銭洲ではこの夏の気温以上に熱い釣りが繰り広げられている。
中大型ムロアジの泳がせ釣りでは10kg前後のカンパチに加え、今シーズンは10kgオーバーのヒラマサの姿も目立つ。
そして大物釣り師のだれもが憧れるモロコ(クエ)のヒットも続いている。
目下のところエサとなるムロアジのサイズが大きいことから、ヒットしてくる魚も全体的に大型が多いのが特徴。
そんな激アツとも言える状況をお届けするため7月18日、西伊豆土肥恋人岬のとび島丸から取材してきた。
![釣行の写真]()
▲常連の伊藤さんは確実にアタリを出してカンパチを4本
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銭洲の泳がせタックル
タックルは泳がせ、ムロアジ用の2タックルが必要。
泳がせ用の竿は感度のいいスタンディング泳がせ専用ロッドを選ぶ。
リールはレバードラグ式の両軸リールを使う人も多いが大型電動でもOK。
ムロ釣り用は遠征五目用か硬めのライトゲームロッドに小型電動を組み合わせる。
仕掛けは泳がせ、ムロアジサビキともに中ムロ用、チビムロ用と両方を用意する。
大ムロの場合はハリは大きめの30号でもOK。
泳がせ用のハリスは裕己船長によると「海草カムフラージュ」が絶対おすすめとのこと。
![釣行の写真]()
▲ハリはエサの大きさに合わせてチョイスする
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![ムロアジ用]()
▲ムロアジ用サビキは中ムロ、チビムロ用の両方の用意をしておくと安心だ
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![釣行の写真]()
▲伊藤さんはカンパチ4本にヒラマサ16kg
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0時半。
深夜の土肥港には10人のチャレンジャーが集まった。
出船は1時ごろで5時間近くかけてポイントを目指す。
この間、エアコンが効いた船室内の個別ベッドでしっかりと休息できる。
関東地方はこの日に梅雨明けすることになるのだが、空は薄曇り。
思った以上に海は波っけがあり船は上下する。
銭洲の象徴、ネープルス周りでまずは泳がせのエサとなるムロアジを確保する。
船長からは中ムロ用のサビキを使用するようにと指示が出る。
ここで一人15尾ほど確保するが、いずれも30cmを超える中大型ばかり。
この時期からの特エサとなるチビムロはまだ少ないよう。
「エサ入れられるようにして」
「はいどうぞ、水深は70m。何匹かいるよ」
続けざまに鈴木忠文船長からアナウンスがある。
船長は反応を確実にとらえたときのみ投入の合図を出す。
つまり、船長から合図があったときは必ずカンパチなど大物がいるということ。
多くはムロアジなどのベイトの反応の下に反応が出るという。
ここにエサを通過させたとき、スーッと追っていく反応が映ると大チャンスだという。
仕掛けは着底させるが、すでにここから勝負が始まっているのだ。
最初に竿を曲げたのは左舷ミヨシの常連・稲穂さん。
落ちていくときから違和感があって、着底後にエサが暴れてそのままにしていたら食ったという。
手慣れたヤリトリで7kgオーバーのカンパチを浮かせた。
同時にヒットしたのは右舷ミヨシの常連・伊藤さん。
竿の入り込み方からモロコのようで、一気に底から剥がしにかかる。
「そらモロコだ~!」と船長がマイクで声を張り上げる。
この船長のマイクパフォーマンスが船上の空気を変える。
みんなの目は一気に戦闘モードだが、浮かせかけたそのとき、フワッとテンションが抜けてしまった。
痛恨のハリ外れだった。
モロコのヒットは多いが、一年で数本も上がればいいほうだそうで、この魚の難易度の高さがうかがえる。
![釣行の写真]()
▲14.7kgのヒラマサ。どうやらカンパチよりも先に食ってくる傾向にあるよう
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![釣行の写真]()
▲1投目から7kg浮上!若船長に「今日のノルマは3本!」と言われるもしっかり3本上げた
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落下中から勝負!
船下には大物がいる。
仕掛けの落下中に自分のエサを見付けてもらうことが勝負の分かれ目だ。
落下中からエサの動きを確認して、違和感を感じたら着底後すぐに上げずにそのままにしておくといいそう。
ここでアタることが多い。
![釣行の写真]()
(上)落下中も細心の注意を払う(下)手巻きでゆっくり巻き上げて誘い、再度落とすのも効果的
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ヒラマサ19kg&カンパチ10kg浮上
再び反応を探し探索。そして第2ラウンドがスタート。
すると今度は左舷、右舷とも後ろ側でヒット。
そして先ほどの伊藤さんとトリプルヒット!
最初に上がったのは伊藤さんで6kgほどのカンパチ。
そして左舷トモ2番では後検量14・7kgのヒラマサが上がった。
右舷は根ズレで同サイズと思われるヒラマサをバラした。
次の流しでは左舷ミヨシ2番で着底すぐにズドン。
一気に根から剥がして電動巻き上げ開始。
船長のマイクで船中ドッと沸く。
そして浮上したのは当日の最大魚となるヒラマサ19kgで、釣った本人はその場にへたり込んだ。
このとき、左舷ではトモ2番、ミヨシの伊藤さんとトリプルヒットしていて、トモ2番ではカンパチ10
・5kg、伊藤さんは5kgほどのカンパチを上げた。
1時間ほどの濃厚な時合だった。
アタリを出す人、出せない人の差は何か。
「落下中に追いかけてきているので、着底したらそのまま少し待ったほうがいいですよ。食うときは大体ここで食います」とは、副船長を務める若船長の裕己さん。
ここで食わなければゆっくり15m前後巻き上げていき、そこから落とすと食ってくることがあるという。
もちろん合図と同時に投入するのは大前提だ。
この後はお土産のウメイロ釣り。
良型の4点掛けもあり一通り釣ったあとはいよいよ最後の決戦となる。
13時の沖揚がりまで残り2時間。
左舷大ドモでとてつもないアタリがやってくる。
どうやらまたモロコのようだ。
「巻いて巻いて」のマイクも引きが強烈すぎて寄せられない。
相手は百戦錬磨のモロコ。
今まで恐らく何度もフッキングを経験してそのたびに生き延びてきた。
根に張り付いてしまったようで、最後は道糸切れ、モロコの勝利だ。
その後しばらくアタリが出なかったがラスト1時間ごろから時合到来。
4人同時ヒットもあり、7kg前後のカンパチが4本、16kg、12kgのヒラマサが立て続けに取り込まれ、まさに圧巻の銭洲ワールドだった。
今後はチビムロのシーズン。
こうなると5kg前後のカンパチが釣りやすくなり、だれでも泳がせ釣りに挑戦できる。
銭洲は色褪せるどころか、ますます輝きを増す夢のフィールドだ。
![釣行の写真]()
▲19kgに加えて13kgと2本のヒラマサをゲット
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![釣行の写真]()
▲10人でカンパチ14本、ヒラマサ4本、そのほかバラシ多数だった
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船宿INFORMATION
西伊豆土肥恋人岬
とび島丸
0558・99・0159
▼備考=予約乗合、0時半集合。
ポイントにより割増あり。
ほかイナンバ遠征、スルメイカなどへ
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隔週刊つり情報(2024年8月15号)※無断複製・転載禁止