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[E2F(第2回)]外房大原沖のSLJ

隔週刊つり情報編集部

ヨッシーこと吉岡進がルアー釣りを中心に色いろな釣り物を狙い、毎回釣りの楽しさを伝えていく当連載「Enjoy Every Fishing(略してE2F)」。

第2回は外房大原沖のスーパーライトジギング(以下SLJ)。

100g以下の軽いジグとライトなタックルを使い、好きに巻いたり、シャクったりして自由に楽しむことができる。

基本的には底付近の根魚と、宙層の青物を狙う釣りながら、魚種が多彩な外房の海だけに、何が食ってくるか分からないのが魅力。

ライトだからといって小物ばかりではなく、10kgオーバーのヒラマサなど大物がヒットする可能性だって十分ある。

4月下旬に釣行したのは外房大原港の広布号。

野島幸一船長が向かった釣り場は大原沖の水深40m前後。

この海域で釣れるのはハタ類、カサゴなどの根魚やヒラマサ、イナダ、カンパチなどの青物、ほかにマダイなど様ざま。

ポイントに到着するとベイトの反応がバッチリ映っているとのこと。

ヨッシーはブレード付きのSLJ用ルアー「バンブルズ バイトビーンズTG」60gをキャスト、タダ巻きするとカサゴがヒット。

さらに「バンブルズジグTG SLJ」80gで良型のウッカリカサゴを釣り上げた。

その間、船内ではジギングでショゴ(カンパチの若魚)やマハタ、タイラバでマダイが釣れて盛り上がる。

今回は専用ロッドとルアーを使い外房のSLJを楽しんだヨッシー。

釣行の写真

▲タダ巻きすると底付近で良型のカサゴが食ってきた

釣行の写真

▲しなやかなSLJ専用ロッドが弧を描く

SLJの釣り方1 キャストして斜めにタダ巻き

浅いポイントではスピニングタックルでルアーをキャストして斜めに引いて広く探るのも一手。

ルアーが着底したらタダ巻きして底上10mまで到達したらカーブフォールさせて再着底。

これを船下まで繰り返す。

SLJの釣り方2 バーチカルでワンピッチジャーク

SLJの基本はワンピッチジャークで底上10mまで探る。

底から5m上まではスローな誘いで根魚にアピール。

アタリがなければ1秒間にハンドル1回転のワンピッチジャークで宙層を探り青物を狙う。

#Enjoy Every Fishing Tackle guide

SLJタックル

タックルはルアーを投げて広く探るときはスピニング、船下を狙うときはベイトと使い分ける。

フルソリッドのSLJ専用ロッドならしっかり曲げてファイトを楽しむことができる。

当地では大型のヒラマサがヒットすることもあるので、広布号では道糸はPE1.2号を推奨している。

#船宿インフォメーション

外房大原港

広布号

070・3526・1091

外房大原で気軽なSLJを楽しませてくれる広布号。

SLJの普及に積極的な野島幸一船長は、もちろんビギナー大歓迎。

ドテラ流しで片舷にしかお客さんを入れないので、オマツリもしづらい。

ポイントを熟知しているので、アタリが遠くなればすぐに移動してくれるためやる気を維持できるし、ていねいなアナウンスで状況を伝えてくれるからとても釣りやすい。

広いキャビンを備えた大型船は快適そのもの。

レンタルタックルもあるので初めての方もぜひ足を運んでほしい。

〇備考=予約乗合、午前船5時半、午後船11時半集合、集まり次第出船

船長

(左)野島 幸一船長(右)フロントはフラットデッキで釣りやすい。船内には予備のタックルを収納できるロッドホルダーがたくさん設置されている

SLJ──スーパーライトジギング──という言葉を聞いただけでワクワクする人は、間違いなくSLJの経験者だろう。

体に負担が少ない超軽いジグ&タックルで、イージーなアクションをするだけで、色いろな魚が釣れてしまうSLJは、海のルアーフィッシングの中でも出色の面白さだ。

ターゲットを特別絞ることなく、その時期、その日、その場所にいる魚を釣るというフリーダムさは、SLJにのびやかなムードをもたらしている。

一方で、SLJと聞いて首を傾げた人は、SLJをやったことがない人だろう。

一度でもやれば楽しい釣りだということが分かる半面、「エス・エル・ジェー」というちょっとイマドキっぽいアルファベットの並びもあって、年齢が高い保守的な釣り人ほど敬遠しがちである。

もったいない。

実に、もったいないことだ。

ここで鼻息をフゴフゴ荒げて登場するのが、ライターのタカハシゴーである。

「昭和44年製のオレが思うに、SLJこそ高齢者に最高に向いている船のルアー釣りだ」熱弁している。

昭和44年製ということは、現在53歳。

今回、外房大原港の広布号に乗り込むメンバーの中で最年長である。

はっきり言って不器用だし、知力・体力ともに衰える一方であり、「1尾でも釣れれば十分でございます」というタイプで、釣りへの欲は薄い。

そんなタカハシゴーでさえ、「SLJは最高である」とのたまうのだ。

5時半、大原港にはジャッカル・プロスタッフの吉岡進さんの姿があった。

「ヨッシー」などという愛称で呼ばれる茶髪のパーマ男だが、昭和56年製の41歳。

結構いいおじさんなのである。

そしてヨッシーの釣友が二人。

イチロウこと鹿島一郎さんは昭和54年製の44歳。

トモキこと板倉友基さんはグッと若くて平成6年製の28歳だ。

平均41・5歳。

ズバ抜けて若いトモキを除けば、平均46歳。

もはやリッパなおじさん軍団が「やっぱSLJは面白ぇ~」と口をそろえるのだ。

スポーティーで爽やかなスーパーライトジギング

やらなきゃ損である。

4月18日6時ごろ、広布号はボチボチと港を離れた。

港内は穏やかな朝だったが、沖では少し強い風が吹き、ウネリもある。

広布号に乗り込んだのは、我われエンジョイ・エブリー・フィッシング軍団の4名だ。

期せずして貸し切り状態になったが、SLJは竿数が多いほうがいい。

「何しろ、エサではなく金属製のジグで魚を釣ろうっていうんだからね」と、ヨッシー。

「魚の捕食スイッチを入れてジグに食いつかせなければ、話が始まらないんだ。そして捕食スイッチをオンにする最強のきっかけは、ほかの魚が捕食すること。ルアー釣りは、だれかのヒットを皮切りにして、バタバタッとアタリが続くことが多いんだよ。だから、なるべく多くのルアーが海中にあって、魚にコンタクトしたほうがチャンスも増えるんだけどね……」

決して好条件とは言えない中、7時に大原沖40m前後のポイントに到着し、SLJがスタートした。

と、ものの5分もたたないうちに、イチロウがドヤ顔を見せた。

SLJ用のタックルはライトなので、竿の曲がりも大きく、ダイナミックだ。

「やったじゃん!」

「カッコいいよ!」

「バラすなよ、バラすなよ!」

明るい声が飛ぶ。

だれかにヒットすると、みんなにチャンスが訪れる。

だからだれもがヒットした人を心から応援できる。

そこには敬意や憧れこそあれ、ジェラシーややっかみなどといったネガティブな感情はない。

このスポーティーな爽やかさも、SLJを始めとするルアー釣りの楽しさの一つだ。

タカハシゴーも、トモキも、そしてヨッシーも、固唾を飲んでヤリトリを見守る。

魚が走り出したので、全員竿を上げた。

貴重で大事なファーストヒット。

ここはなんとしても獲ってもらわなければ……。

慎重なヤリトリの末に姿を見せたのは、スロー系ジグ(スロージギング対応の幅広ジグ)をくわえた丸まるとした45cm級のショゴ(カンパチの若魚)だった。

「80gのスロー系ジグで10mほどワンピッチジャーク。そこから2mほどフォールさせたところで糸が止まったんです。そりゃ合わせますよね!」と、満面の笑みを浮かべるイチロウ。

すぐにトモキにヒット。

青物が続くかと思われたが、ナイスサイズのESO、すなわちエソだった。

SLJでは定番のゲストである。

釣行の写真

▲1. 5kg級のショゴ(カンパチの若魚)がヒットし、SLJタックルならではのスリリングなファイトを堪能した

ジギングやタイラバなど釣り方は自由に楽しめる

楽しさやメリットが多いSLJだが、その中でも大きいのは、フリーダムさだ。

船長への確認や周囲への配慮、状況の判断は必要だが、基本的には何をやってもOK。

とくに広布号の野島幸一船長のようにSLJをメインの釣り物とする船長ほど、「釣り方は自由」というオープンな考え方の持ち主だ。

釣り人は、自分で戦略を立ててのびのびと釣りが楽しめる。

ヨッシーが選んだルアーは、60gのジャッカル・バンブルズ バイトビーンズTGだ。

「バイトビーンズはブレードが付いてて、タダ巻きで強くアピールしてくれるルアー。潮が効いてないみたいだから、使ってみようかな」と、言っているそばからカサゴを釣ってみせた。

「巻いて、落としての繰り返し。それだけで釣れたよ」釣果を出したことで、笑顔を見せるヨッシーである。

釣り開始から45分もたつと、なんとなくだがその日の傾向が見えてくる。

今日はSLJにしてはかなりアタリが少なく、シブい。

「少ないチャンスを逃せない」という緊張感がある。

その30分後、またもイチロウがビッグファイトを始めた。

「着ドンで食ってきた!」野島船長も操舵室から身を乗り出し、「なんだろねえ?トルクがある引きだから、マハタっぽいな」とうれしそう。

イチロウはもともとエサ釣りの人だった。

どんな釣りでもとりあえずアオイソメを持参することから、一時は「イソメマン」とも呼ばれていたが、今やすっかりルアーの人である。

「もともとは、エサとルアーで釣果に差が出るのか知りたかったんです。だからアオイソメを使ってみた」とイチロウ。

トータルで見れば、エサもルアーも差はない、という結論に至ったそうだ。

今は、「ルアーによって釣果に差が出るのかが知りたい」と、ルアーに傾倒している。

そして、ショゴに続いてのナイスファイトだ。

ルアーは同じくスロー系。

イチロウは過去何度かの広布号乗船経験から、「このポイントはスロー系ジグがよさそう」と読んでいた。

イチロウは落ち着いて魚をいなしているが、何しろタックルがライトでPEは1.2号、リーダー4号と細糸。

見ているだけでもドキドキする。

ユラリ……。

茶色い魚体が見えてきた。

ネットインしたのは、2kg級のナイスなマハタだった。

スロー系ジグにこだわるという戦略が見事にハマったイチロウ。

イソメマン改めルアーマンの面目躍如である。

魚の活性とルアーの波動をバランスよく合わせる

主役のヨッシーは、もう一つパリッとしない。

バンブルズジグSLJ TGの80gでウッカリカサゴを追加したものの、なかなかアタリが出せない。

今日はとくにシブい。

野島船長も苦笑いだ。

スロー系ジグで2kg級のマハタを釣り上げて大満足の鹿島さん「魚探の反応を見てるとベイトもいるし、ターゲットもいるにはいるんだよね。ベイトはちょっと小さめだけど、こんなにアタリがない理由にはならない。水温が極端に下がったわけでもないし、潮もそれなりに流れてるし、なんでだろうねえ」と野島船長。

こうなると、「やっぱり金属片じゃ魚を振り向かせられないんじゃないの……?」と、ルアーに対して疑念を抱きたくなる。

だが野島船長によると、今日はエサ釣りの船も不発とのこと。

まぁ、自然相手の遊びならこういう日もある、ということだ。

時間は無情にも過ぎていく。

沖揚がりの11時まで、あと30分。

トモでタイラバに勤しんでいたトモキが、「キタ!」と叫んだ。

1kg級のマダイだ。

SLJの取材にもかかわらずタイラバでヒットさせてしまうあたり、28歳とまだまだ若く、釣果にも貪欲なトモキらしい。

「今日は波動が弱いほうがいいかな、と思って、タイラバにしたんです。会心の一撃ですよ」ニコーッと笑う。

釣行の写真

▲スローなジャークのあとにフォールでバイトしてきた良型のウッカリカサゴ

釣行の写真

▲1kg級のマダイ。広布号のSLJ乗合はタイラバもOK。SLJと同じく道糸はPE1.2号を推奨

その爽やかな笑顔を見て、タックルボックスからジャッカル・鉛式ビンビンスイッチ80gを取り出したのは53歳のタカハシゴーである。

彼はこの日、朝に受付で購入した広布号タングステン100gで粘り通し、まずまずサイズのウッカリカサゴを1尾キャッチしていた。

しかしトモキの「ニコーッ」にやられ、ビンビンスイッチにスイッチ。

するとすぐにゴンゴンゴンッとマダイらしきアタリがあったのだが、残念ながらハリ掛かりしなかった。

だが、確実にマダイだった。

その様子を見ていたヨッシーは、「そうか~、そうだったのか~」と、天を仰いだ。

「朝のうちは潮が効いてなかったから、波動が強いバイトビーンズTGを使ったんだ。時間がたつにつれてだんだん潮が効いてきたから、波動を抑える狙いでバンブルズジグTGSLJにしたんだけど、トモキのタイラバやゴーさんのスイッチにアタリが出たということは、もっと波動が弱いほうがよかったんだな……」

ヨッシーいわく、波動が弱い順に、スイッチ、タイラバ、細身ジグ、幅広ジグ。

最後はタイラバとスイッチにアタリが出たことで、「もっと波動が弱いほうが……」と結論に達したのだ。

だが、みなさんお気付きだろうか?

ショゴにマハタを釣りヒーローとなったイチロウは、かなり波動が強いスロー系の幅広ジグを使っていたのである。

「結局、正解は分かんないッスよ。そこが釣りの魅力なわけで」と謙虚なイチロウである。

しかし、その舌は滑らかだった。

「すごくシブかったのは確か。だから基本的には、ヨッシーの言うとおり波動が弱いほうがよかったんでしょうね。僕が釣ったカンパチはフォールでジグがヒラを打ったときだし、マハタはジグが着底した瞬間の着ドンだったので、フォール中に長くヒラを打って広い範囲にアピールできたから、あまり食い気のないマハタも飛びついたんだと思います。ただ、次も同じことがうまくいくか分からない。結局、限られた時間の中でどれだけその日の状況に合わせ込めるか、ではないでしょうか」

しっかりと結果を出しているだけに、44歳イチロウの言葉には説得力があった。

「やれるだけのことはやった。次、頑張るよ」

少し肩を落としながらも再チャレンジを誓う41 歳のヨッシーだった。

なんだかんだ、釣りをエンジョイしている連中は、みんな心が若いのである。

ヨッシーのメモリアルショット

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