船釣りの中でも希少性の高さではトップランクに位置するのがアラ。
その幻のターゲットを専門に狙えるのが茨城県波崎新港・丸天丸のアラ五目だ。
釣り場は犬吠埼沖の水深115~160m前後で、胴つきまたはテンビン仕掛けの2本バリで狙う。
釣れるアラは1~2kg級を中心に時折74kg以上の大型がヒットすることも。
交じるゲストもオキメバルやユメカサゴ、オニカサゴやカンコといったカサゴ類からマゾイ、メダイ、ムシガレイやイシナギとその顔ぶれは多彩。
五目釣りとしても十分楽しめる。
![釣行の写真]()
関東でアラを専門に狙える釣り場は今やほとんどない
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当たりエサを見つけよう
付けエサは持参が基本で、サバやイカの切り身、ヒイカ、小型のヤリイカやイイダコなどを使う人が多い。
当日はイイダコとサバの切り身を抱き合わせにした人が4尾のアラを釣り上げた。
色いろ持参して当たりエサを見つけるのもこの釣りの楽しみの一つだ。
専門に狙っても釣れる確率が極めて低い魚のことを「幻の魚」と称することがあるが、アラもそれに例えられる魚といえよう。
そんな幻の魚が高い確率で釣れる釣り場としてあげられるのが犬吠埼沖だ。
茨城県波崎新港の丸天丸はこの海域のアラ釣りを得意とする船宿の一つ。
時期になればアカムツやヒラメ狙いも受け付けているが、これまでのアラ狙いの実績に釣り人たちの目が留まらないはずもない。
またオキメバル、ユメカサゴ、オニカサゴ、カンコ、マゾイ、メダイ、ムシガレイ、イシナギなど多彩なゲストが交じるので、たとえ本命アラが釣れなくてもクーラーはにぎやかに埋まること間違いなし。
アラ五目と称し、今では年間を通しての看板メニューとなっている。
![釣行の写真]()
1~2kgキロ級主体だが10kg近い大型の実績もある
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多彩なゲストがお出迎え
7月中旬の早朝5時、丸天丸の船着き場に集まった釣り人は私を含め7人。
丸天丸では釣り座は予約順で決まるので、のんびりと出かけられるのはありがたい。
準備が整ったところで出船。
釣り場までの航程はおよそ1時間半。
その間、船長に話を伺うと、丸天丸がアラを狙う釣り場は大別するとカンネコ根、犬吠埼沖、犬吠埼南沖の3エリアに分けられる。
釣り場の水深は120~160m。
根場を狙うこともあるが、どちらかといえはツブ根が点在する比較的平たんな場所が多いとのこと。
どの釣り場もアベレージサイズは1~3kg。
強いていえば5kg以上の大型は南沖のほうが確率は高いが、先日は潮が速過ぎて釣りにならなかったことから本日は犬吠埼沖を狙ってみるとのこと。
仕掛けはオモリ200号、ハリ数2本であれば胴つき式、テンビン式、お好みでOK。
「そろそろ釣り場に到着しますので準備をお願いします」
6時40分にエンジンがスローとなり、「それではやってみましょう。126mです」
ジギングの人以外は全員胴つき仕掛けをセット。
サバやイカタンのほか小型ヤリイカ、イイダコ、イワシなど各自思い思いのエサを付けて仕掛けを投入する。
ほどなくして左舷大ドモの八本さんにアタリ。
しかし巻き上げ途中で魚の気配がなくなってしまい、食い千切られたエサのヤリイカだけが上がってきた。
いい感じに竿が絞り込まれていただけに残念だ。
船中第1号の魚はドンコ。
見た目に遠慮してしまう人も多いが食してはとても美味な魚。
汁物が定番だが、肝と味噌とネギを合わせてたたいたなめろうは口に運んでビックリするおいしさだ。
先の八本さんの竿に再びアタリ。
海面を割ったのはユメカサゴ。
ユメカサゴと聞くと15cm程度の小型といったイメージが浮かぶが、釣れ上がったのは1kgはありそうなビックリサイズ。
「この場所で釣れるユメカサゴはこのサイズが多いんですよ。煮つけ、刺身で最高です。これを釣りたくて来るお客さんもいるくらいです」と船長。
![釣行の写真]()
超特大のユメカサゴを狙う人もいるとか
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知っ得!アラ釣りは簡単
胴つき仕掛けの場合はオモリが底をトントンたたく程度をキープしながら時折ゆっくりと竿一杯まで立てて、再び落とし込む。
テンビン仕掛けの場合は仕掛け分底を切って、胴つき仕掛け同様、時折上げ下げの誘いを入れる。
以上がアラ釣りの基本だが、船長のアドバイスはどちらの場合でもオモリはベタ底のままでいいとのこと。
ナギとはいえ、外海はウネリが付き物。
オモリが底をたたく程度にしておくだけでもゆったりとしたウネリが船を持ち上げ、それにより仕掛けも持ち上がるのでそれだけで十分な誘いになるという。
言い換えれば難しく考えなくてもいい、底ダチさえ取れていればアラは釣れるよ、ということだ。
丸天丸では常時仲乗りさんが乗船。
常に船内に目を配り、オマツリ対処やタモ取りはもちろん、分からないことや困った場合は声をかければ親切にサポートしてくれるので、ビギナーでも臆することなく乗船していただきたい。
スロージギング狙いでの乗船も大歓迎だ。
![釣行の写真]()
誘いは竿を上下させるだけ
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大移動で好転
「こっちでアラが上がったよ」
本命第1号。
釣り上げたのは右舷大ドモの神崎さん。
2kgサイズにスルメイカのオマケが付いてうれしいやらおかしいやらの笑みがこぼれる。
右舷2番の池田さんはオキメバルに続きまたもや赤い魚影。
これがなんと珍しエビスダイ。
しかも1kg近いサイズ。
私は食したことはないが大変おいしい魚らしい。
う~、食べてみたい。
「本命だったらいい型だと思いますよ」
傍らで出す仲乗りさんの竿にいいアタリ。
力強い引きに竿がガクンガクンと大きくたたかれ期待が持たれるが、「あっ、浮かせたからサメだ」
アラとサメはアタリ、引きともによく似ているが、サメは巻き上げ途中で食い上げるようにフワッと竿先を浮かせることがあるのが見分けのポイントだ。
潮が流れずいつもはにぎやかなゲストのアタリすら遠く、沈黙の流しが繰り返される。
10時を過ぎ、ここまでアタリが遠いとなるとさすがに焦りの色が見えてくる。
ここで船長、意を決しての大移動。
30分ほど航行したところでリスタート。
水深は同じく120m前後。
ここで右舷ミヨシ1番の伊澤さんの竿にアタリ、1.5kgサイズのアラが浮上。
エサはヤリイカの1杯掛けだ。
アラはいるぞ!
回り直すとジギングで狙っていた榊原さんも同サイズのアラを釣り上げ、その撮影をしている間に大ドモの神崎さんは3尾目のアラをキャッチ。
「これは本物だよ!」
ここまでいいところのなかったトモ2番の中村さんの竿が力強く引き込まれる。
アラのアタリは明確で力強い。
そしてハリ掛かり直後のトルクパワーも同じサイズの魚の比ではない。
これがアラ釣りの魅力、だいご味だ。
「お~、出た~!」
歓声とともに浮上したアラは船長の目測で3kg弱。
値千金の1尾はサバとイカタンの抱き合わせにヒット。
締めくくりは再び神崎さん。
4尾目となる2kgサイズをキャッチ。
イイダコと釣れたてのサバの切り身の抱き合わせで一人勝ちだ。
船長の判断がドンピシャ当たり、ラスト1時間は怒涛の連発ヒット。
結果3kg弱を最大に0~4尾、船中7尾まで釣果をのばすことができた。
釣り人でなければ見ることも口にすることもできない希少魚アラ。
釣ってみたいと思っているならぜひ丸天丸へ。
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スロージギングでも狙える
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珍魚エビスダイが釣れた
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オキメバルは定番ゲスト
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Tackle Guide
オモリは200 号を使うので、パワーバランスを考慮すると電動リール3000番(500番)クラスを推奨。
竿はアラの強いアタリをいなせる柔軟さと魚を底から浮かせることのできるしっかりとした腰を併せ持つ青物五目用や200号オモリにも対応できるアカムツ用ロッドがおすすめ。
船宿information
茨城県波崎新港 丸天丸
070・3826・0010
▼備考=予約乗合、5時集合。5名以上で出船確定。エサは各自持参だが事前予約すれば船宿購入可能。アカムツ狙いも受付(4名以上で出船確定)
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隔週刊つり情報(2024年8月15号)※無断複製・転載禁止