冬の外房名物といえば「寒サバ」。
この時期のマサバは丸まる太って脂が乗っており、しめサバはもちろん味噌煮、塩焼き、鍋、干物など、どう料理してもウマイ。
今年はマサバの回遊が遅れており、年明けからしばらくはゴマサバが主体でマサバは1割ほど。
ゴマサバにも脂が乗っていて美味だ。
ようやくマサバの模様が上向いてきた1月18日、寒サバ&イカリレーで出船する外房勝浦港の釣丸へ出かけた。
横尾博史船長は寒サバに力を入れていて、釣り客の予約がない日もサバ漁に出て釣り場の状況を逐一把握している。
当日は私を含めて5名で5時半に港を離れ、30分ほど走って勝浦沖へ到着。
「水深140mです。海面から30~60mに反応が出ています」とのアナウンスでスタート。
寒サバ用の仕掛けは、サバの反応がいいピンクや赤系のフラッシャーと呼ばれる化学繊維をハリに巻いたサビキ仕掛け。
釣丸の特製フラッシャーサビキ8本バリ仕掛けは、幹糸14号、枝ス8号の太ハリス仕様で、ハリは太軸のサババリ14号。
多点掛けしたサバを電動でガンガン巻き上げてもハリスが切れる心配がなく、ハリ外しでサバを外すときにハリがのびるのを軽減する丈夫な作り。
サバはハリスが太くても食いにほとんど変わりがないそうで、オマツリしてもほどきやすいとのこと。
ビッグチャンス到来
1流し目からいきなり食い気のある群れに当たり、船内のいたるところで4~8尾の多点掛けが連発。
サイズは35~40cm前後の良型ぞろいで、見る見るうちに皆さんのオケがサバで埋まっていく。
当日はサバの群れが浮いており宙層に分厚い反応が出ていた。
海面から30~40mではゴマサバ、50~60mではマサバが食ってくるといった感じで、マサバはゴマサバの下方に遊泳することが多いため、マサバを狙うには仕掛けを素早く沈めてゴマサバをかわす必要がある。
そのためサバ釣りでのオモリは200号で統一している。
右トモの町田さんは8本バリ仕掛けを半分に切ってハリ数を4本にし、潮の抵抗を減らして素早く仕掛けを落とす作戦。
ゴマサバのゾーンをうまくかわしてマサバのパーフェクトを披露してくれた。
「ハリ数を減らせば手前マツリなどのタイムロスを軽減できるし、食いが立ったときに手返しよく釣ったほうが数ものびます」と町田さん。
この4本バリ仕掛けは船長も同じ理由ですすめていた。
「寒サバ釣りはこうでなくっちゃ!」と言う右ミヨシの時田さんは、慣れた仕掛けさばきで取り込みと再投入を繰り返し、仕掛けがタナに到達するまでの合間に釣れたサバを次つぎに血抜きしてクーラーにしまっていく。
▲落ち着いて1尾ずつ取り込もう
出典:
スルメイカは良型主体
アタリが遠のくと潮回りして、また入れ食いとなる展開が2時間ほど続き、皆さん40~50L級の大型クーラーにマサバがたっぷり。
ひとたび食いが立てばバリバリ釣れる爆発力も寒サバ釣りの魅力。
多点掛けしても慌てず焦らずていねいに取り込み、仕掛けを絡ませずに再投入する手返しの大切さを実感した。
8時過ぎまでひとしきりサバを釣ったあとは、勝浦沖の水深180mへ移動して再開。
当日はイカの釣り場にサバもいて、イカ狙いに転じるもよし、サバを釣り続けたい人はそのままどうぞという、釣り人の好みで釣り物を選べる展開となった。
イカは胴長30~40cmのスルメイカが船内ポツポツの乗りだったが、皆さんサバでクーラー満タンのため、これで十分ということになり、9時半に早揚がり。
帰港後、同船者からお土産にマサバをいただいた。
帰宅後にさばくと包丁にべっとり付くほど脂が乗っていた。
これを大好きな塩焼きにすると絶品で、箸が止まらなかった。
船長によると、今後はスルメイカに代わってヤリイカの模様があれば、リレーのイカはヤリイカ主体になるとのこと。
これからマサバもヤリイカも新しい群れがどんどん入ってくる時期だが、寒サバの釣期は例年2月一杯なので、サバが大好物という方はお早めに釣行していただきたい。
▲勝浦沖の寒サバは2月一杯まで楽しめる
出典:
▲スルメは胴長30~40cm級が主体
出典:
知っ得!ゴマサバは食い上げマサバは引き込む
ゴマサバとマサバは、道糸や竿先の動きである程度見分けられる。
ゴマサバは食い上げる傾向があり、アタリがきて糸がフケたらゴマサバの可能性が高い。
一方、マサバはハリ掛かりすると下へと引き込む特徴がある。
Tackle Guide
フラッシャーサビキ仕掛けに慣れていない方は半分に切って4本バリにするのがおすすめ。
スルメイカのツノは18cmで、8本まで。
仕掛けはブランコ、直結どちらでもOKだ。
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隔週刊つり情報(2023年2月15号)※無断複製・転載禁止