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バーチカルティップラン教室

隔週刊つり情報編集部

10月21日、第31回沖釣りカレッジ「イカ先生・富所潤のバーチカルティップラン教室」を相模湾腰越港の蒼信丸にて開催した。

受講者は抽選で選ばれた14名。

ティップランが初めての方からそこそこやり込んでいる人まで様ざまだった。

バーチカルティップランは、片舷に並んでドテラ流しで広く探るティップランと違い、両舷に並んでエンジン流しで根の上のピンポイントを攻めていく。

つまり、餌木シャクリ釣りに同船して楽しむことができる。

出船前に行われたイカ先生のレクチャーは、バーチカルティップランの基本について。

投入する方向や餌木を着底させること、シャクリとステイ、アタリの取り方など釣り方のお手本を見せながら解説していく。

しっかり学んだところで両舷7名ずつに分かれて各自指定の釣り座に入り、6時に出船、10分ほどで腰越沖のポイントに到着した。

「水深25mです。どうぞ!」と関塚一浩船長からのアナウンスでスタート。

40g前後の餌木を投入する。

当地のアオリイカは前日に開幕し、蒼信丸では船中70杯と好調。

迎えた当日は北風がそこそこ強く吹くものの釣りにくくはない。

開始から40分。

釣り方も慣れてきたところで右舷3番の近藤さんにヒットすると、連鎖するようにダブル、トリプルヒットと続き、船上は盛り上がりを見せる。

開始から約2時間、左ミヨシ2番の舟本さんが5杯を釣り上げて、左トモ2番の中田さん、右ミヨシの野寺さん、右トモに荒井さん、右トモ2番の森村さんが3杯と続く。

ここからはイカ先生が一人一人の釣り座を回って個別指導。

各自の経験値や聞きたいことを事前に頭に入れて、参加者の間を回って悩みを聞き、またはクセやウイークポイントを見つけてアドバイスしていく。

ていねいな解説のかいもあって、その後は船内のあちこちで上がり、全員がアオリイカの顔を見ることができた。

当日は0.3~1kgのアオリイカを1~18杯、船中96杯。

右舷と左舷で48杯ずつの均等な釣れ具合だった。

帰港後は、集合写真やイカ先生への質問コーナーなどで盛り上がり、楽しい一日を終えた。

イカ先生の実践バーチカルティップラン

INFORMATION

相模湾腰越港 蒼信丸

0467・91・0323

備考=予約乗合、6時出船。

バーチカルティップランで釣る場合は予約時に伝える

釣行の写真

▲右舷の今井さん(左)と近藤さんにダブルヒット

釣行の写真

▲アタリがなく、イカ先生にしっかり止めることを教わり、待望の1杯をゲット

相模湾のアオリイカが開幕した翌日の10月21日、腰越港の蒼信丸に14名の受講者を迎えて第31回沖釣りカレッジ「イカ先生・富所潤のバーチカルティップラン教室」を開催した。

乗船者全員がバーチカルティップランで釣るというのは蒼信丸では初めてとのこと。

当日イカ先生のレクチャーを受けて実釣に挑んだ結果、0.3~1kgのアオリイカを一人1~18杯、船中96杯。

しかも右舷、左舷の釣果が48杯ずつと両舷でバランスよく釣ることができた。

今回のカレッジでは、まずバーチカルティップランとは何かについて、続いて基本的な釣り方、さらにアオリイカと出会うために必要な5つのコツをイカ先生が解説。

当日のレクチャーから紹介しよう。

バーチカルティップランって何?

バーチカルティップランとは、簡単にいえば餌木を垂直(バーチカル)に落として巻きシャクリする釣法。

これなら中オモリの餌木シャクリ船に便乗してティップランをやることができる。

都合でティップラン専門船に乗れない場合でも、船長の許可を得ればティップランが楽しめるというわけ。

餌木シャクリ船はエンジン流しで糸を立てる釣り方だから、重めのティップラン用の餌木を下ろせばほぼ真下へ沈むためドテラ流しのティップランと比べて着底が分かりやすい、などのメリットもある。

タックルは竿はティップラン用でいいが、長さに注意。短い竿は軽く取り回しがいいものの、海が悪いときに波や船の揺れを吸収するのが難しくなる。

逆に、あまり長いと重くなりがち。

ミヨシかトモに入ったら長め、胴の間なら短めの竿が使いやすいという。

餌木もティップラン用を使い、ポイントの水深を目安にして、たとえば当日狙った腰越沖の水深25~35m前後であれば40g前後からスタートし、道糸の出が止まることで着底を見る。

着底が分かりにくいときは餌木を重くしたり、シンカーを付け足して50g前後にする。

釣行の写真

▲800g級を釣り上げた堀田さん

バーチカルティップランの基本

ここからはバーチカルティップランの投入から合わせまでの一連の釣り方について。

まずは餌木を軽く投げて投入する。

風が強いときなどは、餌木が沈む間、道糸を放っておくと、大きくカーブを描くように出てしまう。

この余分な道糸がオマツリの元になるので、投入時はスプールに軽く指をあてて糸フケを出さないようにする。

餌木が着底したら5回巻きシャクリして、海底から3~5mを誘う。

シャクリ動作は竿を下げた状態から斜め上へしっかりと振り上げてピタリと止め、竿を下げながら下げた分リールのハンドルを巻く。

シャクるたびにドラグがジージー出るときはドラグは締めておく。

これを5回繰り返してピタリと10秒止める(ステイ)。

揺れる船上でいかに竿先をブレずに止めていられるか。

これが、アオリイカの乗りを左右する。

慣れないうちはステイを15秒と長めにするといい。

どこかで餌木を安定させることができ、そのタイミングでイカが抱いてくる。

アタリがあったら即合わせが基本。

餌木にアオリイカがアタックした瞬間=竿先にわずかでもシグナルが出たら、それがアタリ。

竿先や手元に何か変化があれば、すべて合わせる。

大きくロッドを振り上げるような合わせではなく、シャクリと同じぐらいの上げ幅で、鋭く、まさにシャクるように合わせる。

合わせて掛からなければ、再着底させて再びシャクって誘う。

バーチカルティップランの5つのコツ

続いて5つのコツについてイカ先生に教えてもらった。

その①「着底をしっかり取りましょう」

この釣りの大前提が餌木で底ダチを取ること。

着底が分からなければ始まらない。

バーチカルはエンジン流しで糸を立てるから底取りは分かりやすい。

ドテラ流しのように船が流されて糸が出続けることがなく、餌木を投入すると真下へ沈んでいき、着底すると道糸の出も止まる。

注意点としては餌木が根掛かりしたら回収することと、カンナに海藻など何か異物が付いたら必ず取ること。

わずかな異物でも餌木はバランスを崩し、イカが乗らなくなるからだ。

その②「シャクリが大事です」

バーチカルの場合はエンジン流しなので、潮の流れ方や風の向きにより、道糸が払い出したり、船下に入ることなどがある。

図のように道糸が前(ミヨシ側)へ流されるときは前向き、後ろ(トモ側)へ流されるときは後ろ向き、払い出すときはドテラ流しのティップランと同じで払い出すほうに向いてシャクる。

一番問題なのが船下に入るとき。

竿を海面と水平に構えた状態でシャクると穂先に道糸が絡まって竿を折ってしまうリスクがあるため、穂先に道糸が絡まりにくくするには竿先を下に向けてシャクることが大切だ。

▲道糸が船下に入るときは竿先を下げてシャクる。シャクリ幅はこのくらい

その③「ステイが難しいぞ」

ステイさせているときに餌木が上下に動いてしまうとイカは触ることはあっても抱いてこない。

ドテラ流しの場合は、船が流されるほど道糸が引っ張られて餌木の姿勢が安定する。

一方、バーチカルの場合は餌木が真っすぐ落ちていくため、竿先と道糸が直角になるケースが多い。

この場合、船の揺れが伝わりやすく、ステイさせたつもりでも餌木が安定せず動いてしまいがち。

とにかく竿先を動かさないように注意して、餌木をしっかり止めるよう意識しよう。

その④「アタらなければ巻き落とし」

巻きシャクリで誘い、ステイさせてアタリを見る。

これでアタらなければ再着底させて繰り返す。

2回繰り返してもアタらないときは巻き落としする。

イカの視界から餌木を消し、また見せることで捕食スイッチを入れる狙いがある。

やり方は簡単で、10mほど素早く巻き上げたらスッと竿を立てて、餌木を落とすだけ。

エンジン流しだからできる、バーチカルならではの誘いをぜひ試してほしい。

その⑤「アタったら激アツ」

アタリがあって合わせたけれどイカが乗らなかったら、その近くに必ず数杯のイカがいて捕食スイッチが入っている。

そうイメージして、餌木を回収せず、着底させて狙い続けよう。

船はアオリイカの群れのいるポイントにとどまっているので、掛け損ねたイカや別のイカを抱かせるためにしつこいくらいに誘いと再着底を繰り返す。

ここも通常のティップランとは違う、バーチカルならではのポイントだ。

最後に、「シャクったらピタリと止める。とにかく止める。ひたすら止める。止めなければイカは乗りません」

しっかり餌木を止められる人ほどよく釣る人だとイカ先生は締めくくった。

釣行の写真

▲佐藤さんは数を重ねていくうちにサイズアップ。900g級を上げた

釣行の写真

▲ティップラン初挑戦の舟木さんは18杯釣り上げて竿頭

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隔週刊つり情報(2023年12月1号)※無断複製・転載禁止

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