ヒュン!
夜明けの相模湾に、18㎝のペンシルベイトがすっ飛んでいく。
キハダのキャストは数えるほどしか経験のない照英だが、面白いようにルアーを飛ばす。
87・58m。
これは東京オリンピックの男子やり投げ競技において、ニーラージ・チョプラが金メダルを獲得した優勝記録。
73・9m。
こちらは照英が96年の広島国体(準優勝)にて記録した、やり投げの自己記録。
力任せではなく、バネとタイミングでキャストし、1投ごとに集中、修正する。
ただ者ではないルアーキャスト。
それは、照英がアスリートであることの証しである。
ロッドを十分にしならせ、一定のリリースポイントで軽~く飛ばす照英。陸上で日本一を競ってきた能力の片鱗を見せる
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SHOUEI Profile
6歳のとき祖父から手ほどきを受け近所の川や釣り堀で釣りに親しむ。
中学以降は部活に没頭するが芸能界に入ると仕事を通して再び釣りに接し2017年より「照英・玲子の最強!釣りバカ対決 !!」にて約4年間ほぼすべての船釣りを経験、完全にハマり釣りバカ道を歩む。
2021年よりダイワ専属アングラー。
2019年マスターズ陸上男子やり投げ(M45クラス)では57.22mを記録し優勝、コロナ禍がなければ世界大会に行っていたはず。
相模湾のキハダ釣り場ってどこ?
キハダ・カツオ釣りでは三浦半島の城ケ島と東伊豆の川奈を結んだ線より北側の海域が釣り場になる。
コマセ釣りは毎年8月1日より解禁となり11月ごろまで続く。
大磯から真っすぐ南に進んだ相模湾の真ん中に浮かぶ4番パヤオ。「パヤオが宝の山に見えてきた」by照英
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その眼前で海面がザワつき、正体不明のナブラが現れた。
その瞬間、それまで沈黙していたダイワの長沢博也と魚類学者・工藤孝浩先生が、ドドドッとルアーを投げ始める。
殺気にも似た熱気に包まれた船上で、照英も気後れすることなく投げる。
「あっちだ!」
「15時の方向!」
「左!」
「西!」
ガロン!
そのたび黒煙をひと吐き、船はナブラを追う。
すると、青い砂漠のような洋上に、ポツンと赤いブイが見えてきた。
4番パヤオ、または4号機。
相模湾の真ん中に浮かぶ魚礁の周りに定位している魚を探る。
「きた!」
シイラながら結構な引き。
カツオでもキハダでもないが、ルアーに魚が飛び付いて暴れて、楽しくないワケがない。
フックアウトを悔しがる間もなく、再び投げる照英。
いつしか日が昇り、汗が噴き出す。
暁の海でイルカのお出迎え
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パヤオ周りでヒット!小さいと思いきやしっかり締めたドラグが滑る
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水産学者・工藤孝浩先生は流れ藻を見つけてはタモですくい、一緒に流れてくる生物を採取。オヤビッチャ、イシダイ、カンパチの稚魚のほか、大量のカワハギが捕れた
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照英の熱血!タックルインプレ
★キャスティングタックル
SLP WORKSのハンドルの滑らかさが絶品で、ロッドはしなりと反発のバランスがすごくいいと思いました。
あとはキハダを掛けてから、語りたいです!
★コマセ釣りタックル
シーボーグ600MJのコンパクトさとパワー、マッドバイパースティングの粘りとしなやかさは素晴らしいです。
カツオを逃がさず釣るために自分を助けてくれました。
照英のキハダ&カツオタックル
「俺、こんなにオリンピックが気にならない日はないよ!」
再びナブラを追いかけていると、今度はコマセ釣りの船団が見えてきた。
時刻は7時。
コマセ釣りの開始と同時に魚群をとらえたのか、船団のいたる所で黒煙が上がり、うごめき始める。
「カツオいますね。じゃあ、コマセ釣りに切り替えますか!」
浦島船長は船を船団に寄せ、田渕師匠はシーボーグ600MJをセットする。
カツオのナブラは大きく、派手で、船のプレッシャーで沈んでもすぐに浮く。
朝方はルアーに見向きもしなかったカツオが、エサで上がり始めた。
工藤先生はとっととコマセに替えてカツオを釣り、田渕師匠も良型をブチ抜き、長沢サンはエビングで連発、いつしか船上は漁労モードに突入する。
気がつけば、カツオを釣っていないのは照英だけだった。
専用ロッド、ソルティガエビング62HSをブチ曲げる長沢サン。エビングで連発。エビングのソフトルアーは「リアルオキアミLLケイムラピンク」が一番だった。
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カツオと流れ藻を交互にすくっていた工藤先生
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9時半からイチかバチか作戦でタナを下げてキハダを狙う田渕師匠
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「この気持ちを、どこにぶつけたらいいんだ!?」
ルアーを投げたい、でも、カツオを釣りたい。
ナブラ祭りの真っ只中で照英は激しく葛藤。
「今は、コマセ釣りに集中だ」
移動直後の投入に集中すればカツオは決して難しくない。
かくして、照英は夜明けから追い続けたカツオを手にした。
「いやあ、最高の引きでした。子供より先に、夏の思い出つくっちゃって、ごめんよ!」
朝のアスリート・照英は汗と飛沫にまみれて子供にかえり、魚を手にした今、家族を思う父に戻るのであった。
カツオはゴリ巻き!目の前の船ではキハダとおぼしきファイトも
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「とびきりの興奮をプレゼントしてくれました!」港に向かう船上であらためてカツオを見てその大きさと魚体に感動
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隔週刊つり情報(2021年9月15日号)※無断複製・転載禁止