今年も梅雨明けと同時にスルメイカの本格シーズンに入った。
とはいえ、ここ数年の不調は周知のとおり。
スルメは数あるイカの中でも多く漁獲されている重要種だが、10年前と比べて漁獲量はなんと10分の1にまで減少している。
原因は産卵場所である東シナ海の海水温の変動にあると推測されている。
スルメに限った話ではないのだろうが、外洋性の生物であっても、環境の変化が深刻なダメージを与えていると思われる。
関東各地でも依然パッとしない釣況が続くが、唯一健闘しているのが南伊豆の石廊崎沖。
7月下旬にはトップが束オーバーを記録し、往年の釣れっぷりを彷彿させた。
8月8日、手石港の米丸へ釣行する。
集合は5時。
7人のお客さんとともに乗船し、準備が整ったところで青野川河口から海に出る。
ポイントの石廊崎沖へは30~40分の航程で到着する。
リールが悲鳴を上げるほどの豪快な釣れっぷりを楽しもう。
(左)ポイントは石廊崎のほぼ真南。水深は240m前後(右)親父船も張り切って操業中
出典:
南西の風は弱いものの、台風の影響により波長の長いウネリが気になる。
釣り場には地元船のほか、石花海の模様が振るわないのか清水や用宗の釣り船も見える。
また、イカ釣り機を搭載した職漁船も多い。
水深は240mと少々深いが、開幕当初は260~280mだったというから、これでも多少浅くはなっているそうだ。
オモリは150号が標準だが、潮に応じて200号まで使い分けるとのこと。
仕掛けはプラヅノ18cmで、直結式が基本。
ツノ数は扱える範囲で多いほうが有利となる。
ただし、濃い群れに当たると負荷がかかりすぎて電動リールがオーバーヒートしたり、道糸が切れたりなどのトラブルが起こるので注意したい。
(左)プラヅノは18cm(右)定員を制限しているので釣り座には十分な余裕がある
出典:
序盤は空振りもあり、乗っても単発がほとんどと低調。
肥田定佳船長によれば、反応が底べったりで浮いてこないという。
また、乗りのいい日はイカも大型がそろうが、この日は中型がほとんど。
しかし、環境がいいのかサイズはやや小ぶりでも肉厚で、市場での評価も高いという。
(左)乗りのいい日はこのサイズが主体になる(右)この日のスルメは中型が主体
出典:
潮回りの時間を利用してせっせと沖干し作りに精を出す光景があちこちで見られる。
中盤以降は乗りも少し上向き、お隣さんなどは4点掛けも披露してくれたが、ウネリによるバラシも目立つようになり、釣果のほうはのび悩んだまま。
もしかしたら、ブランコ仕掛けで着実に数を重ねたほうがよかったのかもしれない。
終盤はウネリも徐々に高くなり、反応もなくなったとのことで、定刻より少し早めに沖揚がりとなる。
(左)沖干し作りに精を出す(右)沖干しもうまいが、刺身も絶品
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トップは右舷胴の間のお隣さんで30杯。
続いて右舷大ドモの28杯と続き、全体では10杯前後という人が多かったようだ。
当日は今ひとつの成績に甘んじたが、台風通過後の18日はトップが61杯を記録し、状況は再び上向き傾向にある。
米丸では当分イカ専門で出船する予定なので、スルメ釣りらしい重量感あふれる手応えを味わいたければ、早めの釣行がおすすめだ。
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隔週刊つり情報(2019年9月15日号)※無断複製・転載禁止