開幕から1カ月がたった相模湾のカツオ、キハダ。
8月中旬の近田記者の取材では、いよいよコマセにスイッチが入ったか!?と思われる釣況が報告された。
その後の状況はいかに?
ということで今回は私、椎名がリサーチに行ってきました。
突撃取材の結果は !?
8月下旬、お世話になった船宿は小田原早川港の坂口丸。
8月中旬以降の釣況を久保田忍船長に伺うと、「キハダに関していえば、まだオキアミよりもエビングのほうが有利な状況ですね。今年は遅れている感があるね」と、まだ本格的にコマセに着いている状態ではないようだ。
カツオも同様のようだが、「それでも昨日は昼過ぎにカツオのナブラに当たり、いい人は5本の釣果でした」とのこと。
ということで、当日乗船の皆さん全員がカツオ用の仕掛けをセットしてスタンバイ。
定刻の6時に出船となり、港口を出ると真鶴沖方面へ進路が取られた。
カツオ、キハダは神出鬼没。
とくにイワシなどを捕食している初期の場合はナブラを探して数時間ものクルージングなんてこともよくある話だが、当日は30分ほど航行したところでナブラを発見。
近づくと20~30kgくらいのキハダがバンバン跳ねている光景が目に飛び込んできた。
ルアーキャスティングなら大チャンスといえるスーパーボイルだ。
ほどなくしてソナーに反応を確認。
魚の進行方向に回り込んだところで、「いいよ、20~25m」のスタートアナウンス。
次第に僚船も集結。
20隻ほどの船団となり、反応を追いかける典型的な追っかけスタイルでの展開となった。
1投1分ほどで回り直しの繰り返し。
「右側から近づいてきてるよ!」
「反応入ってきたよ!」
3回に2回はそんなリーチアナウンスが発せられ、竿を握る手にも力がこもる。
9時ごろからは反応もキハダ主体となり、指示ダナも35~40mとやや深くなってきたので、皆さんキハダ仕掛けにチェンジ。
前半と同じ追っかけスタイルだが、群れの移動がゆっくりとなってきたのか、回り直すまでの時間が3~4分と長くなってきた。
しかしどうして!?
ゾロゾロとキハダの巨大反応が何度も船下を通過するもやはりノーバイト。
「なんでこの反応で食わないんだ!?」
本船のみならず、僚船のスピーカーからも嘆きの声が聞こえてくる。
まだ魚エサに夢中なのか、結果は完敗。
カツオ、キハダの釣果写真を収めることはできなかった。
しかし、あの巨大反応を見る限り、今後の展開に期待せずにいられない。
実際、小田原周辺の定置網にも連日キハダが入っており、今はまだ釣果としてそれほど上がってはいないが、今年はキハダが多いとの声も聞く。
コマセへのスイッチが入ったらすごいことになりそうな雰囲気は十二分に感じられた一日だった。
今後の展開予想はいかに?
昨シーズンを振り返ってみると、8月中はやはりオキアミに反応せずエビング有利の状況。
9月に入ると徐々にオキアミに反応を示し出し、中旬になると形成は逆転。
下旬には完全にコマセに着いて流し込みスタイルの釣りとなり、11月末まで楽しむことができた。
今シーズンも水温の低下に伴い昨シーズン同様の移行となっていくだろう。
さて、キハダに偏った解説となってしまっているが、この釣り、キハダ専門船でない限り、カツオの情報が入れば、まずは一人でも多くのお客さんにお土産を持たせるべくカツオを狙い、その後キハダを狙うパターンが基本だ。
したがって、仕掛けはカツオ用とキハダ用の2種類を用意。
カツオ仕掛けはハリス14~16号、長さ3m以内。
4kgサイズの回遊に備えて18号まで用意しておけば万全だ。
ハリはヒラマサ14号前後。
カツオ狙いのときは固定式テンビンを使うことが鉄則。
ビシは100~120号が標準だが、カツオ狙いの場合は追っかけ釣りとなる場合がほとんどなので、仕掛けを早く落とし込む狙いで150号を使うのも一手だ。
キハダ仕掛けは追っかけ釣りのときは20~30kgサイズが主体なので、ハリス22~24号。
長さはあまり長くしてもコマセと付けエサが同調する前に反応が通り過ぎてしまうだけなので、4.5~6mが適している。
流し込み釣りの展開となった場合のハリスの長さは6~8m。
シーズン終盤(10月中旬以降)は8~10mが基本となる。
キハダのサイズもアップしてくるのでハリスの太さは24号以上、とくにオダモンと呼ばれる50kg超サイズが多くなる終盤は26~30号をおすすめする。
テンビンは固定式、遊動式、好みでいいが、船によっては遊動式を禁止している場合もあるので、初めての船宿で使用する際は確認しておこう。
タックルについてはカツオ、キハダ共通でOK。
時折シマノ3000番(ダイワ500番)クラスのリールを使っている人を見かけるが、カツオ狙いでは対応可能でも、キハダも含めるとなればパワー、ラインキャパシティなどスペック的に無理がある。
キハダまでカバーするのであればリールもシマノ6000番(ダイワ800番)以上のクラスにPE8~12号を500m以上巻いておきたい。
なおリールは好みではあるが、電動がおすすめだ。
サメ対策の3つのポイント
今シーズンもお約束のようにサメ被害が多く、それをいかに回避するかが大きな課題だ。
サメは不自然に動く魚の動きを感知しロックオン、アタックしてくる。
カツオ狙いであればドラグを締めてゴリ巻きで上げれば逃げ切ることはできるが、キハダとなればそうはいかない。
いかにキハダを暴れさせることなく、かつサメゾーンを素早く巻き上げることが重要となる。
そのための攻略ポイントは3つ。
①キハダに着いているサメから引き離す
キハダがヒットしたら強引に締め上げようとせず、まずは走らせるだけ走らせてキハダに着いているサメから引き離す。
②マグロリングを使って弱らせる
リングを投入するタイミングはファーストランが止まったところ。
リングがキハダに到達すると驚いて再び走り出すが、そのまま走らせ、さらに距離を取った先でキハダを十分弱らせる。
③電動リールのパワーでサメゾーンを一気に通過
手巻きリールでのキハダとのヤリトリは相当な体力とテクニックを要し、キハダに不自然な動きをさせることなく、サメゾーンをハイスピードで巻き上げることは至難の業。
キャッチ率を上げたいのであれば、パワーのある電動リールのほうが有利というわけだ。
リングが効けばキハダはグロッキー状態になる。
引きが弱まったら中速で巻き上げていき、残り100mを切ったところから可能な限り巻き上げ速度を上げて、サメゾーンを一気に通過させる。
ちなみにサメ被害がひどかった昨シーズン、私はカツオ・キハダ船に14回乗船。
7ヒットを得て、このヤリトリで7本のキハダをすべてキャッチ。
うち海面でサメにかじられたのは1本だけで、あとの6本はすべて完全体での取り込みに成功している。
カツオは10月中旬、キハダは11月中旬ごろまで有望。
相模湾の熱いバトルはこれからが本番だ。
キハダを掛けても取り込めるかどうかはサメ次第! ?
出典:
筆者は昨年14回乗船、7ヒットで7本キャッチに成功している
出典:
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隔週刊つり情報(2023年10月1号)※無断複製・転載禁止