8月1日、相模湾のキハダ・カツオのコマセ釣りが解禁となり、キハダ釣法の最大勢力「コマセ船」が相模湾一帯で続々とスタートする。
コマセ釣りは大物釣りの初心者でも釣れる確率が高い釣法で、今年のキハダ・カツオは先行するイワシエサ船の爆釣ぶりを見ても大いに期待できる。
そこで今回はキハダも視野に入れつつヒット率が高いカツオに焦点を当て、初心者が最初の1本を手にするためのタックルや仕掛け、釣り方のコツなどをお届けしよう。
相模湾のキハダ・カツオ基本タックル
タックル&仕掛け
Qどんな竿がいい?
A 意外かもしれないが、カツオもキハダもアタリは小さい。
なので繊細なアタリを表現するしなやかな穂先と、大物を引き上げるバットパワーを備えているキハダ専用竿や青物用ワンピースや泳がせ竿がベスト。
長さは1.8~2m前後で、青物用でも長い竿は魚に振り回されるのでおすすめしない。
Qリールのサイズはどれくらい?
A 電動リールならシマノ4000~9000番、ダイワ600~1200番。
両軸リールはレバードラグタイプの12~16番。
大物釣り初心者は、置き竿の電動巻き上げでカツオはもちろんキハダを引き上げることも可能な大型電動リールがおすすめ。
キハダ専用竿とパワータイプの大型電動リールの組み合わせはコマセ釣りの最強タックル
出典:
Q道糸はPE何号を何メートル?
A PE8~12号300m、オマツリが多い釣りなのでできれば400m以上巻いておくと安心。
Qレンタルタックルはある?
A ほとんどの船宿は手巻きリール、もしくは電動リール付きの貸し竿を完備し、テンビンやコマセカゴ、ロッドキーパーなどまで借りられ、仕掛けも販売している。
まずはレンタルタックルで始めて、この釣りにハマったら自分で道具をそろえる、というのも一手。
Qハリスは何号?
A カツオはコマセに突っ込んでくるので16~20号2mと短い仕掛けを使う。
群れにキメジやキハダが混在しているときは20~30号、3~4.5mとワンランク太く長い仕掛けを使ってみよう。
(上)ハリスは強度としなやかさを兼ね備えた高性能フロロカーボンがおすすめ(下)ハリスの先端は強化チュ ーブを通して補強し、8の字結びでチチワを作り、テンビンの腕の金具に接続する
出典:
Qどんなハリを使うの?
A カツオはヒラマサ13~14号。
キメジ・キハダ狙いでは種類が豊富な環付きタイプの専用バリが定番だが、環付きバリを嫌う傾向があるカツオとの両狙いになる場合が多い8月は、シルエットがすっきりしたタタキバリのキハダ専用15~16号、ヒラマサ16号などがおすすめ。
Qハリの結び方は?
A 慣れた結び方が一番。
ハリ軸に熱収縮パイプをかぶせると、ハリ軸とハリの間のパイプが滑り止めとクッションになり結び目を強化する。
熱収縮パイプを1㎝ほどカットし、ハリ軸にかぶせてライターなどで加熱し収縮させる
出典:
Q仕掛けは何組あればいい?
A カツオ狙いはオマツリがつきもので仕掛けの消耗が激しくなるので最低でも5組は準備したい。
キメジ・キハダ用は2組が目安。
Qテンビンの種類は?
A オマツリしたとき対処がしやすいシンプルな片テンビンがおすすめ。
オマツリで高切れして紛失することもあるので、テンビンとコマセカゴは予備も必携。
Qコマセカゴとオモリは?
A コマセカゴはLサイズ相当の丈夫なステン缶がおすすめ。
オモリは80号が基準だが100~120号を使う船もあるので事前に確認しよう。
(左)滑り止め付きのグローブはマストアイテム(右)片テンビンは軸太の青物用、コマセカゴは丈夫なステン缶を使う人が多い
出典:
Qほかに必要な物は?
A ハサミやペンチなどのほか、仕掛けをたぐるとき手が滑るとケガをするおそれがあるので滑り止め付きのグローブは必携。
乗船~出船まで
Q乗合船と仕立船の違いは?
A 乗合船は一人で気軽に参加できるのが魅力。
完全予約制と、予約なしでも乗れる当日受付の2通りがある。
仕立船は自由度が高く、一人あたりの料金も人数がそろえば乗合船とほとんど変わらない。
Q釣り座の決め方は?
A 予約順に決める、先着順で船宿の釣り座ボードなどに記入するなど船によって様ざまだから事前に確認しよう。
Qクーラーボックスと氷は?
A キハダが釣れた場合、ほとんどの船はキハダ用の保冷箱があるからそれを利用する。
キハダを冷やすための氷を用意している船と、そうでない船があるから予約時に確認しよう。
各自で持参するのはカツオやキメジ用で、氷を入れた40l前後のクーラーでいい。
キハダが釣れたら帰港後に船宿に頼むか自分で解体すればその中に入る。
実釣編
Qエサの付け方は?
A 付けエサのオキアミは粒が大きい3Lサイズが相当が理想。
エサの付け方は様ざまあり、1匹掛けがスタンダード。
食い渋ったときはハリ軸に沿ってオキアミを通し刺しにする丸掛けがおすすめ。
カツオ、キハダともに食い渋ったときに効果的な丸掛け
出典:
Qドラグは何kgに設定する?
A カツオ、キメジ・キハダのいずれが食ってもほどよい3kg前後に調節(道糸をつかみ、強く引いてズルッと滑るくらい)しよう。
Qタナの取り方は?
A 例年8月は、ベイトを追って移動するカツオやキメジ・キハダの群れの進行方向に先回りして狙う通称〝追っかけ〟と呼ばれるスタイルになる場合が多い。
追っかけで狙う場合は素早いタナ取りが重要。
合図と同時に投入し、手早くコマセを指示ダナにまき、突進してくる魚群の前方に仕掛けを止めて待つ。
指示ダナは「20m」などとピンポイントに出ることもあれば、「カツオは10m、キハダは30m」と魚種ごとにアナウンスされることもある。
また「10~20m」と幅を持たせた指示ダナの場合は、群れの中心付近に付けエサを漂わせるイメージで、指示ダナの上限に合わせるのが基本だ。
シーズン初期の釣り方イメージ
Qアタリはどんな感じ?
A 前記したようにカツオもキハダも竿先がツンと動く程度の小さいアタリが多い。
カツオもキハダもアタリに即合わせが基本。
キハダの場合はアタリを見逃しハリを飲まれてノド奥に掛かると、硬い歯に当たりハリス切れする頻度が高まるが、この小さなアタリに合わせて口角にハリ掛かりさせればキャッチ率がアップする。
Qヒットした後はどうする?
A あらかじめドラグを3kg前後に調節し、ヒットしてもほとんど道糸が出なければカツオの可能性が高い。
カツオは横方向へ走り回るから、隙を与えるとオマツリする。
相模湾の平均サイズの3kg前後なら、ハリス16~20号の仕掛けで切れることはないので、強引に巻き上げて速やかに取り込もう。
一方、キメジやキハダが食うと道糸が勢いよく出ていく。
ドラグを効かせて走るだけ走らせ、魚が止まったらドラグを徐々に増し締めし、電動リールであれば中速で巻き上げる。
Q取り込み方は?
A カツオは竿先の手前までテンビンを巻き上げ、ハリスをたぐって魚の頭を海面から出すとおとなしくなるので、タモですくってもらう。
一方、キメジやキハダの取り込みは慣れが必要。
初心者は海面近くまで巻き上げたら、最後は船長やスタッフにバトンタッチして取り込んでもらおう。
カツオの取り込みイメージ
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隔週刊つり情報(2022年8月15日号)※無断複製・転載禁止