感があるね!
巻き上げてても腰が引けるよ(笑)。
「しっかりハリ掛かりしてるかな・・・」という不安のなかでのファイトは、本当にスリリングで面白い。
スカートは午前と同じフィネスカーリーの蛍光オレンジ。
午後も天気が悪いままのローライトで潮も濁ってたから、とにかくマダイに気付いてもらうためにアピール力があるカーリーを使いたかった。
でも、食い気もあるみたいだったからね。
アピール+繊細さで食わせるフィネスカーリーがちょうどよかったんだ。
アタる、アタる。
午前の巻き修行がウソのようにアタリが連発する。
が、掛からない(笑)。
合わせて大きくロッドを曲げるまで重みが乗っても、バレてしまう。
「アタリが出て、ロッドが曲がり、合わせて、バレる」を3回繰り返したヨッシー。
見事なまでの三振を食らったのである。
そもそもタイラバで合わせとはちょっと意外だが・・・。
うん、即合わせは厳禁だよ。
ゴゴゴンッという最初のアタリは、まだタイラバのどこを食ってるか分からない状態。
フッキングはまずしないし、バレたときに魚が散りやすい印象もある。
でもアタリが続いて、続いて、「乗った!」と確信が持てたときには、安心感を得るために1発合わせをお見舞いしてからファイトしたいんだ。
ドラグも緩めに設定してるから、念押しの1発だね。
ただ、今日のマダイはタイラバにアタックはしてくるけど、口にまでは入っていない状態だったみたい。
食い気はあっても完全にはやる気スイッチが入っていなかった。
だから合わせは入れず、送り掛け(アタリがあってもただ巻き続けるだけ)のほうがよかったかもしれない。
1枚目、2枚目ともにネットインと同時にフックが外れていた。
食いが浅いからこそ合わせが有効な気もするが、シケの海では船の揺れも大きく影響する。
ラインテンションが抜けたときにオモリの重さでハリが外れてしまうのだ。
三振から方針を変えたヨッシーはその後、4回のアタリに対し3枚を送り掛けでフックアップさせることに成功。
打率を回復させた。
(上)着底し毎秒1mの速度で5mほど巻くとアタリ!(真ん中)そのまま巻き続けると力強い引き込み、ここでマダイがハリに掛かったと判断。(下)竿に乗せるように追い合わせ。 普段、ヨッシーはもっと早い段階で強いアタリがあれば合わせる。
出典:
(左上)筆者はあえて派手な動きのネクタイとヘッドを使っていたがアタリなし。ヨッシーの仕様に近づけると釣れた。(右上)積極的な追い合わせで2枚掛けた後に3回空振り。 そこで巻き続けて掛ける「送り掛け」に変更してキャッチ。(下)東京湾のマダイは色は鮮やか、 形はボリューム感があって実にきれい。食べても評価が高い。
出典:
(左)イソメマン鹿島がイソラバでキャストして狙うと、ほぼ毎投アタリ。同じイソメでもオレンジ色にアタリが多かったという。(右上)オレンジカラーで6ヒット、3キャッチの後は赤を試すと・・・釣れた。(右下)5枚目となる1.5kg級を釣った後はメタルジグを試す。大ダイを期待したが、アタらなかった。
出典:
#タイラバVSイソラバ
出典:
#魅惑の東京湾タイラバ
1枚目のマダイはシビレたね!
午前船からずっと巻いてたから、掛かったときは正直ビビッたよ(笑)。
取材のプレッシャーもあるけど、かなり緊張してた。
タイラバは、1枚が本当に貴重。
ネクタイをくわえているだけのことも多くて、いつバレるか分からないからめちゃくちゃヒヤヒヤするんだ。
それだけに海面がピンクに染まったときは感動しちゃうよ!
東京湾のマダイは姿形も美しく、味もサイコー!
今回は海の悪さにもシビレたけど、本来は穏やかな内海で静かに巻きを楽しむ平和な釣りなんだ。
差をつけようと思うと微調整が必要だけど、基本的には落として一定速で巻くだけ。
巻き続ける根性は必要だけど、だれにでもチャンスがある。
前日にも中学生が良型を上げてたからね。
ビギナーの方もぜひチャレンジしてほしいな!
(左上)口に浅く掛かっていただけのようでネットインと同時に外れた。(左下)800gに満たないマダイだが、一番うれしかったのがこれ!(右)タモに入るまで安心できない。
出典:
TACKLE & TAIRUBBER GUIDE
■タックル/合わせたいとき
ロッド=ジャッカル・ビンビンスティック エクストロ BSXSーC511SUL
リール=シマノ・カルカッタコンクエスト300PG
メインライン=シーガー・PEX8 0.8号
リーダー=シーガー・グランドマックスFX4号2ヒロ
■タックル/送り掛け
ロッド=ジャッカル・ビンビンスティック エクストロ BSXSーC511XSUL
リール=シマノ・炎月プレミアム150PG
メインライン=シーガー・PEX8 ルアーエディション0.8号
リーダー=シーガー・グランドマックスFX4号2ヒロ
■タックル/ジグ
ロッド=ジャッカル・ビンビンスティック エクストロ BSXSーS66MLーTJ
リール=シマノ・ステラC3000XG
メインライン=シーガー・PEX8 0.8号
リーダー=シーガー・グランドマックス FX3号2ヒロ
■タイラバ
玉=ジャッカル・ビンビン玉TG80/100/120g
スカート=ジャッカル・フィネスカーリー蛍光オレンジ/レッドゴールドフレーク
(左上)ROD:エクストロシリーズとGSW、どれも1本で幅広く対応可能。(左下)REEL:ローギアのPGをメインにしつつ。(右)TAIRUBBER:ビンビン玉TGとフィネスタイプのネクタイをメインに使用。
出典:
(左)野地 和義船長 。(右上)こちらも「ヨッシー」野地吉友船長。(右下)船着き場へゴー。
出典:
釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!
【三浦半島(神奈川県)マダイ船】人気ランキング
【三浦半島(神奈川県)マダイ船】価格ランキング
【隔週刊つり情報(2020年4月1日号)※無断複製・転載禁止】