内房のアオリイカが春の大型シーズンに突入した。
この春シーズンから餌木シャクリのアオリイカ船をスタートした内房保田港・村井丸ではすでに2.5kgの大型が取り込まれ、ほかにも2kg前後の大型交じりの釣りが展開されている。
今やティップラン人気に押されてシャクリ釣りが楽しめる船も少なくなっているが、乗った瞬間の衝撃はやはりこの釣りでしか味わえない。
そんな感触が忘れられないファンを乗せて出船。
村井丸では根周りや大型アオリイカの反応をピンポイントで狙っていくスピーディーな釣りがメイン。
取材日は1kgクラスまでと大型は出なかったが、この時期の裏本命とも言える大型のアカイカも姿を見せた。
他船では3kgの大型アオリも出たようで、これから7月ごろまでチャンスは続く。
![釣行の写真]()
保田~金谷沖の水深30m前後をピンポイントで探っていく
出典:
アオリイカは秋~冬にかけての数釣りシーズンと、春~夏にかけた大型シーズンがある。
内房エリアでは3月に入って3kgクラスの特大サイズまで上がり乗っ込みシーズンに突入した模様。
そこで、今シーズンからシャクリのアオリイカ船をスタートさせた内房保田港の村井丸から様子を探ってきた。
「今年から始めたばかりだからまだ船頭も手探りの状態なんだけどね」と村井智博船長は言うが、すでに最大2.5kgを始め大型が多数上がっている。
餌木シャクリは縦の釣りで一定のペースでシャクリを繰り返し、シャクった瞬間にズッシリとした乗りの衝撃を味わえるのが魅力だ。
取材に伺ったのは4月1日。
乗船したのは4人のアオリイカファン。
3人は中オモリの正統シャクリスタイル、もう一人はスピニングタックルで、重い餌木を使用したバーチカルなティップランで挑戦。
![釣行の写真]()
今では少なくなった餌木シャクリ釣りが楽しめる
出典:
![釣行の写真]()
この日は小ぶりだったが2.5kgクラスまで出ている
出典:
最初に1kg級がきた
6時前に出船すると、ゆっくり走って5分ほどのポイントで船は旋回する。
狙うポイントは根周りや魚礁周りがメインで、反応を見てピンポイントで攻めていくことが多いという。
船長からは海面からの指示ダナが出る。
「20m」と言われたら、中オモリをこのタナに合わせる。
ハリスは4mなので、餌木はタナ下3m前後を漂うイメージだ。
この時期は浮いているイカが多く、魚探に反応が出る場合はかなり上の指示が出ることもあるそうだ。
開始から2時間ほど、小移動を繰り返すがたまに「チップがあったよう」という程度で明確な乗りはない。
天候はたまに小雨がパラつくような低い雲が立ち込め、水色は濁りが適度に入ってアオリイカにはよさそうな条件なのだが……。
最初の乗りがやってきたのは8時前。
館山市の上野富次雄さんがショートロッドを曲げた。
ギュンギューンと抵抗して上がってきたのは1kg級。
これでも十分の大きさだが、目下のところ狙っているのはこの2倍、3倍のサイズだ。
餌木は「何十年も前の手作りのやつ」というオールド餌木でピンクとマーブル系の装飾が施してあった。
シャクリは2~3秒に1回と早めのペースで、小さいシャクリをメインにたまに大きくシャクっていたという。
この1杯でさあスタートか、と思われたがそのあとはまた沈黙が続く。
船長は船を金谷沖方面に向ける。
潮通しがよく、沖から3kgオーバーのモンスター級が入ってくるポイントだ。
そこですぐに竿を曲げたのは東金市の田中基之さんで、今シーズンは2kg弱までを上げているそう。
そんな田中さんは首をかしげながら「アオリじゃない」という。
姿を見せたのは胴長40cm近いマルイカ、というよりアカイカと言ったほうがいいサイズだった。
田中さんは潮によってシャクリのペースを変えているが、8秒くらいの間隔にすることが多いそうだ。
![釣行の写真]()
この時期の裏本命とも言えるのが良型のアカイカ(マルイカ)だ
出典:
知っ得! オールド餌木は今でも活躍!
アオリイカのシャクリ釣りが流行したのは今から20年以上前。
このころは各メーカーから船アオリ用の餌木が多数発売されていた。
筆者もそのころのものが多く残っている。
この日2杯乗せた上野さんが持参した餌木もすべて年代物だったが、十分乗ることを証明してくれた。
最新のものと併せて使ってみよう。
![餌木の写真]()
一番上は最新餌木、下2つは懐かしの名餌木
出典:
アカイカに盛り上がる
アカイカの群れが入ってきたのかみんな触りはある、
しかしなかなか乗せられないようだ。
一人50gの重量にしてバーチカルなティップランで釣っていた春日部市の渋谷裕一さんは、「めちゃくちゃ触ってきます。でも餌木が大きいのかアタリを出してもすぐに放しちゃうみたいです」とお悩みの様子。
しかしその直後にフッキング成功、上がってきたのは触腕や腕がぶっとい胴長40cm級のアカイカだった。
いい日にはこれが一人数杯ずつ釣れるようで、これはこれでうれしい。
まさに裏本命ともいえそうだ。
続いて竿を曲げたのはまた渋谷さんだった。
今度はアオリイカですよ、と竿をしっかりと曲げて巻き上げるが、途中でバレてしまいガックシ。
それでも気を取り直して直後にアカイカを1杯追加する。
マルイカ船で釣れたら大騒ぎのサイズだ。
渋谷さんはティップランでの鉄板カラーの紫系をメインに使っていた。
11時ごろになり保田寄りのポイントに移動。
ここで竿を曲げたのは最初にアオリを乗せた上野さん。
聞けば洲ノ崎沖でかなり長い間、シャクリをやってきたという。
「小さいよ」と言いながら上げたのは700g級だった。
「このあたりはやっぱりオレンジとピンクによく乗るね」と上野さん。
すると直後に渋谷さんが、「乗った!」と叫ぶ。
こちらも1kgには届かなかったが苦労して釣り上げた本命だけに「いやあ、よかったです!」。
正午を回ったころ、村井船長から「今日は13時まで粘ってみましょう」とアナウンス。
そして終了直前に田中さんが竿を曲げた。
「また違うね」と上げたのはやはりアカイカだった。
この日の結果は4人でアオリイカ3杯、アカイカ4杯だったが、反応もあり定置網には大型も多数入っているというのでこれからが楽しみだ。
定置網は本来なら秋によく見られる小型も入っているようで、今後は大中小交じりで釣れる可能性もある。
このエリアのアオリイカは今後、長いと7月末ごろまで楽しめる。
ズッシリとした感触をぜひ味わってほしい。
![釣行の写真]()
バーチカルティップランでアオリ1、 アカイカ(マルイカ)2杯を上げた
出典:
Tackle Guide
竿はオリ用のロング、ショートロッド、ライトゲームロッドと好みで選ぼう。
道糸は細すぎるとシャクリ時に切れることがあるので最低てもPE1号以上を。
餌木は3.5~4号が標準だが、大型狙いには4~4.5号も有効だ。
船宿information
内房保田港 村井丸
0470・55・1121
備考=予約乗合、4時半集合。別船はライトタイ五目、 ライト五目、アジへも
釣り船予約サイト「釣割」のスタッフがオススメする釣り船はこちら!
【内房(千葉県)・アオリイカ】人気ランキング
【内房(千葉県)・アオリイカ】価格ランキング
隔週刊つり情報(2024年5月1号)※無断複製・転載禁止