陽気な釣りオタクの澤浦船長だが、まずは船のルアーフィッシングの基本的なルールやマナーを釣り人に覚えてもらいたい・・・
そんな思いが根底にある。
実はマジメな船長なのだ。
カマちゃん・釜井 昌二(かまいしょうじ)
最近は銭湯が安らぎの場所。
アトリエぷらりおさかなイラストレーター。
A.T.LAB フィールドアドバイザー。
澤浦晋祐船長は今年52歳。カメラを向けると必ずピースしたくなる昭和生まれ
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東京湾奥深川・さわ浦丸の澤浦晋祐船長は、いわば変態釣りオタクである。
「マゴチ釣りで使うジグヘッドのフックは、マゴチの口の形状から考えるとナローゲイプのロングシャンクがベストで・・・」と語りながら、操舵室にあるタックルケースをうれしそうにガサゴソとまさぐり、「重めのジグヘッドが手元になければ、こんな風にヘッド部分にウエイトを追加したり、あるいはこんな風にして・・・」と熱弁しつつ、ジグヘッドとオモリをくっ付けたり離したりしながらニヤつく。
そんな船長なのだ。
突如として誕生した船宿業を引き継ぐ
昭和44年生まれで今年52歳。
大学院卒業後に一度は就職したものの、亡父喜義さんが築いたさわ浦丸を二代目として継承して今に至る。
特技は2本のメタルジグを箸代わりにして飯が食えることや突如として誕生した船宿業を引き継ぐ釣りネタを肴に延々と酒が飲めることなどなど。
元もと木場で材木屋を営んでいた先代が昭和末期に起業して始めた「船宿さわ浦」は、当初は屋形船専門の船宿だった。
好景気の波に乗って順風満帆に見えたものの、バブル崩壊とともに苦境を強いられる。
そんな折りに、「これからの船宿は釣り船だ!」と突然言い出した先代は、借金をこしらえて中古船を買い、釣り船へと舵取り。
そうして釣り船さわ浦丸は突如として誕生したのだった。
ところが、先代はしばらくして病に倒れてしまう。
「借金が残ってるから、オマエが返してくれ!」と残債も家業も晋祐船長に投げ打って、勝手に代替わりを宣誓。
澤浦家の長男、晋祐船長はポカンと口を空けるほかなかった。
元もと幼少のころから釣りに親しみ、釣りが大好きだった晋祐船長は、会社を辞めて家業を継ぎ、しばらくは先代と二人で船宿業を営んだ。
その後、先代が引退してからは屋形船1隻と新造した19tの遊漁船の2隻体制で営業を仕切り直した。
2007年のことである。
キャスティングのルアーゲームが周年の釣り物
当初からルアー船での営業を目指した澤浦船長は、まずはタチウオジギングやシーバスをターゲットに据えた。
その後、秋になると湾奥まで入ってくる青物ゲームが面白いと、釣り人魂に火が付き、ジギングやキャスティングで積極的に青物を狙い始める。
そして、船長としても釣り人としても研鑽を積み、周年の釣り物をキャスティングゲームで楽しむルアーフィッシングに絞り込んだ。
ターゲットは春~夏のマゴチと、秋~春のサワラを軸とした青物。
この2種目のキャスティングゲームで熱血ルアーマンたちを楽しませている。
類は友を呼ぶではないが、変態船長のいる船宿には変態気質の釣り人が集まるらしく、当宿の常連さんもまた、個性溢れるユニークな方がそろう。
とはいえ、これからルアーフィッシングにチャレンジしたいビギナーはもちろん、変態の仲間入りを志す新たな変態も随時歓迎しており、当宿の門戸は開けっぱなしであることをお伝えしておきたい。
さて、私が訪れた6月初めの一日は、11人の釣り人が集まってマゴチのキャスティングゲームを楽しんだ。
かつて船の係留場所であった小名木川が耐震工事をしている関係で「遊覧船さわ浦号」で船の係留場所まで移動。
乗り換え完了後、東京湾を一気に南下し、第二海堡の南にて実釣開始の合図が出た。
一同ひたすらにキャストとリーリングを繰り返し、テクニックとアイテムを駆使しながらヒットを待ったものの、開始からしばらくはアタリが遠かった。
ややあってヒットした1kg級のヒラメを皮切りにポツポツとマゴチが顔を出し、フィナーレは大きなシーバス。
決して簡単な釣りではないだけにオデコの人もいたが、次につながる何かしらはつかんだに違いない。
「考えて、工夫して、ゲームフィッシングを思いっきり楽しんでもらいたいよね。分からないことや気になることは遠慮なくオレや常連さんに尋ねてください。何はともあれ安全第一でね」と語る澤浦船長は、少しだけ竿を出して、納竿間際にサクッと良型マゴチを釣り上げた。
いやはや、自称変態の腕前はさすがの一言である。
この日は第二海堡周りから富津沖の水深3~11mを攻めた
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船中ファーストヒットは50cm級の良型
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ポイントによってはヒラメもよく交じる
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諦めないで投げ続けることが釣果への近道
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やっと引きずり出した1本は値千金
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開始早々は良型のマサバの群れに当たった
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ズル引きやボトムバンピングで海底のマゴチにアピールする
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マゴチの口にマッチするフック形状はナローゲイプのロングシャンクだと船長は熱く語る
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終了間際に船中あちこちでバタバタッとヒット連発
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やっと手にしたマゴチは姿勢正しいグッドサイズ
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ドラグを滑らせる大型のシーバスがフィナーレを飾った
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潮止まり前後は小ぶりなサイズが目立った
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船宿information【東京湾奥深川・さわ浦丸】
電話03・3630・4751
URL: http://www.sawaura.co.jp/sawauramaru/
●予約乗合。仕立も可。定休日なし。
●釣り座は予約順。
●キャスティングタックルのレンタルはないのでタックルおよびアイテムは各自で用意のこと。
船宿アクセス:
●車/首都高速9号深川線福住または木場インターが最寄りの高速道路出入口。
三つ目通りまたは清洲橋通りで「白河三丁目」交差点を目指し、交差点西側一つ目の路地を清洲橋通り下り線から入った先に船宿がある。
車は清洲橋通り沿いなどに多数あるコインパーキングへ(駐車場代の補助あり)。
●電車/東京メトロ半蔵門線および都営浅草線清澄白河駅、または都営新宿線菊川駅から徒歩5分ほど。
受付から下船までの流れ
①船宿は清洲橋通りから路地を入った少し先にある②船宿で乗船名簿に記入、受付時に乗船料を支払う③荷物が多い人は台車に荷物を積む④荷物を持って桟橋に移動する⑤船への移動手段となる遊覧船乗り場は船宿から徒歩5分ほど⑥遊覧船で船の係留場所へ移動⑦船に乗り換えて準備する⑧下船時は忘れ物がないように遊覧船へ⑨桟橋で解散または船宿へ
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さわ浦丸の設備とサービス
①ロッドホルダーは船の各所にある②船体後部に広いキャビンあり③氷は受付後に船宿前でもらう④小トイレは船の前後に2カ所⑤大トイレは後部キャビン内にある⑥キャビン内に電子レンジと湯沸かしポットあり⑦安全第一で楽しもう⑧ライフジャケットの着用は必須だ⑨ゴミは分別して大ドモのゴミ箱へ⑩オケは大ドモに用意されているので各自釣り座へ⑪コインパーキングは清洲橋通り沿いにたくさんある⑫コンビニは船宿の近隣に多数あり
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さわ浦丸の釣り物とシーズン
ルアーマゴチ仕掛け例
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隔週刊つり情報(2021年7月15日号)※無断複製・転載禁止