浅場で居着きの良型狙い!金アジを求めて内房金谷へ
グルメ番組などでも頻繁に取り上げられる金谷のアジ。
これだけ注目されるのは、もちろん抜群にうまいからだ。
金谷は「金アジ」と呼ばれる居着きの魚が多く、それらは体高があり、よく肥えてほどよく脂をため込んでいる。
これは、東京湾にまかれ続けるコマセを食べているからという説や、山や畑が生み出す栄養分がいくつもの河川から東京湾に流れ込み、この栄養分によって発生する大量のプランクトンを食べているからという説もある。
どちらの説も納得に値するが、理屈はさておき、釣って食べてみると本当にうまい。
刺身でいえば、口に入れて数回咀嚼すると、まず脂身が溶けて口の中に絶妙な甘さがフワッと広がる。
その甘さとともに口の中の残った身を噛みしめると、シャクシャクとした歯ごたえがかえってくる。
そんな激うまアジを釣らせてくれるのが内房金谷港の忠七丸だ。
忠七丸でこの時期に釣れるアジは、35~40cmもある良型の金アジ。
このサイズは半身でも二人で十分堪能できるボリュームの刺身が作れるくらいの大きさだ。
そんな良型が20尾も釣れれば25L前後のクーラーボックスには到底入りきらない。
なので、忠七丸の常連客は35L前後のクーラーボックスを持参する。
取材日は9月27日、日曜日。
定刻の6時に出船した忠七丸の船上には、35Lのクーラーボックスが6個乗っていた。
水深10~20mの浅場で35~40cm級の良型が上がる
出典:
食えば40cm超え
「ここんとこ潮がいかなくなっちゃって、魚が口を使わないんですよ」
釣り場に着き、6時15分に開始のアナウンスを終えた井戸貞雄船長にポイントの詳細を聞きに行くと、開口一番でそう話し始めた。
ポイントは竹岡沖の魚礁で水深は21m。
こんな浅場で良型の金アジが釣れるので、常連客たちは忠七丸に通い続けている。
しかし、この日も潮がまったくと言っていいほど流れず、どの道糸も垂直に立っている。
時折激しいアタリを見せておいて、期待を裏切るのはサバフグだ。
そして、たまに釣れてくるアジは10cmにも満たない豆アジ。
このポイントでしばらく粘った船長も、業を煮やして大貫沖へと船を移動させた。
15分ほどで到着した大貫沖は、なんと驚きの水深10m。
船長によると、45cmもの良型が釣れるポイントとのことだ。
カメラを手に舳へ先さき付近で待機していると、左銅の間の鈴木さんが格闘を始めた。
駆けつけると海面下に良型アジがいる。
残念ながらこれは抜き上げでバラしてしまったが、やはり評判どおりの良型がいる。
いてもたってもいられず釣り座に駆け戻り、仕掛けを投入した。
オモリ80号のビシはすぐに着底する。
糸フケを取り、1m巻いてコマセをまき、もう1m巻く。
そこでコマセをまこうとすると、グングンと早くも引きがあった。
サバフグではないことを祈りながらリールを巻き続けると、仕掛けの先に背が黄色い良型のアジが見える。
即座にタモをつかんですくい上げたのは約35cmの金アジ。
これが船中1尾目となった。
筆者も35cm級をキャッチ
出典:
竿は全長1.8m前後、7:3調子のオモリ負荷30~100号前後がおすすめ。同じスペックの竿でも軟らかい竿と硬めの竿があるが、初心者ならコマセを振りやすい硬めの竿がおすすめだ。
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浅場で釣れる良型の引きは強烈
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潮が動けばバリ食い!
その後、右トモの杉山さんにも同サイズが釣れるが、後が続かない。
船長は竹岡沖に船を戻した。
右胴の間の都と苗なえさんにデカいウスバハギ、杉山さんに約35cmのクロダイが釣れるが、あとは豆アジとサバフグ。
「もうちょっとで潮が動き始めるから」と操舵室の船長も困惑の表情でこの状況を見守っている。
そしてその後、船長の予告が現実となった。
鈴木さんが約38cmのアジを釣ると、左トモの竹川さんにも同サイズ。
2尾目を見逃してしまったが、竹川さんが3尾目となる35cmを釣ると、左ミヨシの橋本さんが40cmクラスの4連発を披露してくれた。
「いつもだと、こういう時間帯が何度かあるんで、20~30尾なんて普通に釣れるんですよ」と船長も安堵の表情を浮かべている。
しかし、次に橋本さんが釣り上げたのは、何者かにかじられ頭だけが残ったアジ。
「最近ブリがよくアタるんですよ。ブリが追っかけ回しちゃうからアジの群れが散らばっちゃって」
と出船前に船長が話してくれたのだが、それが現実となり、ここから再びアタリが遠のいてしまう。
青物襲来の威力に驚いた体験だった。
終日流れなかった潮と青物やサバフグの攻撃というダブルパンチにやられ、正午過ぎに無念の沖揚がりを迎えた。
この日の釣果は豆アジはカウントせずに、竿頭となった橋本さんが6尾、スソは1尾だった。
だが、サイズは評判どおりの35~40cm。
こんな良型が水深10~20mという浅場で釣れたのだから、釣趣は申し分なかった。
潮はいずれまたよくなる。
そうなれば、良型の居着きの金アジでクーラーボックスを満タンにすることができる。
「お客さんが楽しんでくれるなら青物狙いをやってもらっていいんですけど、やっぱり金谷のうまいアジを釣って食べてもらいたいですからね。私としては青物はうれしくないんですよ」
そう船長はこぼすが、忠七丸では四隅限定で釣れたアジを泳がせて青物を狙うことも可能だ。
ともあれ、味覚の秋、食欲の秋に、金谷沖の激うま金アジは、やはり最高の食材だ。
40cm級は迫力が違う
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これぞ忠七丸が狙う居着きの金アジ
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船長に聞きました!タモを使って確実に取り込もう
アジ釣りに慣れている人は、ハリの掛かり具合を見て、抜き上げるか、タモですくうかを判断できるが、初心者は迷わずタモを使おう。
せっかく釣った良型激うま金アジを取り込みでバラしてしまうのはもったいない。
釣り座の横にタモを準備しておこう
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