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ガッツリ派・中村イカ生のゼロテン・マルイカ教室【前編】
テクニックの向上を目指す人のための沖釣りカレッジ「中村イカ生のゼロテン・マルイカ教室」。
昨年同様に緊急事態宣言の影響で単独釣行となってしまったが、船上で中村さんに聞いたゼロテンテクニックをお届けしよう。
目次
【Profile】中村勇生( なかむらいさお)
現代のマルイカシーンを牽引する一人。
がまかつ・フィールドテスター、サンライン・フィールドテスター、ヤマリア・フィールドスタッフ。
中村イエローと呼ばれる黄色のスッテがトレードマーク。
ニックネームは「イカ生(いかお)」です。
LESSON 1・ゼロテン竿ならゼロテンはできる!?
ゼロテンがマルイカの主流釣法になってから早数年、今では船上で見かけるほとんどの人が「たたいて止めて」を繰り返す釣り方をしている。
しかしこのゼロテン、ツボにハマれば爆発的な釣果をたたき出せる反面、きちんとゼロテンができていないとドツボにハマる。
それでもゼロテン釣法がここまで多くの釣り人に広まったのは「アタリを取って掛ける」という釣りの面白さが凝縮されているからだろう。
また、ゼロテン釣法の普及にはゼロテン対応ロッドが多くのメーカーから市販されたことも大きく寄与している。
ゼロテンに向いた竿は、合わせ遅れのないよう穂持~胴にかけて強い張りがあり、かつマルイカの微妙な触りも察知できる極端に柔軟で繊細な穂先を併せ持っている。
当初そうした竿は市販品にはなかったため一部マニアが穂先を削り、ガイドを巻いて自作していたが、だれでも簡単に作れるものではなく、ちょっとした衝撃でもすぐに折れてしまう、など難点は多かった。
市販品はそこまで先鋭的ではないものの、初めてゼロテンにチャレンジする人でも十分扱える仕上がりになっている。
とはいえ、ゼロテン対応竿を使えばだれでも簡単にゼロテンができるのかといえば、ノーだ。
ゼロテンはオモリを底へ着けたまま道糸を張らずたるまずの状態にしてアタリを取っていくが、アタリはツンと竿先が引き込まれたり、フッと持ち上げられたり、あるいは道糸だけがブルブル震えたりと様ざま。
どんなアタリ方でも竿先でとらえられるようにするには、アタリが出たときに竿先が上にも下にも動くような位置にしておくことが必要なのだが、その最適な曲がりは竿によっても違ってくる。
道糸がたるみすぎてもよくないが、中村さんによればアタリが分からない、見えない、という人の多くは竿先を曲げすぎていることが多いそうだ。
いくら高性能なマシンでも乗りこなせなければ意味がないのと同様、ゼロテン対応竿を使っているだけでゼロテンができるわけではなく、まずはゼロテン状態をキープできるベストな竿先の曲がりを知っておくことが重要ということだ。
なおリールはハンドル1回転で70㎝ほど巻き上げられるギア比の高い小型両軸で、なるべく軽量のほうが合わせたときにイカの「乗り感」が分かりやすいのでおすすめ。
道糸はPE0.8号もしくは0.6号。
水深60m以上の深場では落下速度を考慮して細めのPE0.6号、水深30mを切るような浅場になると根周りを攻めることも多く、根掛かり対策で太めのPE0.8号というのが使い分けの目安。
仕掛けはバラシ防止で直ブラを交ぜてもいいが、ゼロテン釣法のメリットを最大限引き出せる直結仕掛けが中村さんのおすすめ。
現在狙っている水深50m前後であればツノ数は6本で、幹糸はフロロカーボン4号、ツノ間100㎝が基準。
イカの活性が高く反応が浮いているときなどは捨て糸を長くしたり、それでも上のツノによく乗るようであれば、ツノ間120~130㎝と長めの仕掛けに替えて対応する。
捨て糸は根掛かりに備えて細めの3号。
オモリの上30㎝ほどに片結びでコブを作っておくと根掛かりしたときにその部分から切れやすく、仕掛けの全損を低減できると中村さんはアドバイスしてくれた。
使用するオモリは船長の指示に従うのが基本だが、浅場で40号、深場で50号、深場の速潮時は60号が目安になる。
ゼロテンのメリットと竿先の曲がりイメージ
中村イカ生のゼロテンタックル&仕掛け
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LESSON 2・ゼロテン釣法の基礎
ゼロテンの基本的な釣り方は極めてシンプル。
投入してオモリが底へ着いたらタタキを入れてスッテを動かしマルイカにアピールする。
スッテの動きに興味を示したマルイカが仕掛けの周りに近寄ってくるが、スッテが動いているためまだ抱き付くことはできない。
タタキの後にピタッと動きを止めることで反射的にマルイカがスッテに抱き付く。
このときに竿先に出るアタリに合わせて掛けていく。
これがゼロテン釣法の基本的な流れになる。
最も注意すべきことは、いつまでもオモリを底に置いたままタタキ続けないこと。
船は反応に合わせて流れていくので、オモリを底に置いたままでは仕掛けの位置が変わらず、反応からずれてしまう。
また、オモリを底へ置き続けようと道糸を出していくと、周囲の人とオマツリしてしまう原因になる。
たたいて止めた後は必ずオモリを持ち上げて仕掛けの位置を動かす。
そしてタタキと止めを2~3度繰り返したら7~8m巻き上げて仕掛けを落とし直す。
もう一つ、船長の合図に合わせていつでも投入できる態勢を整えておくこと。
早く落ちた仕掛けにイカは寄ってくるためチャンスが広がるということはもちろんだが、遅れて投入するとオマツリの原因になってしまう。
投入合図が出た直後は、船の位置を修正するため道糸が前後左右、どちらかへ流されやすい。
遅れて投入すると、ほかの人の道糸にかぶさってオマツリしやすくなる。
もし遅れて投入するときは、ほかの人の道糸の入り方を見て、道糸がクロスしない方向へオモリを投げるようにする。
①投入に遅れない
②オモリを置きすぎない
中村さんはこの2点をゼロテンを始めるにあたってまず最初に注意してほしいポイントとしてあげていた。
中村イカ生のゼロテン基本釣法イメージ
LESSON 3・タタキのバリエーション
ゼロテン釣法はタタキと止めの繰り返しが基本にはなるが、同じことを繰り返しているだけではアタリが出ないことが往々にしてある。
その打開策として、中村さんはタタキにいくつかのバリエーションを持たせている。
大まかにはイラストに示した4つのパターン。
まずは基本的なタタキ方で、オモリが底に着いたまま立ったり寝たりするイメージでパタパタパタと7~8回揺すったらピタリと止める。
ゼロテンビギナーの方はひたすらこの基本のタタキを繰り返している人もいるかもしれない。
しかし、それではどうにもマルイカが反応してこないことがある。
そんなときは、タタキのパターンを変えてみると奏功することがある。
ユサユサ揺れていたスッテをススッ、ススッと小さく動かしてみたり、パシッ、パシッと激しく大きく動かしたり、あるいはイカを焦らしに焦らせるためタタキの時間を長くしたり。
どんな状況でどのタタキが効くということではなく、アタリが出ないときにタタキのパターンを変えることでイカが反応するタタキを探るイメージだ。
そんなバカなと思うかもしれないが、実際にタタキ方を変えるだけでアタリが出ることがあるから驚き。
とくに一流しで何回も入れ替えできるようなときは釣っているうちにイカもスレてきて、同じタタキを繰り返しているとアタリが出なくなってしまうことがある。
そんなときにちょっと違うアクションを入れることで、再びイカにやる気を出させることができる。
タタキのバリエーション
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