昨年、茨城の夜イカ釣りでマルイカが爆釣したのをご記憶の方も多いだろう。
そのブームを牽引した鹿島港の不動丸では今シーズンは早めにマルイカ探索を開始、6月下旬現在はイカが浮かず底反応を狙っていい日でトップ20~30杯といったところだが、数はのびない代わりに胴長40cmオーバーのアカイカサイズも交じってまずまずの盛り上がりを見せている。
マルイカは確実にいるので、あとは反応が浮いてくるのを待つばかり。
昨年は7月中下旬から状態に入ったというから、今号発売直後は絶好の狙い目。
水深10m前後の浅ダナで入れ掛かりになる日もそう遠くはないはずだ。
現在の釣り方は主に3通り
爆釣モードに入ったら完全にマルイカタックルに分があるが、底狙いの現状ではオモリ100~120号のノーマルタックル、オモリ50~60号のマルイカタックル、25~30号のナマリスッテを使ったイカメタルと、好みの釣り方でOKだ(イカメタルは予約時に申し出る)。
![現在の釣り方は主に3通り]()
(左)船ではマルイカ仕掛けとウキスッテ仕掛けを購入でき る(右)イカメタル系の仕掛けは持参
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鹿島の夜イカ釣りは6月中~下旬にムギ・スルメイカから始まり、夏にムラサキイカへと切り替わって9月ごろまで続くというのが一昔前のパターンだった。
しかしもう何年も前からムギ・スルメイカが釣れなくなり、ここ数年はスジイカ爆釣からムラサキイカへと切り替わるパターンが多かった。
その合間にマルイカが釣れたりすることはあったものの、大きな注目を集めることはなかった。
ところが昨年、7月中~下旬から宙層に浮いたマルイカの反応が発見され、海面下10~20mという浅ダナで連日連夜、トップ100杯を超す大爆釣が9月まで続き、一気に注目を集めることとなった。
夢よ再び、ということではないかもしれないが、今年もいち早く鹿島港の不動丸が探索を開始、この夏も鹿島の夜イカ釣りはマルイカが主役になりそうな雰囲気がプンプンと漂っている。
![釣行の写真]()
▲オモリグで中型ゲット
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3パターンのタックル&仕掛け
宙層にマルイカが浮いた昨年のような大フィーバー状態となれば、完全に相模湾や三浦半島、外房のようなマルイカタックルでの狙い方の独壇場となるが、現状はそうではない。
そこで6月末時点での状況を踏まえ、タックルや仕掛けの準備を整えておきたい。狙い方は3通り。
オモリ100~120号のノーマルタックル、オモリ50~60号のマルイカタックル、25~30号のナマリスッテを使ったイカメタルタックル。
不動丸ではオマツリを回避するためイカメタルとそれ以外の釣り方で釣り座を分けるため、イカメタルを希望する場合は予約時に申し出ておく。
今のところまだほかの船宿では夜イカ船を出していないが、今後出船が始まっても同様のスタイルになると思われるので、予約時に希望の釣り方を申告しておくことを忘れずに。
ではまず、3通りのタックルについて。
ノーマルタックルはイカ竿や各種汎用竿などにPE3~4号の道糸を巻いた電動リールを使うなどする場合。
船宿としては一部オールドファンもいるためノーマルタックルを完全に切り捨てるわけにもいかず、オモリを100~120号にすればOKとしている。
ただしスジイカやムラサキイカ狙いならともかく、ことマルイカ狙いに限っては、少なくとも本誌を読んでいただいている人にはおすすめしない。
マルイカ特有の微細なアタリを取って掛けていく釣り方には不向きだ。
マルイカタックルは前述したように三浦半島などで使われているPE0.8~1号の道糸を巻いた手巻きの小型両軸を使うマルイカ用でOK。
ただし、ここにも注意点。
現状はほぼ底でしか乗らないためゼロテン有利ではあるが、宙層に反応が浮いた場合には宙釣りしか効かなくなる。
水深60mほどで、タナが海面下10~20mになればいくら捨て糸を伸ばしてもゼロテンは無理。
なので底を切ったらアタリが出なくなるガチガチのゼロテンロッドではなく、宙釣りにも対応できるマルイカ竿も用意しておいたほうがいい。
また、オモリについても現状は50~60号が中心だが、浅ダナになれば30~40号と軽くできるので各種号数を用意しておきたい。
イカメタルタックルは専用竿もあるが一つテンヤ竿などでも代用は可能。
イカメタルと聞くとルアーっぽいイメージで拒絶反応を示してしまうエサ釣り師の人もいるかもしれないが、多少長さに難点はあるものの宙釣り用のマルイカ竿も十分使える。
一度チャレンジしてみることもおすすめしたい。
![釣行の写真]()
▲鹿島の夜イカ釣り、今シーズンは開幕からマルイカが主役になっている
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ちなみに基本的には途中で釣り方の変更はできないが、乗船者が少なくオマツリの心配がなければ釣り方を変えても大丈夫な場合がある。
ケースバイケースにはなるが、とりあえずタックルや仕掛けを用意しておき、船長に確認を取って臨機応変に対応してほしい。
ノーマルとマルイカタックルの仕掛けはほぼ同様。
スジイカのように1投多釣を狙う釣りではないから。
ツノ数はせいぜい5本、場合によっては3~4本と少なくして手返し優先で釣っていきたい。
仕掛けの仕様は直結、ブランコ、直ブラとあるが、これは好みや慣れの問題。
直結仕掛けの扱いができなければ直ブラやブランコのほうが無難。
ただしサバが多いこともあるから、扱えるなら直結のほうがいいかもしれない。
問題はツノ。
現時点ではマルイカ用の3~4cmのスッテより2.5号の布巻きウキスッテのほうに反応がいい。
状況により乗るツノは変わってくるので、両方用意しておくことを強くおすすめする。
なおスジイカやムラサキイカ狙いのときのように水中ランプは必要ない。
イカメタルはオモリの代わりになる20~25号のナマリスッテがベースで、潮具合によっては30号もあったほうがいい。
これにドロッパーと呼ばれるいわゆる枝スに2.5号のウキスッテや1.8号の餌木を1本付ける。
今のところ乗るのは底中心
釣り方は、現状では底狙いが中心。
活性が上がって乗りがよくなっても反応は浮くことなく、乗るのは底付近だけ。
なのでノーマル&マルイカタックルの場合は着底したらたたいて止めて、空合わせの繰り返し。
アタリがなければ適度に巻き落としを入れる。
注意すべきは道糸の流れ具合。潮型が悪いと釣っている間に道糸が船下へ入り込んだりミヨシやトモ方向へ大きく流されたりする。
釣りづらくなったら一度仕掛けを回収して再投入するようにしたい。
イカメタルの場合も、狙いは底付近。
一般的にはワンピッチジャークやタダ巻きでタナを探っていくが、誘ってもせいぜい5mくらいでいい。
むしろシャカシャカ誘うよりも、着底したらわずかに底を切ってじっと待っているだけのほうがアタリは出やすい。
アタリがなければたまに誘いを入れたり巻き落としをしたりする。
ここで一つ、船長に教わったイカメタルでの底狙いの方法を紹介しておこう。
着底したら、ナマリスッテを立てたり寝かせたりして竿先をヒョコヒョコ動かす。
ナマリスッテを底へ置いたままドロッパーのスッテを動かすイメージだ。
これでピタッと止めたときにアタリが出たら即合わせする。
アタらなかったり道糸が流されて釣りづらくなったら回収して再投入。
この釣り方だと、ほとんどがドロッパーに乗ってくる。
ちょっと普通のマルイカ釣りをしたことがある人ならアタリの感触はすぐに理解できるはずなので、ぜひ一度チャレンジしてみていただきたい。
アタリに合わせて掛けるマルイカ釣りの面白さを堪能できるはずだ。
![釣行の写真]()
▲陽が沈む前から良型交じりで乗ってきた
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今シーズンもXデーは近い!?浅ダナでの入れ掛かりに期待
昨夏のお盆休みに鹿島の夜イカでマルイカがものすごく釣れているという情報を聞きつけ出かけてみたところ、海面下10mの浅ダナで入れ掛かりになり衝撃を受けた。
これはぜひとも取材したいと思ったのだが、シーズン的にはもう終盤。
結果的に9月一杯釣れ続いたようだが、今年はなるべく早めに取材したいと6月26日、茨城県鹿島港の不動丸へ。
17時過ぎに9名で出船、北へ走ること1時間ほどでポイントへ到着。
常連さんによると前回来たときは航程40分くらいのもうちょっと近場だったとか。
船長は反応と潮の流れ具合を慎重に確認してパラシュートアンカーを投入、「水深54m。マルイカタックルの人は50号、ノーマルタックルの人は100号、イカメタルの人は25号で始めてください」と使用するオモリの号数を指示。
加えて今のところ2.5号の布巻きスッテに反応がいい、ツノ数は少なくして感度優先のほうがいい、乗るのは底中心など細かなアナウンスをしてくれる。
開始からほどなくしてマルイカタックルの人にアタリがあり、ムギイカ交じりでポツポツとマルイカが取り込まれる。
ここ数日は早い時間帯はイカメタルのほうが優勢だったそうだが、今日は様子が違うようだ。
ところが、陽が沈んで辺りが暗闇に包まれると形勢逆転、今度はイカメタル組がポツポツ乗せ始める。
釣れるマルイカも心なしか大きい気がする。
船長に聞くと、イカメタルだからといって必ずしも大型が釣れるわけではないらしい。
それよりも、底中心で乗るときはシルエットの大きい2.5号の布巻きスッテに反応しやすいのではないかとのこと。
![釣行の写真]()
▲このところはイカメタルのほうが優勢の傾向
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イカメタルが面白い
なんとか撮影も進んだ22時ごろ、ちょっと道具を出してみることにする。
ここまでの釣れ具合はイカメタルとマルイカタックルで大きな差はないが、小サバが回ってきてブランコ仕掛けの人は苦戦していたので、イカメタルでやってみることにした。
専用タックルは持っていないので、宙釣りにも対応できるマルイカ竿。
ツノと仕掛けは出船前に港にある釣具店で購入したもの。
イカメタルの経験はほとんどないのでこんなんで大丈かな?と思ったが、全く問題はなかった。
潮が緩んで釣りやすくなったこともあり、船長に教わった底狙いの方法でまずは1杯。
いわゆるイカメタル的ゼロテンといったところだが、確かにこの方法だとドロッパーに乗ってくることがほとんどだった。
22時半ごろからマルイカの活性が上がって乗りがよくなってくる。
隣で連発している人に聞くと、少し浮かせてじっと待って、たまに誘いを入れる程度と教えてくれた。
それを真似してやってみると、確かにかなりのロングステイで竿先をグーッと引っ張られるアタリが出る。
これで3連発しているうちに感覚がつかめてきて、イカがスッテに抱きついている感触、竿先を引っ張る前のいわゆるモタレのアタリが取れるようになり一気にツ抜けに到達できた。
後半乗りがよくなったことで少々延長してくれ23時過ぎに沖揚がり。
トップは20杯ほど、10杯前後の人が多かったが、これくらいの釣れ具合ならアタリを取って掛ける面白さを堪能できるイカメタルがおすすめだろう。
もちろんイカが浮いてきたら話はガラッと変わる。
取材日以降、徐々に数釣りモードに移行しそうな雰囲気が出てきているようだから、マルイカタックルの準備もお忘れなく。
本誌発売時には2隻体制でスタンバイしているとのこと。
今年もXデーの到来が待ち遠しい。
![釣行の写真]()
▲マルイカタックルでも直ブラ、ブランコ仕掛けの人が多かった
出典:
INFORMATION
茨城県・鹿島港
不動丸
0299・95・6725
▼備考=予約乗合、16時受付開始。
別船はフグ、マダコ、一つテンヤ、ルアー青物などへ
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隔週刊つり情報(2024年8月1号)※無断複製・転載禁止