チョイ投げでバリバリ釣れる！東京湾のシロギスは秋も順調

「チョロッと出かけてガッツリ釣果」というのが、シロギスの半日釣りの現状だ。
　
秋の香りが漂う9月28日に東京湾奥金沢漁港・進丸の午前シロギス乗合に出かけた。

進丸といえば親父船長のころからアイナメのブラクリ釣りのイメージが強いが、アイナメ狙いの一時期を除いて周年シロギス船とライトアジ船を出している。

両船とも半日船というのが魅力で、チョロッと気軽に出かけることができる。

午前船は7時半出船11時沖揚がり、午後船は12時半出船16時沖揚がりなので、釣り場までの時間を考えると実質3時間弱の釣りだ。

この気軽さが売りで、若い人のグループやファミリー、カップルに評判がよい。

もっとじっくりと釣りをしたい人は、午前船と午後船に通しで乗ればいい。

平日なのでさすがに釣り客は少ないのだが、当日のシロギス午前船には僕以外に4名の予約が入っている。

ライトアジ船はもっと賑わっていた。

ただ残念なことに、シロギス船は予約の2名が当日キャンセルとなり、結局僕を含めて4名となった。

出船前にはシロギス船の近藤船長が、慣れていない人に懇切ていねいに釣り方を説明してくれる。

さてさて、問題はシロギスの釣れ具合だ。

船長の話では、「台風前はどこでも釣れていたけど、最近はパタッと食わなくなった」そうだ。

ウーン、ヤバいぞ！

定刻の７時半に出船した船20分ほど走って、中ノ瀬20ｍダチのポイントに着いた。

中ノ瀬といっても広いが、この距離なら八景沖って感じかな？

海はナギで最高の釣り日和だ。

当日初冠雪した富士山もきれいに見える。

前日もここだけは釣れた、というポイントらしい。

「潮が効いてないので、投げられる人は軽く投げて誘ってください」というアナウンスでスタートしたのは8時ごろだった。

僕はテンビン2本バリ仕掛けの竿と、胴つき2本バリ仕掛けの竿を用意していた。

潮が効いてないとなるとテンビン仕掛けの誘いは厳しい。

ということで、胴つき仕掛けをキャストして誘うシャクリ釣りをチョイスした。

さて、仕掛けを軽くキャストして誘い始めると、スーッとシャクリ上げようとした竿にククッときて、そのまま竿を立て切るとズシーン。

あー気持ちいい。

強い引きを楽しんだ後に抜き上げたら20㎝オーバーの一荷だった。

デップリ太っていて、見るからにおいしそうだ。

その後もすごいことに、キャストして1～3回シャクるとククッときて、一荷釣りが続く。
　
トーンとオモリが着底してユラーッとエサが落下するときに飛びついてくるのか、糸フケを取る前にスーッとラインが持っていかれたりもする。

こんな調子で釣っていたら、1時間後には24尾をキープしていた。

それも良型ぞろいだから感動ものだ。

胴の間の親子連れは貸し竿1本でお子さん主体に竿を出していたが、スローペースながらシロギスが姿を見せていた。

船下狙いでアタリを待ち続けているから、どうしても数はのびない。

多分、初めての釣り体験だから致し方ない。

でも、それだけにシロギスが釣れると、とてもうれしそうだった。

それはそれでいいと思う。

潮さえ効いていれば船が流れるので、船下狙いの待ち釣りでも、もっと釣れるはず。

操船室の船長に確認すると、「船はほぼ動いてませんねぇ。同じ場所で釣り続けている感じです」とのこと。

大ドモさんは、テンビン2本バリ仕掛けをキャストして釣っていたが、一荷釣りを含めてまずまずのペースで釣っていた。

やはり、こういった条件下ではエサを動かさないとなかなか食ってはこない。
　
もしも、船下狙いならオモリトントン状態ではなく、思い切って20～30㎝ほどオモリを浮かせた状態でアタリを待つのも手だ。

エサがフワフワ漂う状態はアピール度がかなり違う。

うんと昔に、金田湾の練り船の船長に教えてもらったのがコレ。

ハリを飲まれたら、棒状のハリ外しの先端を魚の口の中に入れ、ハリスを棒に添えて指で押さえ、クルクルと振り回して魚を回転させればハリが外れる。

僕は一貫してコレを使っている。

もちろん自作です。

天ぷら衣用の太いはしを適当な長さにカットして、先端をナイフで削りヤスリで仕上げれば完成だ。

潮が効いているときはテンビン仕掛け、効いてないときは胴つき仕掛けがおすすめだ。

胴つき仕掛けはキャストしてシャクるのがコツ。

9～10時の間に僕がキープしたのは17尾。

アタリは続いていたが、15㎝級が随分と交じるようになって、やや型が落ちた感じ。
　
10時過ぎ、親子連れのパパが重そうにリールを巻いていたので、あれっ？とカメラを手にして様子を見ていると、海面に浮いたのはマゴチ。

急いで船長がタモ取りした。

ナイフで絞めて血抜きをしてあげたが、サイズを測ると45㎝だった。

ハリ掛かりしていたシロギスに一気に食らいついて飲み込んだようだ。

それにしても、素晴らしいお土産を手にした親子のうれしそうなこと。

興奮冷めやらぬ様子だった。
　
10時45分ごろに沖揚がり。

僕は48尾で大満足。

親子連れはキス5尾にマゴチ。

トモの方は20尾程度釣っていた感じだ。

進丸は初めての船釣り体験の人も多いので、スソの数はのびないがそれはそれでいいと思う。

何よりも、午前船の親子連れのように感動を持ち帰って、再び船に乗って竿を出したいと思う人が増えればいい。

ちなみに、貸し長グツ、貸しクーラーなどは無料だし、洗濯された清潔なタオルも貸してくれるから手ぶら釣行が可能。

ビニールカッパは200円、魚持ち帰り用保冷バッグも200円、貸し竿は300円。

整理整頓された貸し竿をチェックすると、シロギス用、ライトアジ用ともにしっかりとしたものが用意されていた。

当日マゴチを釣った親子連れは、発泡スチロール箱に氷と一緒に入れてもらっていて、お子さんがしっかりと箱を抱えて離さないのが印象的だった（大切な獲物だからね）。

ベテランはベテランなりに数釣り可能だが、ビギナーもがしっかりと構築している感じだった。

涼しくなってきたので、家族や友人に船釣りデビューさせるにはちょうどいい。

シロギスの魚影は滅茶苦茶濃いから、ベテランが本気で狙えば半日船で50尾は超える状況だ。