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【秋推し】今、釣りたい4ターゲット~青物五目編~

隔週刊つり情報編集部

相模湾ではイナダを主体にした青物五目がこの秋、好調だ。

本誌船宿データベースを元にすると、乗合船は腰越、湘南片瀬、茅ケ崎、平塚、小田原早川から出ており、船宿によりイナダ五目、ライトイナダ五目、ライト五目、ウイリー五目、青物五目と呼び方は変わってくるが、10月上旬現在、どの船もメインに釣っているのはイナダである。

数はおおよそトップで30~50本前後で、クーラー一杯になって早揚がりという船も少なくない。

サイズも少しずつアップしているようで、小さくても30㎝以上、良型は40~45㎝級にまで育っている。

これに釣り場によってカンパチ、アジ、イサキ、マダイなどが交じってくる。

釣り方や仕掛けは船により多少変わってくる。

オモリ80号でコマセダイ的に釣ったり、オモリ50~60号のウイリー五目スタイルだったり、オモリ30~40号のライト五目スタイルだったりといった具合。

詳細は釣行前に各船に確認してほしいが、今回は9月27日に取材した腰越港・秋田屋の釣りをベースに紹介していきたい。

釣行の写真

キハダの陰に隠れてはいるが、相模湾ではこの時期イナダも大人気

メインはイナダ。まずは本命をしっかり釣ろう

今回、秋田屋で取材を行ったのには理由がある。

船宿ホームページの釣果を見ていたら、イナダのほかに5~6㎏のブリ・ワラサや3㎏級のマダイなども釣れていたからだ。

電話して斉藤太俊船長に聞いてみると、イナダとは別のポイントで泳がせ釣りなどをして、このところブリやワラサがよく上がっているという。

ただし「メインはイナダなので、まずはそちらをしっかり釣っていただいて、余裕ができたら回る感じです。

あくまでおまけなので、状況によってはできないこともあります」とのこと。

なるほど、まずはイナダ狙いの準備をしっかり行っておくことが大切というわけだ。

秋田屋ではオモリ60号を使うコマセシャクリスタイルの狙い方。

竿は7:3調子のゲームロッドでいいが、イナダとはいえ引きはけっこう強いので、軟らかい竿だとのされたり振り回されたりしてヤリトリしづらい。

ゲームロッドを使うならHやMHなど胴に張りのあるタイプのほうが釣りやすい。

リールは今のところ水深が20m前後と浅いためドラグ力の高い手巻きの両軸でもいいが、実際には小型電動を使う人が多い。

道糸はPE3号前後を巻いておく。

コマセカゴはFLサイズで、オモリは60号。

ただ、秋田屋では深場の場合はオモリ80号を使うし、後述するサビキ仕掛けを使う場合にはオモリ一体型のビシではなく、オモリを交換できるセパレートタイプのコマセカゴが便利。

片テンビンは腕長40㎝前後で、2㎜径50㎝前後のクッションを付けるが、取り込み時にイナダに走られるとクッションがギュ~ンと伸びて往生することがあるから、場合によってはクッションなしでもいい。

仕掛けはハリス4~5号の2~3本バリ。

全長は2.5~3mと短めで、これ以上長いとオマツリしやすかったり、取り込みづらくなるので注意。

また、食いが立つと多点で掛かったりもするので、慣れない人は扱いやすい2本バリがおすすめ。

ハリは強度のあるグレやイセアマの9号前後。

全部空バリでもいいし、先バリだけ空バリで、上バリをウイリー巻きなどにしてもいい。

付けエサはオキアミを宿で購入できるほか、イカタンなどを持ち込む人もいる。

エサを付けたほうがイサキやタイ類などのゲストがヒットしやすいようだが、イナダやカンパチなど青物に的を絞るのなら、エサを使わず魚皮バケやアジカブラなど擬餌バリ仕掛けで釣ってもいい。

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仕掛けの写真

(左上)船宿仕掛けはハリス4号の2本バリ。これで全然問題ない(中)コマセはアミ。コマセカゴはFLサイズでオモリ60号が標準(右上)オモリが交換できるカゴも便利(左下)付けエサはオキアミが定番(右下)魚皮バケなどで釣っても面白い

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イナダは誘いと手返しが重要

イナダの釣り方は簡単。

例えば水深が20mくらいあっても、船長は「15mより上をやってください」などとアナウンスする。

仕掛けを投入して指示ダナよりハリス分の2~3m下まで下ろしたら、コマセを振りながら12~13mまで誘い上げていく。

魚の追いがいいようなら海面近くまで誘ってもいい。

時には海面下5mくらいでアタることもある。

最初のうちはアタリがあってもなくてもまめに仕掛けを入れ替えてコマセをまき、魚を船に寄せることが肝心だ。

アタリはシャクリ上げる竿先がグッと押さえ込まれたり、止めの間を入れているときに竿先がモゾモゾしたりと様ざまだが、おかしいと思ったらすぐに竿を立ててハリ掛かりを確認する。

魚が掛かっていれば、リールのドラグを締め気味にして(←あらかじめ調整しておく)、強い引きは竿でいなすなど、魚に主導権を渡さないようなるべく迅速に巻き上げる。

ドラグが緩いとなかなか巻けず、魚に走り回られてオマツリの原因になる。

釣行の写真

取り込みは太ハリスに物を言わせてブッコ抜きが基本

イナダ狙いの海中イメージ

取り込みは、テンビンが海面下に見えてきたら巻き上げを止め、竿を立ててまずはしっかりとテンビンをつかむ。

イナダも最後の抵抗でビューッと走ったりするから、素手でクッションやハリスをつかんでいると怪我をする恐れもある。

無理な引っ張りっこはせず、魚がおとなしくなったところで素早くハリスをたぐって船上へ抜き上げよう。

イナダは食いが立てば簡単に釣れるが、調子が悪いと船下に回ってきたときだけポツン、ポツンとアタる程度になってしまう。

だから、数をのばそうと思うなら、釣れているときの手返しと、積極的な誘いが重要になる。

逆に言えば、いくら食いがよくても置き竿でジーッと待っているだけではアタリは少なくなってしまう。

ちなみに江ノ島沖の水深25m前後を狙った取材日はイナダはトップで15本ほどだったが、その後は連日30本超えで釣れている。

釣行の写真

タナは海面から15mより上

釣行の写真

積極的に誘ったほうが食いはいい

釣行の写真

その気になればいくらでも釣れる

おまけの釣り方は3パターン

さて、ここからはおまけについて。

イナダが十分釣れてからの話なので過度な期待は禁物だが、夢のある釣りはいいもの。

確かにイナダがたくさん釣れての早揚がりも悪くないが、せっかくなら時間一杯釣りを楽しんでほしいという斉藤船長の考えなのだろう。

取材日も10時ごろからおまけ狙いに転進した。

そのおまけの釣り、鎌倉沖の水深90~100m前後の魚礁周りを狙う。

ここでの狙いは基本的にアジで、そのアジを食っているブリ・ワラサや周辺にいる大型のマダイを釣るイメージ。

釣り方は大まかにイナダ狙いの延長線上であるコマセ釣り、釣れたアジをエサにする泳がせ釣り、そしてサビキ仕掛けで狙う、いわゆる落とし込み釣りの3パターンで、どの釣り方でも構わない。

泳がせ釣りの場合はオモリ150号(場合によって120号)を使うのでそれに応じたタックルが必要になるが、それ以外の釣り方の場合はオモリを80号にするだけなので、イナダを釣っていた道具でもそのまま対応できるし(電動リールはあったほうがいいが・・・・・・)、コマセダイやワラサなどのタックルを持参してもいい。

ちなみに仕掛け類に関しては、船ではイナダ用しか売っていないので、それ以外はすべて持参となる。

それぞれの仕掛けと釣り方を簡単に説明すると・・・・・・

①コマセ釣り

期待するのは大型のマダイで、今シーズンは最大6.1㎏が上がっている。

そうなると細く長いハリスで……と思う人もいるだろうが、船長の指示はハリス3~5号で、全長は3mくらいでやってくださいというもの。

1本バリにしてもいいし、イナダ用の2本バリ仕掛けをそのまま使ってもいい。

タナは底からハリス分プラス1~2m。

ポイントなのか、どういうわけかこの場所は長ハリスよりも短い仕掛けのほうがマダイの反応がいいという。

実際、取材日にもイナダの仕掛けで2.8㎏のマダイが上がっているし、タイらしきバラシも何回かあった。

ただイナダ用のタックル&仕掛けで大ダイらしきを掛けたときは、ハリスが短く竿でのタメも効かせづらいので、より慎重にヤリトリする必要がある。

釣行の写真

オキアミエサで狙うとマダイもよくヒットする。当日最大は3㎏

釣行の写真

長ハリスからイナダ仕掛けに替えた途端に2.8㎏のマダイがヒット

②落とし込み釣り

落とし込み用、食わせサビキ、道楽仕掛けなどと呼ばれる太めのサビキ仕掛けにアジを食わせ、そのまま泳がせてブリやワラサを食い付かせるというもの。

サビキの枝スは10号前後、幹糸は12号前後の製品がおすすめ。
 
ちなみに取材日に短時間、試してみたが底上2mくらいでアジが掛かり、さらに1~2m巻いたところで待ってみたものの、ブリ・ワラサは食ってこなかった。

③泳がせ釣り

沖のポイントですぐにエサにするアジが釣れるとは限らないから、泳がせ釣りをしたい人はイナダのポイントで釣れた小アジやイサキを何尾かキープしておくといい。

タナは底上3~6m前後。

ブリ・ワラサなど青物を狙うなら6~7mと高め、ヒラメなどを狙うなら2~3mと低めにするのがセオリーとか。

ちなみに取材日は青物らしきアタリが一発あったものの、残念ながらハリ掛かりせず。

なお、泳がせ釣りは潮が速いときはできないこともあるので、あらかじめ了承してほしい。

取材日の泳がせ釣りはこのほかマトウダイが釣れた程度だったが、その後も5~6㎏のワラサは上がっており、まだまだチャンスはありそうだ。

また、時期的に今後のおまけはアマダイ狙いも絡んできそうで、ますますにぎやかな釣果が期待できる秋田屋の青物五目。

船長は優しく、仲乗りの高野さんもいるからビギナーも安心。

気楽に楽しんでいただきたい。

青物五目のおまけ仕掛け例

仕掛けの写真

(左)泳がせ仕掛けは一般的なものでいい(中)泳がせ釣りのオモリは150号。捨て糸なしが標準(右)アジは背掛けにする人が多い

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隔週刊つり情報(2019年11月1日号)※無断複製・転載禁止

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